イヌワシとはどんな鳥?特徴、生態、生息地について解説します。イヌワシはとても大きな鳥で捕食をする動物でもあります。体が大きいことからさらに翼を広げると驚異的な大きさにもなります。大型の鳥類の特徴や生態についてまとめています。
イヌワシとは? 基本ステータスについて
イヌワシ(Golden eagle)はタカ目タカ科イヌワシ属に分類される鳥類。学名はAquila chrysaetos、漢字は犬鷲。体長は75 – 95cm、体重は3 – 5kg。基本的な情報の一覧は以下の通り。現在、ワシは世界でも日本でも北半球において全国で個体が分布して見れます。羽を広げるととても大きいです。
| Japanese(和名) | イヌワシ |
| English(英名) | Golden eagle |
| scientific name(学名) | Aquila chrysaetos |
| classification(分類) | Ave、Accipitriformes、 Accipitridae、Aquila 鳥綱、タカ目、タカ科、イヌワシ属 |
| IUCN Status(保全状況) | LEAST CONCERN |
| Length(体長) | 75 – 95cm |
| Weight(体重) | 3 – 5kg |
分類について
イヌワシは以下のような亜種が存在します。
- Aquila chrysaetos chrysaetos
- Aquila chrysaetos daphanea
- Aquila chrysaetos himeyeri
- Aquila chrysaetos japonica
- Aquila chrysaetos kamtschatica
系統分類
| 階級 | 分類 |
|---|---|
| 界 | 動物界(Animalia) |
| 門 | 脊索動物門(Chordata) |
| 綱 | 鳥綱(Aves) |
| 目 | タカ目(Accipitriformes) |
| 科 | タカ科(Accipitridae) |
| 属 | ワシ属(Aquila) |
| 種 | Aquila chrysaetos |
生息地について
イヌワシはユーラシア大陸、アフリカ、北アメリカ、日本(本州、四国、九州など)、中国、メキシコなどかなり広い地域で分布しています。
1. 世界の生息地
イヌワシは非常に広範囲に生息しており、北半球の山岳地帯や開けた土地を好みます。
- ヨーロッパ
- スコットランド、スペイン北部、ノルウェー、アルプス山脈
- 森林よりも山岳・荒野・草原など開けた場所で見られる
- アジア
- 中央アジア(モンゴル、カザフスタン)
- シベリア、ヒマラヤ山脈、チベット高原
- 北アメリカ
- カナダ、アラスカ、ロッキー山脈
- 広大な草原や山岳地帯で生息
特徴:
- 標高の高い山岳地帯や渓谷を好む
- 森林よりも視界が広く、狩りがしやすい開けた地形を好む
- 氷雪地域や極端に湿った地域は避ける
2. 日本国内の生息地
- 分布: 主に北海道
- 環境: 山岳地帯、渓谷、広大な森林や草原
- 数の目安: 国内では希少で、繁殖個体数は100〜200羽程度(環境省レッドリスト絶滅危惧IB類)
- 特徴:
- 冬季は低地や平野に移動する個体もいる
- 繁殖は標高の高い断崖や樹上で行う
3. 生息環境の条件
- 狩りに適した開けた空間(草原、丘陵、渓谷)
- 大型の巣を作れる樹木や崖
- 餌となる哺乳類や鳥類が豊富な地域

特徴は?どんな感じの生物なのか?
イヌワシは黒褐色や暗褐色で後頭の羽衣は光沢のある黄色。尾羽基部を被う羽毛は淡褐色。幼鳥は後頭から後頸にかけて淡褐色の縦縞が入ります。主な生息地は森林や草原などで常に獲物を探しています。上空から獲物を発見すると、翼をすぼめ急降下して捕らえるため、獲物は気づく前に捕食されてしまうのです。山地などでつがいで生活をしていますので多く観察もされます。
1. 外見の特徴
- 体の大きさ:
- 全長:75〜90 cm
- 翼開長:1.8〜2.3 m(成鳥の翼はとても大きく、飛翔時に迫力がある)
- 体重:3〜6.5 kg
- 羽の色:
- 全体は濃い茶色
- 頭部・首の後ろに金色の羽毛があり、日光で輝く → 「Golden Eagle」の由来
- 尾羽は濃褐色で先端がやや淡色
- くちばし・爪:
- 鋭く曲がったくちばしで獲物を裂く
- 強力な爪(タロン)で獲物を捕まえる
- 目:
- 黄色い瞳で視力は非常に鋭い
- 高空からでも小動物を見つけられる
2. 行動・生態
- 狩り:
- 主に地上の哺乳類(ウサギ・リス・モルモットなど)や鳥類を捕食
- 高空から急降下して獲物を捕まえる「空中狩り」が得意
- 単独またはつがいで行動することが多い
- 巣作り:
- 樹上や断崖に大きな巣(高さ1〜2 m、幅2〜3 m)を作る
- 同じ巣を長年にわたり再利用することがある
- 繁殖:
- 1回の繁殖で1〜3羽の雛を産む
- 両親で交代して雛を育てる
3. 性格・性質
- 知能: 高く、狩りや巣作りで戦略的行動をする
- 警戒心: 非常に鋭敏で、人間や外敵に敏感
- 飛翔: 滑空能力が高く、風を使って長距離を飛ぶ
- 社会性: 基本的に単独行動だが、つがいで生活する
生態はどんな感じ?
イヌワシの餌は動物食で、ノウサギなどの哺乳類、猛禽類、鳥類、ヘビなどの爬虫類、動物の死骸などを食べて生活をします。繁殖形態は卵生。木の上で巣を作ることで卵を産みます。営巣場所が限られるため毎年同じ巣を使うことが多いです、抱卵日数は2か月くらい。寿命は20年~25年と言われています。
1. 行動と活動範囲
- 昼行性:日中に狩りや移動を行う
- 単独またはつがいで生活:社会性は低く、基本的に孤独だが繁殖期はつがいで協力
- 縄張り性:繁殖期には広い縄張りを持ち、他のイヌワシの侵入を避ける
- 飛翔能力:
- 滑空能力が非常に高い
- 上昇気流を使い、長距離をエネルギーを節約して移動
- 狩りの際は急降下で獲物を捕らえる
2. 食性(何を食べるか)
- 主食:中型の哺乳類
- ウサギ、リス、モルモット、カモシカの子供など
- その他:鳥類(カモ、ガチョウ、カラスなど)
- 捕食方法:
- 高空から急降下して獲物を捕らえる
- 地上の小動物を見つけて急襲
- 強力な爪で捕獲し、くちばしで裂いて食べる
3. 繁殖と巣作り
- 巣作り:
- 樹上や断崖に大きな巣を作る
- 長年にわたり同じ巣を使用することがある
- 繁殖期:春〜初夏(地域による差あり)
- 卵の数:1〜3個
- 育雛:
- 両親で協力して雛を育てる
- 雛は巣で1〜2か月ほど親と過ごした後、飛行訓練をして独立
4. 移動と分布
- 季節移動:
- 北方の個体は冬季に低地や平野に移動することがある
- 日本の北海道では、冬季に比較的低地に降りる個体も
- 生活圏:
- 山岳地帯、開けた草原や渓谷
- 森林よりも視界が広く、狩りに適した開けた土地を好む

イヌワシのヒナについて
イヌワシの ヒナ(雛)の生態や成長過程 について詳しくまとめます。
1. 卵と孵化
- 産卵時期: 春〜初夏(日本では4〜5月頃)
- 産卵数: 1〜3個
- 卵の特徴:
- 白〜淡いクリーム色
- 茶色い斑点があることも
- 孵化までの期間: 約40〜45日
2. 雛の成長
- 孵化直後:
- 体は小さく、羽毛は薄い産毛
- 目は半分閉じており、親鳥が温めて守る必要がある
- 2〜3週間:
- 産毛が羽に変わり、体が急速に大きくなる
- まだ飛ぶことはできないが、親から餌をもらう
- 1か月半〜2か月:
- 飛行訓練を始める
- 親鳥の指導のもと、滑空や短距離飛行を練習
- 独立:
- 孵化から約2〜3か月で巣立ち
- 完全に狩りができるようになるまで、親が餌を与える
3. 雛の特徴
- 羽色: 成鳥よりも淡い茶色
- 目: 黄色ではなく灰色っぽい
- 体格: 成長とともに徐々に大きくなり、翼や尾羽が発達
- 性格: 好奇心が強いが、まだ警戒心は低く、巣の外では無防備
4. 親との関係
- 保護: 親は巣の外敵から雛を守る
- 餌やり: 親が狩った獲物を雛に与える
- 訓練: 狩りや飛行のスキルを教える
イヌワシは絶滅危惧種なのか?
イヌワシは絶滅危惧種ではありません。そのかわりにワシントン条約にも掲載されておりますので国際取引で制限を受けています。ワシやクマタカは減少したため、個体群は広く保護されるようになります。自然保護の調査や活動が活発になっております。
1. 世界的な保全状況
- IUCNレッドリスト(国際自然保護連合)
- 分類:Least Concern(LC) → 世界的には絶滅の危険は低い
- 理由:分布域が広く、世界全体では安定している個体数が多い
- ただし、地域によっては個体数が減少していることがあります
2. 日本における保全状況
- 環境省レッドリスト(日本)
- 分類:絶滅危惧IB類(EN)
- 理由:
- 北海道に限られた分布
- 森林伐採や人間活動による生息地の減少
- 獲物の減少や交通事故などの脅威
- 保護策:
- 繁殖地の保護
- 個体数調査と生息地管理
- 人間による干渉の制限(巣の近くでの開発や林業の制限など)
3. 日本での個体数
- 北海道で繁殖する個体数:約100〜200羽程度
- 国内での分布は非常に限られ、希少性が高い
イヌワシはペットとして飼育できる?
イヌワシはペットとして飼育できる?飼えないことはないですが許可を必要とするケースがとても多いです。これは人や家畜などを襲うこともあり、捕食するから。決して簡単ではないので、一般人にはおすすめできません。動物園などイベントの案内で鑑賞がおすすめ。
1. 法律上の規制
- 日本では猛禽類は特別な許可が必要
- イヌワシは野生鳥獣保護法により保護対象
- 無許可での捕獲や飼育は 違法
- 飼育できるのは、特別な目的(研究、教育、飼育施設など)で 都道府県知事の許可 を受けた場合のみ
2. 生態的な理由
- 大型で狩猟本能が強い
- 体重3〜6 kg、翼開長2 m前後
- 鋭い爪とくちばしで獲物を捕まえる
- 家庭環境では危険で制御不能
- 広い縄張りを必要とする
- 自然界では何十平方キロメートルも飛び回る
- ケージや室内では健康やストレス管理が困難
3. 餌や環境の問題
- 食事: 野生動物(ウサギ・鳥類など)が主
- ペット用の餌では栄養が不足しがち
- 環境: 高所の巣や広い滑空スペースが必要
- 屋内飼育や狭い庭では不可能



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