コクチョウはどんな鳥?特徴、生態、生息地について解説します。この鳥はオーストラリアでしか見ることのできない鳥なので知らない方は世界中でとても多いと言われています。しかしそんな固有種でありながらも実は意外と生息数は安定していることが分かっています。
コクチョウとは? 基本ステータスについて
コクチョウはカモ目カモ科ハクチョウ属に分類される鳥類。学名はCygnus atratus、漢字は黒鳥。全長110cmから140cm、体重は5kgから6kgで翼開長は2mあります。情報の一覧は以下の通り。日本では無名の鳥でハクチョウとは逆に黒い姿が特徴です。Black Swanと呼ばれます。
| Japanese(和名) | コクチョウ |
| English(英名) | Black Swan |
| scientific name(学名) | Cygnus atratus |
| classification(分類) | Ave、 Anseriformes、Anatidae、Cygnus 鳥綱、カモ目、カモ科、ハクチョウ属 |
| IUCN Status(保全状況) | LEAST CONCERN |
| Length(全長) | 110-140cm |
| Weight(体重) | 5-6kg |
分類について
コクチョウは亜種が2種類存在します。
C. a. atratus
この亜種はオーストラリア全体で分布します。
C. a. sumnerensis
以前はニュージーランドで分布していた亜種です。しかしマオリ族の狩猟により絶滅してしまいました。
分類学(タクソノミー)
- 界 (Kingdom): Animalia(動物界)
- 門 (Phylum): Chordata(脊索動物門)
- 綱 (Class): Aves(鳥綱)
- 目 (Order): Anseriformes(カモ目)
- 科 (Family): Anatidae(カモ科)
- 属 (Genus): Cygnus(ハクチョウ属)
- 種 (Species): Cygnus atratus(コクチョウ)
生息地について
コクチョウはオーストラリアにのみ分布しています。
1. 自然分布(原産地)
- オーストラリア全土に広く分布
- 特に東部や南東部の淡水湖、川、湿地に多い
- ニュージーランド
- 19世紀にオーストラリアから導入され、野生化
- タスマニア
- 天然の生息地として確認されている
2. 生息環境
- 淡水域を中心に生活
- 湖、池、川、湿地
- 水草が多い浅い水域を好む
- 沿岸の汽水域でも見られることがある
- 都市部の人工池でも適応可能
3. 季節移動
- 基本的に渡り鳥ではなく、定住型
- 水や餌の状況に応じて局所的に移動することはある
- 干ばつ時にはより大きな水域へ移動する
特徴は?どんな感じの生物なのか?
コクチョウは全身黒色で嘴は赤色。虹彩はピンクまたは赤みがかっています。風切り羽根の部分は白色をしています。生息環境は湖沼,河川,湿地付近などで季節や環境の変化により移動を行う漂鳥です。群れを形成しており、渡りは一切行いません。オーストラリア唯一の固有のハクチョウ属です。
1. 外見・体の特徴
- 体色: 全身が真っ黒(翼の先端に白い羽が混じることもある)
- くちばし: 鮮やかな赤色で、先端に白い斑がある
- 体の大きさ:
- 体長:約110〜140 cm
- 翼を広げると約2 m前後
- 体重:約3.7〜9 kg
- 脚と足: 黒くてしっかりした水かき付き
💡 見た目の印象: 「ハクチョウの黒バージョン」と思えばわかりやすいです。堂々としていて優雅ですが、全体が黒いのでやや神秘的な雰囲気があります。
2. 飛び方・行動
- 飛翔能力: 強くて長距離も飛べる
- 飛ぶ姿: 長い首をS字に伸ばして飛ぶ様子はとても優雅
- 泳ぎ: 水面を滑るように泳ぐ
- 群れ: 普段は小さな群れ、餌が豊富な場所では数十羽規模で集まる
3. 鳴き声
- 高く鋭い「ホーッホーッ」というような声
- ハクチョウの鳴き声よりも少し低く、威厳を感じる
4. 食性
- 植物食中心(水草、草、藻類)
- 時々、稀に小さな水生昆虫なども食べることがある
5. 繁殖
- 巣: 水辺の草や小枝で作る
- 卵: 4〜8個
- 親鳥の役割: 両親で子育てする
- 繁殖期: オーストラリアでは春〜夏(9月〜1月)
6. 性格・特徴
- 普段は温厚で優雅
- 縄張り意識が強く、巣を守る時は攻撃的になる
- 人間や他の鳥に対して警戒心はあるが、慣れると近づくことも可能

生態はどんな感じ?
コクチョウは草食性で、主に水草を食べて生活をしています。繁殖期は4月から9月にかけて行われます。つがいは一生の間、継続するため一夫一妻制です。コクチョウは草を積み上げた直径約1.5mの巣を作って卵を産みます。通常、4-6個を産卵し幼鳥、ヒナが飛べるようになるまで面倒を見ます。寿命は30年から40年となります。
1. 生活環境
- 主に淡水域に生息:湖、池、川、湿地
- 浅い水辺を好み、水草が多い場所で餌を食べる
- 沿岸や都市部の人工池にも適応可能
2. 食性
- 植物食中心
- 水草、藻類、草、種子
- 動物性はほとんど食べない
- 水中の植物を首を伸ばして食べる姿がよく見られる
3. 社会性・群れ
- 基本的に群れで行動
- 普段は小さな家族群
- 餌場では数十羽〜百羽単位の群れになることも
- 縄張り意識が強く、巣や家族群は守る
4. 繁殖行動
- 巣作り:水辺の草や小枝で大きな巣を作る
- 繁殖期:オーストラリアでは春〜夏(9月〜1月)
- 卵:4〜8個
- 親鳥の役割:両親で子育てを行い、ヒナを水辺で守る
- ヒナの成長:生後数か月で飛べるようになる
5. 移動・渡り
- 定住型の鳥
- 渡りはせず、局所的移動のみ
- 干ばつ時や水場が干上がった場合に移動
- 基本的に同じ地域で生活する
天敵はいるのか?
コクチョウはこれと言った天敵がいません。オーストラリアにはあまり天敵と呼べる動物がいません。

コクチョウのヒナについて
コクチョウ(Cygnus atratus)のヒナについて詳しく整理します。ヒナは「黒くてかわいい!」というよりも、親鳥と一緒に水辺で生活する重要な時期があります。
1. 誕生と孵化
- 卵の数:4〜8個が一般的
- 孵化期間:約35日
- 孵化直後の特徴:
- 羽毛は灰色〜淡い茶色でまだ飛べない
- くちばしはピンクがかった灰色
- 親鳥にくっついて水辺を泳ぐ
2. 成長過程
- 初期(孵化後〜2週間)
- 主に親鳥の保護下で泳ぐ
- 水に潜ることはなく、浅い場所で移動
- 中期(2〜6週間)
- 羽毛が徐々に生え替わり、体がしっかりしてくる
- 親鳥に付き添いながら餌を食べる練習を始める
- 後期(6〜12週間)
- 飛翔の準備が始まり、水草を自分で食べる
- 群れの中で他のヒナと交流
3. 飛翔・自立
- 飛べるようになる時期:生後3〜4か月頃
- 親からの独立:
- 飛べるようになると、徐々に親から離れる
- ただし、最初の1年は親の近くで行動することもある
4. 特徴・行動
- 羽毛は成鳥の黒色に比べて灰色や淡色でふわふわ
- 水上で泳ぐ能力は生まれてすぐでもあるが、体力は弱い
- ヒナの間は親鳥が警戒心の役割を果たす
- 餌は主に親が導く水草や柔らかい植物
コクチョウは絶滅危惧種なのか?
コクチョウは絶滅危惧種ではありません。ただしニュージーランドで絶滅してしまいましたのでオーストラリアのニューサウスウェールズ州で1974 年国立公園および野生生物法に基づいて保護されています。余談ですがコクチョウは1854年から1902 年まで西オーストラリア州での郵便切手のデザインになっていました。
詳細
- 分布と個体数
- オーストラリア全土やニュージーランドなどで広く生息
- 個体数は比較的多く、安定している
- 湖や湿地などの水辺が十分にある限り、生息環境は安定
- 保護状況
- 絶滅の危険性は低い
- 一部地域では農業や都市化による生息地の変化に影響を受けることもある
- ニュージーランドでは外来種として導入され、逆に増えすぎることもある
- 生態の強さ
- 定住型で局所移動するだけなので、環境の変化に柔軟に対応できる
- 人工池や都市の公園でも生息可能
コクチョウはペットとして飼育可能?
コクチョウは上記のように野生生物法に基づいて保護されていますからペットとして飼育することは難しいです。公園での投稿などをネットのページで眺めましょう。
1. 飼育の難しさ
- 体が大きい
- 成鳥で体長110〜140cm、翼を広げると約2m
- 広い池や飛ぶためのスペースが必要
- 水辺が必須
- 常に泳げる水場が必要
- 水の管理や水質の維持が重要
- 鳴き声が大きい
- 高くて鋭い声で鳴くので、住宅地では騒音になる
2. 性格・行動
- 攻撃的になることがある
- 特に繁殖期や縄張り意識が強い
- ヒナや巣を守る際には人間にも威嚇する
- 群れで生活する動物
- 1羽で飼うとストレスになることがある
3. 法律・許可
- 日本ではコクチョウは特定外来生物ではない
- しかし、野生動物の飼育には自治体の飼育許可や届出が必要な場合がある
- 繁殖や販売にはさらに規制がある
4. 実際の飼育例
- 動物園や公園の人工池での飼育が一般的
- 個人で飼育する場合は、
- 大きな屋外池や水辺のある庭
- 餌(主に水草や穀物)の管理
- 健康管理(獣医のサポート)が必須


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