バーバリーマカクはどんな動物?特徴、生態、生息地について解説します。数十頭に達する雌雄がほぼ同数の複雄複雌の群れを形成して生活していることからとても賑やかな集団を見ることがあるでしょう。彼らは実は絶滅危惧種に指定されている動物です。
バーバリーマカクとは? 基本ステータスについて
バーバリーマカクは哺乳綱霊長目オナガザル科マカク属に分類される霊長類。英語名はBarbary ape、Barbary Macaque。学名はMacaca sylvanus。体長は50-60cm、体重は10-15kgになります。情報の一覧は以下の通り。
| Japanese(和名) | バーバリーマカク |
| English(英名) | Barbary ape Barbary Macaque |
| scientific name(学名) | Macaca sylvanus |
| classification(分類) | Mammalia、Primate、 Cercopithecidae、Macaca 哺乳綱、霊長目、オナガザル科、マカク属 |
| IUCN Status(保全状況) | ENDANGERED |
| Length(体長) | 50-60cm |
| Weight(体重) | 10-15kg |
バーバリーマカク(Barbary macaque)の分類学
- 界 (Kingdom): 動物界 (Animalia)
- 門 (Phylum): 脊索動物門 (Chordata)
- 綱 (Class): 哺乳綱 (Mammalia)
- 目 (Order): 霊長目 (Primates)
- 科 (Family): オナガザル科 / マカク属に分類されることもある (Cercopithecidae)
- 属 (Genus): マカク属 (Macaca)
- 種 (Species): バーバリーマカク (Macaca sylvanus)
生息地について
バーバリーマカクはアフリカ北西部のモロッコやアルジェリアなどに分布しています。
1. 主な分布地域
- 北アフリカのアトラス山脈
- モロッコ北部とアルジェリア北部の山岳地帯が中心
- 標高500〜2,500m程度の森林や山地に生息
- 小さな島
- ジブラルタルには野生化した個体群が存在
- 歴史的に人間により導入されたもの
2. 生息環境
- 森林性が強い
- 常緑樹林、落葉広葉樹林、混交林
- 森林の開けた場所や岩場の多い山岳地帯も利用
- 水場の近くを好む
- 川や小川の近くで水分補給
- 食物環境の変化に適応
- 果実、葉、種子、昆虫などを採取
3. 生息形態
- 山岳地帯の森林を中心に 群れで生活
- 樹上と地上の両方で活動
- 樹上で食物採取や休息
- 地上で移動や社会的活動
4. 生息状況と課題
- 個体数は減少傾向
- 森林伐採や農地開発で生息地が断片化
- 観光や人間の接触によるストレスも問題
- 保護区や国立公園での保護活動が進められている
特徴は?どんな感じの生物なのか?
バーバリーマカクは尾は非常に短く、ほとんどないです。毛はやや長くて厚く、毛色は黄色っぽい灰色や灰色を帯びたような茶色。腹面は白で体つきはがっしりとしています。バーバリーマカクは四肢には5本の指があり、物をつかむことが出来ます。棲息地は標高1500~2500m程のところの渓谷や断崖などの環境を好み森林地帯が好きです。昼間に活動がメインです。
1. 外見
- 体格:中型のサルで、体長は約 50〜70cm、尾はほとんど短いかない
- 体重:オスで 15〜20kg、メスで 10〜15kg 程度
- 毛色:背中は黄褐色〜茶色、腹は淡い灰色〜白色
- 顔:ピンク色の肌で毛が少ない
- 尾:他のマカク属に比べて尾が非常に短く、ほとんど目立たない
2. 性格・行動
- 社交的で群れで生活
- 群れは 10〜50頭程度、オス優勢の社会構造
- 知能が高く好奇心旺盛
- 木の上や地上で遊んだり探索する
- 警戒心はあるが、臆病すぎない
- 群れで協力して危険を回避
3. 食性
- 雑食性だが植物中心
- 果実、種子、葉、花、樹皮
- 昆虫や小動物も食べることがある
4. 生態的特徴
- 樹上と地上の両方で活動
- 食物採取は樹上で行うことが多い
- 地上では移動や社会的行動を行う
- 繁殖
- 妊娠期間:約5〜6か月
- 1回に1頭を出産
- 幼獣は母親に依存して成長
5. その他の特徴
- 北アフリカに生息する唯一のマカク属
- 尾がほとんどなく、「尾なしマカク」 とも呼ばれる
- 英語では Barbary ape(バーバリーエイプ) と呼ばれることがあるが、実際はサル(マカク)

性格はどんな感じなのか?
バーバリーマカクは社会性が強い動物で群れで生活しています。社会的な階級をもっていてこれはメスでも雄でも同様になります。群れの中にいる幼獣、特に血縁関係のある幼獣を運搬・毛づくろいするなどの子育てを行うためかなり絆が強いです。
1. 社交的で群れ行動を重視
- バーバリーマカクは 群れで生活する社会性の高いサル
- 群れの中では序列(社会的ヒエラルキー)があり、オスが群れの中心を守る
- 仲間同士で 毛づくろいや遊び を通して関係を築く
2. 知能が高く好奇心旺盛
- 木登りや地上での探索など 遊びや調べる行動が活発
- 食べ物を探すときに工夫するなど、学習能力が高い
- 観光地などでは人間を観察し、学習することもある
3. 警戒心はあるが臆病すぎない
- 危険や捕食者に対しては警戒する
- しかし群れで協力して警戒するため、完全に隠れるより 状況に応じて行動
- 人間に慣れている群れでは、比較的大胆に行動することもある
4. 遊び好きで活発
- 幼獣や若い個体は特に遊び好き
- 木登り、追いかけっこ、物の探索などで活発に動く
- 社会性を育むための行動が多い
生態はどうなっているのか?
バーバリーマカクは果実や花、木の葉や種子、芽、樹皮、球根などの植物を食べて生活します。一夫多妻で、繁殖期は11~3月、妊娠期間160日あり、1回につき1-3頭産むことができます。生まれたばかりの子どもの体重は400~500gで半年くらいで離乳します。寿命は20年程度です。
1. 生息環境
- 主な生息地:北アフリカのアトラス山脈(モロッコ北部・アルジェリア北部)、ジブラルタル
- 環境:森林、岩場の多い山岳地帯、開けた林地
- 水源:川や小川の近くを好む
- 標高:約500〜2,500m
2. 活動パターン
- 昼行性(Diurnal)
- 日中に活動、夜は木の上や岩場で休む
- 樹上・地上の両方で活動
- 食物採取や遊びは樹上
- 移動・社会的交流は地上
3. 群れ構造
- 群れで生活する社会性の高いサル
- 群れの大きさ:10〜50頭程度
- オス優勢の社会構造(順位がはっきりしている)
- 仲間同士の毛づくろいで絆を強める
4. 食性
- 雑食性だが植物中心
- 果実、種子、葉、樹皮、花
- 昆虫や小動物も摂取
- 水分補給:湿地や川で行う
5. 繁殖
- 妊娠期間:約5〜6か月
- 出産:1回に1頭
- 幼獣は母親に依存して生活
- 性成熟:メスは約4年、オスは約5年で成熟
天敵はいるのか?
バーバリーマカクはワシやジャッカル、さらにはキツネなどが天敵に当たります。

バーバリーマカクの幼獣について
では バーバリーマカク(Macaca sylvanus)の幼獣 について詳しく整理します。
1. 外見
- 生まれた直後は体重 約0.5〜1.0kg、体長も非常に小さい
- 毛色は 黄褐色や赤みがかった色 で、成獣より明るく柔らかい
- 尾は非常に短く、成長してもほとんど目立たない
- 顔はピンク色で毛が少なく、可愛らしい印象
2. 行動
- 母親に 密着して過ごす
- 生後数か月は母親から離れず、抱っこや毛づくろいで安全を確保
- 遊び好きで活発
- 同じ年齢の幼獣同士で追いかけっこや木登りをして遊ぶ
- 遊びを通して社会性や運動能力を学ぶ
- 危険があるとすぐ母親や群れの後ろに隠れる
3. 食性
- 生まれてから数か月は 母乳 に依存
- 生後3〜6か月で徐々に 果実や葉、昆虫などを食べる 練習を始める
- 離乳はおよそ 6か月〜1年 で完了
4. 社会性
- 幼獣は母親と群れの他のメンバーから学ぶ
- 毛づくろいや社会的な順位の理解などを習得
- 同年代の幼獣との遊びで 群れでの立ち回り方や協調性 を身につける
5. 成長
- 生後1年で体格はほぼ半分程度に成長
- 幼獣期(0〜3歳)は学習と運動能力の獲得が中心
- 性成熟はメスが約4年、オスが約5年
バーバリーマカクは絶滅危惧種なのか?
バーバリーマカクは絶滅危惧種に指定されている動物です。ワシントン条約附属書Iに掲載されていますので国際取引が厳しく制限されています。森林伐採や開発による生息地の破壊、さらには食用にもなるため乱獲が進んでいる状態です。最大の脅威は密猟であり、年間300頭ほどが見世物やペットとして売られていると言う惨状です。日本では2020年に特定動物に指定しました。
1. IUCNの評価
- バーバリーマカクは IUCN(国際自然保護連合)レッドリストで絶滅危惧(Endangered, EN) に分類されています。
- 野生個体数は減少傾向にあり、保護が必要な種とされています。
2. 絶滅の主な原因
- 森林伐採・生息地の破壊
- アトラス山脈の森林開発や農地拡大により、生息地が断片化
- 人間との接触や狩猟
- 食用やペット目的での捕獲
- 観光地での人間との接触によるストレス
- 生息域の限定
- 北アフリカの特定地域にしか生息していないため、環境変化に弱い
3. 保護活動
- モロッコやアルジェリアでは 国立公園や保護区 での保護活動
- 捕獲や販売の規制
- 観光地での管理や生息環境の保全
バーバリーマカクはペットとして飼育可能?
バーバリーマカクは以上のように絶滅危惧種に指定されているうえにワシントン条約にも掲載されているため国際取引が厳しく制限されています。そのため、飼育することは極めて難しいです。
1. 絶滅危惧種である
- バーバリーマカクは IUCN絶滅危惧種(EN)
- 野生個体の捕獲・輸出は 法律で禁止 されている
- 個人が入手して飼育することは 違法
2. 生態的・性格的に飼育が難しい
- 群れで生活する社会性の高いサル
- 単独で飼育すると精神的ストレスが大きい
- 知能が高く好奇心旺盛
- 飼育環境が単調だと、遊びや探索不足で問題行動が起こる
- 昼行性で活発
- 飼育環境では運動不足やストレスが深刻
3. 飼育環境の問題
- 食事は果実や種子、葉、昆虫など多様で、自然環境に近い食事を再現するのが難しい
- 樹上活動や探索行動が多く、広い空間が必要
- 飼育下での寿命は伸びるが、健康や精神面での管理が非常に困難



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