アカショウビンはどんな鳥?特徴、生態、生息地について解説します。アカショウビンはカワセミの仲間になり、アジアの広い地域で見ることが可能になっています。国内では夏鳥として各地で見られるため有名ですが、実は絶滅危惧種に指定されている鳥です。
アカショウビンとは? 基本ステータスについて
アカショウビンはカワセミ科に分類される鳥類。森林に生息するカワセミの仲間。漢字では赤翡翠、英語はRuddy Kingfisher、学名はHalcyon coromanda。全長は27~28cm、体重は80~90g、翼開長は40㎝、情報の一覧は以下の通り。
| Japanese(和名) | アカショウビン |
| English(英名) | Ruddy Kingfisher |
| scientific name(学名) | Halcyon coromanda |
| classification(分類) | Aves、 Coraciiformes、 Alcedinidae、Halcyon 鳥綱、ブッポウソウ目、カワセミ科、ヤマショウビン属 |
| IUCN Status(保全状況) | LEAST CONCERN |
| Length(体長) | 27~28cm |
| Weight(体重) | 80~90g |
分類学(系統分類)
アカショウビンは以下のように分類されます。
| 階級 | 分類 |
|---|---|
| 界 | 動物界 (Animalia) |
| 門 | 脊索動物門 (Chordata) |
| 綱 | 鳥綱 (Aves) |
| 目 | ブッポウソウ目 (Coraciiformes) |
| 科 | カワセミ科 (Alcedinidae) |
| 属 | ハルシオン属 (Halcyon) |
| 種 | アカショウビン (Halcyon coromanda) |
生息地について
アカショウビンは朝鮮半島や日本からフィリピン、インドネシア、インドや中国、インドシナ半島など温帯から熱帯の地域で広く見ることが可能です。日本の国内では夏鳥として各地で見られます。
1. 日本での生息地
- 主な繁殖地:北海道、本州、四国、九州の森林や渓流沿い
- 環境の特徴:
- 密林や常緑樹・落葉樹の混ざる林
- 河川や小川の近く、湿った森を好む
- 樹洞や枯れ木の穴で巣作り
- 渡来・移動:
- 春(5月頃)に南から北上して繁殖
- 夏に繁殖し、秋(9〜10月)には東南アジアへ渡る
2. 世界の分布
- アジア東部から東南アジアに広く分布
- ロシア極東、朝鮮半島、中国東部、日本
- フィリピン、インドネシア、マレーシアなどでは冬鳥として越冬
- 熱帯〜亜熱帯の森林を中心に生息
3. 生息環境の特徴
- 密林・渓流沿いの森林:昆虫や小動物の餌が豊富
- 人里にはあまり近づかない:人間活動に敏感
- 巣作り:木の洞や朽ちた木を利用

特徴は?どんな感じの生物なのか?
アカショウビンは体の上面の羽毛が赤褐色で、体の下面は橙褐色。くちばしと足は赤く、目は黒い。雌雄ほぼ同色。日本では夏鳥として渡来し、北海道から沖縄までほぼ全国で繁殖をします。西表島は日本有数の繁殖地として有名です。森林に生息するのが特徴で、カワセミとは違い水辺から離れた森林でも見ることができます。単独やペアで生活していることが多いです。
1. 体の特徴
- 体長:約28〜30cm
- 体色:全身が赤茶色〜朱色、くちばしも赤い
- 尾羽・翼:尾羽は短く、翼は丸みがあり、飛ぶときは素早く羽ばたく
- 足:前向き3本、後ろ1本で枝をつかむタイプ(樹上生活向き)
- 目:黒く大きめで森の暗がりでもよく見える
2. 行動・生態
- 鳴き声:高く澄んだ「キョロロロー」という鳴き声。森の中でもよく響く
- 飛行:
- 素早く直線的に飛ぶ
- 森の中での枝間移動が得意
- 狩り:
- 昆虫、小さなカエルやトカゲなどを捕食
- 木の枝から飛び降りて捕まえる「空中ハンター」型
3. 繁殖・巣作り
- 巣:木の洞や枯れ木の穴に作る
- 卵:3〜5個程度
- ヒナ:
- 卵から孵ったヒナは親鳥に世話される
- 親鳥は餌を与えながら、巣で保護
4. 行動の特徴
- 渡り鳥:春に南から来て、日本で繁殖 → 秋には東南アジアに渡る
- 人目には付きにくい:密林や河川沿いの森の奥で生活
- 単独行動が多く、ペアで繁殖期のみ行動を共にする
5. 見た目の印象
- 赤茶色の全身と赤いくちばしで、森の緑に映える
- 羽ばたくと短く丸みのある翼で素早く動く
- 森の中で鳴き声を聞くと存在感は大きいが、姿は意外と見つけにくい
生態はどうなっているのか?
アカショウビンは動物食。渓流に飛び込んで魚やカエル、サワガニ、水生昆虫などを食べて生活をしています。繁殖形態は卵生。巣穴は崖や、キツツキの古巣を使って営巣。産卵期は6-7月、産卵数は5個です。野生下、飼育下ともに、詳しい寿命は不明で、なぞが多い鳥です。
1. 生息環境
- 森林性:主に広葉樹林や混交林の内部、渓流沿い
- 巣作り環境:枯れ木や古木の樹洞を利用
- 湿度の高い環境を好む(昆虫や小動物が多い)
- 人里からは離れる傾向:静かな深い森を選ぶ
2. 行動パターン
- 昼行性で、日中に活動し、昆虫や小動物を捕食
- 狩り:
- 枝にとまって獲物を探す
- 小型のカエルやトカゲ、昆虫類をくちばしで捕獲
- 飛行:
- 森の中で短距離を素早く移動
- 直線的に飛ぶ能力に優れ、捕食・逃避に活用
3. 繁殖生態
- 繁殖期:日本では5月〜7月
- 巣:木の洞に浮かぶ巣や木の穴
- 卵:3〜5個
- ヒナ:
- 親鳥に餌をもらいながら成長
- 孵化後は巣の中で安全に過ごす
4. 食性
- 肉食性中心:
- 昆虫類(甲虫、カミキリ、バッタなど)
- 小型両生類(カエル、イモリ)
- 小型爬虫類(トカゲなど)
- 狩りの方法:
- 枝先から飛び出して捕食
- 捕まえた獲物は枝で叩いて仕留める
5. 移動・渡り
- 渡り鳥:日本では夏鳥
- 春:東南アジアやフィリピンから北上して日本に渡来
- 秋:日本で繁殖後、南下して越冬地へ移動
- 渡りのルートは東アジア全域に広がる
6. 社会性
- 単独性が強い
- 繁殖期のみペアで行動
- 縄張り意識:森の中で一定のエリアを維持して生活
- 鳴き声で他個体に存在を知らせる
天敵はいるのか?
アカショウビンはタカなどの猛禽類やカラスが天敵に当たります。

アカショウビンの幼獣について
アカショウビンの幼獣(ヒナ)について整理します。アカショウビンは森林性のカワセミ類で、ヒナも森の中で独特な生活をします。
1. 卵と孵化
- 卵の数:3〜5個
- 卵の色:白色で無斑
- 孵化期間:約18〜20日
- 抱卵:主にメスが抱卵、オスが餌を運ぶ
2. ヒナの外見
- 生まれたて:
- 体は小さく、薄い産毛で覆われる
- くちばしは赤く、目はまだ閉じている
- 成長過程:
- 数日で目が開く
- 羽毛が生え揃い、朱色が濃くなる
3. 巣内での生活
- 巣の場所:木の洞や枯れ木の穴
- 行動:
- 親鳥が餌を運んでくれる
- 巣の中で体温保持と成長を行う
- 安全性:
- 捕食者から守るため巣の中で過ごす
- 親が頻繁に見守る
4. 餌と成長
- 最初の餌:親鳥が口移しで与える小型昆虫やカエル
- 自分で捕食を始める:羽毛が生え揃う頃に枝から飛び出し、短距離の捕食練習
- 飛翔能力:孵化後約3〜4週間で羽ばたき練習
- 独立:生後4〜5週間ほどで巣立ち、親から独立して狩りを開始
アカショウビンは絶滅危惧種なのか?
アカショウビンは低懸念に分類されており、絶滅危惧種ではありませんが自治体によってはレッドデータブックに記載されています。個体数は減少傾向にあります。これは生息地の破壊が大きな理由です。
1. 国際的な保護状況(IUCN)
- 学名:Halcyon coromanda
- IUCNレッドリスト:LC(Least Concern=軽度懸念)
- 世界的には分布域が広く、個体数も比較的安定している
- 絶滅の危険は低いと評価されています
2. 日本国内での状況
- 日本では夏鳥として北海道〜九州に渡来して繁殖
- 生息数は減少傾向にあるとされ、森林破壊や開発で生息環境が減少
- 自然環境の変化に敏感で、観察される個体数は限られています
- 日本の分類ではレッドリストの準絶滅危惧種(NT)に近い扱いとなることもある
3. 脅威となる要因
- 森林伐採や河川の開発 → 巣作りに適した樹洞が減少
- 人間活動 → 森林内の騒音や観察によるストレス
- 気候変動 → 渡りのタイミングや餌となる昆虫の発生に影響
アカショウビンは飼育できるのか?
アカショウビンは 環境省の鳥獣保護管理法などで管理されており、餌やりなども禁止されてます。
1. 野生鳥であること
- アカショウビンは森林性の渡り鳥で、樹洞や深い森の環境に適応
- 足が枝をつかむ構造(前3本・後ろ1本)で、地上やケージでの生活は困難
- 渡り鳥であり、季節ごとの移動が必須
2. 飼育の難しさ
| 要素 | 難しい理由 |
|---|---|
| 環境 | 森林の木陰や湿度、樹洞がないと落ち着かない |
| 餌 | 昆虫、小型カエルやトカゲを捕食するため毎日用意が必要 |
| ストレス | 人間や狭い環境で簡単にストレスを感じ、体調を崩す |
| 繁殖 | 樹洞や広い自然環境がないと繁殖困難 |
3. 法的規制
- 日本ではアカショウビンは野生鳥獣保護法で保護対象
- 許可なしで捕獲や飼育することは違法
- 特別な研究目的や保護施設でのみ、都道府県の許可を得て飼育可能
4. 代替手段
- 安全に楽しむには野生観察が基本
- 森の奥や河川沿いで鳴き声や姿を観察
- 野鳥観察施設や自然公園での観察も可能
- 飼育は避け、観察や写真で楽しむのが推奨



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