マルミミゾウの特徴、生態、生息地について解説していきます。元々はアフリカゾウの亜種とされていたマルミミゾウですが別種としての取り扱いが増えていきました。ではマルミミゾウにはどのような特徴などがあるのか、開設をしていきますので参考にしてみて下さい。
マルミミゾウの基本情報について
マルミミゾウは長鼻目ゾウ科アフリカゾウ属に分類されるゾウ。学名はLoxodonta cyclotis。世界でも最大級の陸上動物であり、体重は最大で2-7tになります。体長も4-6mとなり、とても巨大な動物です。日本でも世界でも有名な動物。
| Japanese(和名) | マルミミゾウ |
| English(英名) | African forest elephant |
| scientific name(学名) | Loxodonta cyclotis |
| classification(分類) | Mammalia、Proboscidea、Elephantidae、Loxodonta 哺乳綱、長鼻目、ゾウ科、アフリカゾウ属 |
| IUCN Status(保全状況) | ENDANGERED |
| Height(身長) | 4 – 6m |
| Weight(体重) | 2-7t |
分類はどうなるの?
現存する2種類のゾウ、アフリカゾウとアジアゾウは約760万年前に遺伝的に分岐したことが明らかになりました。その後アフリカゾウとマルミミゾウは少なくとも190万年前に遺伝的に分岐したことが明らかになっています。そのため、現在3種類のゾウが存在し、アフリカゾウはその中の1つとなります。
| Name (名前) | academic name (学名) | body length (体長) | Weight (体重) | Habit (生息地) |
| African elephant アフリカゾウ | Loxodonta africana | 6〜7.5m | ~7.5t | South of the Sahara Desert サハラ砂漠以南 |
| Asian elephant アジアゾウ | Elephas maximus | 5〜6.4m | ~5.4t | Southeast Asia、South Asia 東南アジア、南アジア |
| African forest elephant マルミミゾウ | Loxodonta cyclotis | 4〜6m | 2.7〜6t | West Africa 西アフリカ |
分類学(Taxonomy)
| ランク | 分類 |
|---|---|
| 界 (Kingdom) | 動物界 (Animalia) |
| 門 (Phylum) | 脊索動物門 (Chordata) |
| 綱 (Class) | 哺乳綱 (Mammalia) |
| 目 (Order) | 長鼻目 (Proboscidea) |
| 科 (Family) | ゾウ科 (Elephantidae) |
| 属 (Genus) | アフリカゾウ属 (Loxodonta) |
| 種 (Species) | アフリカマルミミゾウ (Loxodonta africana) |
マルミミゾウの生息地について
マルミミゾウの分布はアンゴラ、ガーナ、ガボン、カメルーン、ギニア、ギニアビサウ、コートジボワール、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、シエラレオネ、赤道ギニア、セネガル、中央アフリカ共和国、トーゴ、ナイジェリア、ニジェール、南スーダン、リベリアです。
1. 地理的分布
- 主にアフリカ大陸に分布。
- サバンナ地帯(草原や乾燥林)が中心。
- 一部は熱帯雨林や湿地帯にも生息。
- 国別では、ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、南アフリカ、ケニア、タンザニアなどに多く見られる。
2. 生息環境
- サバンナゾーン:開けた草原と樹木が混ざった地域。水場の近くを好む。
- 森林地帯:西アフリカの熱帯雨林などでは、密林の中で生活する個体群もある。
- 水源の重要性:ゾウは1日に数百リットルの水を必要とするため、川や湖、沼の近くで見られることが多い。
3. 移動パターン
- 季節移動(移動性):乾季には水場に近い地域、雨季には草が豊富な地域へ移動。
- 広範囲なテリトリー:1頭あたり数十~数百平方キロメートルの範囲を移動することもある。
特徴は?どんな感じの生物なのか?
マルミミゾウの最大の特徴は耳介。耳介は小型で、丸みをおびるためアフリカゾウとの差はここになります。マルミミゾウは門歯も下方へ伸びますのでここもアフリカゾウとは違います。アフリカゾウは普段サバンナや森林に生息しており、 3,700平方キロメートルの圏内で行動をします。少なくとも3 – 10頭の群れを形成して外敵から身を守ります。
1. 外見的特徴
- 体の大きさ:ゾウの中でも最大級。体長は6〜7.5m、肩高は約3〜4m、体重は4〜6トン。
- 耳:名前の通り丸く大きい耳。熱を逃がす役割があり、体温調節に重要。
- 鼻(象鼻):長くて器用。水を吸ったり、食べ物をつかんだり、コミュニケーションに使用。
- 牙(キバ):オスもメスも持つことがある。主に木の皮をはぐ、戦うなどに使用。
- 皮膚:厚くシワが多い。体内の水分保持や外傷の保護に役立つ。
2. 生態・行動
- 食性:草食。主に草、樹皮、果実、枝などを食べる。
- 1日に150〜300kgほどの植物を摂取。
- 群れ:メス中心の群れで生活。オスは単独行動や小さな群れで暮らすことが多い。
- 社会性:非常に社会的。母系社会で、経験豊富なメス(マトリアーク)が群れを率いる。
- 寿命:野生で60〜70年程度。
- 繁殖:妊娠期間は約22か月と哺乳類の中で最長級。
3. 行動の特徴
- 知能が高い:記憶力や道具使用能力があり、仲間の死を悼む行動も観察される。
- コミュニケーション:低周波の鳴き声(人間には聞こえない場合もある)で長距離通信。
- 移動:食料や水を求めて長距離を移動する。季節によって移動ルートが変わる。

性格はどんな感じになるのか?
マルミミゾウは認知能力が極めて高く、優しくしてくれる人間に対しては挨拶をしてくれますし、邪険に扱う人間であれば攻撃もしてきます。そのため、極めて認知能力が高く、人間と大差がないレベルと言えます。
1. 社会性・協調性
- 群れで生活する社会性の高さ:特にメスとその子どもたちの群れで、協力して子育てを行う。
- リーダー(マトリアーク)の存在:経験豊富なメスが群れを率いる。群れの意思決定や危険察知は彼女に依存。
- 仲間思い:仲間が傷ついたり死んだりすると、悲しむような行動(骨を触る、周囲を囲む)をすることもある。
2. 知能・学習能力
- 非常に賢い:道具の使用や記憶力が高く、乾季の水源や食物の場所を長期間覚えている。
- 慎重で観察力がある:危険を察知すると、群れ全体に警告の低周波音を発する。
3. 個体の性格傾向
- 温厚で穏やか:基本的には大人しい性格だが、必要な時は強力に防御。
- 好奇心旺盛:新しい物や音に興味を示すことが多い。
- 強い母性・保護本能:子どもや群れの仲間に対して非常に保護的。
4. 攻撃性
- 通常は穏やかだが、危険を感じると防御的
- 特に子どもを守るときや、オス同士の争い、捕食者への防衛では強力に攻撃する。
- 単独オスは縄張りや繁殖のために競合オスに対して積極的になることもある。
マルミミゾウの生態は?
マルミミゾウは1日あたり、100 – 300リットルの水を飲み、植物を大量に食べます。繁殖形態は胎生。オス同士で発情したメスを巡って争い、妊娠期間が22カ月あります。1回に1頭の幼獣を産み、授乳期間は2年ほど。寿命は60年~80年と言われています。
1. 食性
- 草食性:主に草、樹皮、葉、枝、果実を食べる。
- 摂取量:1日に約150〜300kgの植物を消費。
- 食べ方:象鼻で枝をつかみ、牙で木の皮をはぐこともある。
2. 水の利用
- 水を大量に必要とする:1日に100〜200リットル以上の水を飲む。
- 水浴びや泥浴び:体温調節、皮膚の保護、寄生虫除去のために行う。
3. 移動・生活圏
- 広いテリトリーで移動:食料や水を求めて、季節ごとに長距離移動。
- 季節移動:乾季は水源近く、雨季は草が豊富な場所へ移動。
- 生活環境:サバンナ、森林、湿地など多様な環境で生息。
4. 社会性
- 母系社会:メスと子どもの群れで生活。
- 群れの構成:10〜30頭程度の群れが一般的。
- オスの行動:成熟したオスは単独行動や少数での小群れ生活。
- コミュニケーション:
- 低周波の鳴き声で長距離通信。
- 鼻、耳、体の触れ合いで意思疎通。
5. 繁殖
- 妊娠期間:約22か月(哺乳類で最長級)。
- 出産:通常1頭、まれに双子。
- 子育て:母親だけでなく群れ全体で子どもを守る。
6. 知能と行動
- 高度な知能:道具使用、記憶力、問題解決能力が高い。
- 社会的学習:経験豊富なメスが若い個体に生き残る知識を教える。
- 感情表現:仲間の死を悼む行動が観察されることもある。
7. 天敵・危険
- 大人にはほとんど天敵なし。
- 幼獣の捕食者:ライオンやワニなどがリスク。
- 人間の影響:密猟、土地開発による生息地破壊が最大の脅威。
マルミミゾウの天敵は?
マルミミゾウの天敵はいません。アフリカゾウはとても強い動物で、350キロの重さを持ち上げることができます。そのため、彼らに勝てるのは武器を持った人間だけです。

マルミミゾウの幼獣について
1. 出産と大きさ
- 妊娠期間:約22か月(哺乳類で最長級)。
- 出生時の体重:約90〜120kg。
- 体長:約1m前後。
- 見た目:丸っこく、耳や鼻が小さめで、歩き始めは少し不安定。
2. 子育て・保護
- 母親中心の保護:母親が24時間近く子どもを守る。
- 群れ全体で育てる:母系群れの他のメスも幼獣の面倒をみる(オールオピアリング)。
- 危険からの防御:幼獣はライオンやハイエナなどの捕食者に狙われやすく、群れが盾となる。
3. 成長過程
- 授乳期間:約2〜3年。初めは母乳中心、徐々に植物も摂取。
- 歩行・遊び:生後すぐに立ち上がり、歩く練習を始める。
- 遊びの重要性:群れの他の幼獣と遊ぶことで社会性や戦略的行動を学ぶ。
- 学習:母親や群れの大人から食べ物の選び方や危険察知を学ぶ。
4. 知能と社会性
- 幼獣は非常に好奇心旺盛で観察力が高い。
- 群れの中でコミュニケーションを学び、低周波の鳴き声や鼻の動きで意思疎通を習得。
- 年齢に応じて群れ内の役割を少しずつ理解していく。
5. 成熟
- オス:12〜15歳頃に群れから離れ、単独生活や小群れ生活へ。
- メス:母系群れに残り、将来の子育てを学ぶ。
マルミミゾウは絶滅危惧種なのか?
マルミミゾウは推定個体数は 70000頭です。残念ながらIUCNによって絶滅危惧種に指定されており、ワシントン条約附属書Iにも掲載されており、国際間の取引に強い制限がかかっております。なぜアフリカゾウが絶滅危惧種に指定されてしまったのか?その理由を説明します。私たち人間による問題であることがわかります。そのため現在は森の保護などプロジェクトやさまざまな活動が動いています。
象牙目当ての乱獲が進む
野生のゾウが人間の手によって大量に乱獲されてしまった理由としては象牙です。象牙は材質が美しく、芸術や工芸品や製造業でかなり需要があり高く売れます。地域によっては法律もなく社会のなかで生き物の違法な密猟や乱獲が進んでしまい、ゾウは次々に人間の手によって殺されているのです。
土地開発の急速な進行
東南アジア、南アジア、そしてアフリカといえば急速に経済発展が進んでおり、土地開発も進んでいます。上記でも説明しましたが、ゾウと言うのは大量の草を食べますから場所とわず木がなくなると言うことは繁殖して生きていけなくなることを意味します。
ゾウの日が設定される
「世界ゾウの日」とは、2012年8月12日に、カナダの映画監督Patricia Sims氏とタイの保護団体により設立された、世界中でゾウの保護を呼びかける日です。目的は絶滅の危機を乗り越えるため、守るための仲間からの寄付や情報の交換などを行います。今、減少するゾウを守るための協力をしてもらっているのです。
ゾウは飼育できるのか?
ゾウは飼育できるのか?とても難しいです。まずすべてのゾウが絶滅危惧種となっており厳重に保護されております。また大量の食べ物が必要になることから一般人が飼育することは極めて困難だと思っておいた方が賢明です。動物園で鑑賞するか、現地の国立公園などで鑑賞するのが無難。
1. 法的規制
- 日本を含む多くの国では、ゾウは特定動物・絶滅危惧種に分類されるため、個人が飼うには厳しい許可や施設基準が必要。
- 密輸や違法飼育は重い罰則があります。
- 飼育する場合は、動物園やサファリパークのような特別な施設でしか認可されない。
2. 物理的な制約
- 巨大な体:体重4〜6トン、体長6〜7mの個体を安全に飼育するには非常に広いスペースが必要。
- 運動量:毎日数キロ~数十キロを移動する習性があり、狭い場所では健康を害する。
- 食事:1日に150〜300kgの植物を食べ、水も大量に必要。
3. 行動・知能の問題
- 高度な社会性:群れで生活する動物のため、孤立させるとストレスが強く、攻撃性や健康問題が出やすい。
- 好奇心・知能の高さ:退屈や刺激不足で施設や人に危害を加えることがある。
- 長寿:野生で60〜70年生きるため、一生にわたる世話が必要。
4. 結論
- 個人飼育はほぼ不可能。
- 現実的には動物園、サファリパーク、保護施設でしか飼育できない。
- 飼育には広大な施設・専門スタッフ・十分な食料・医療・社会的環境が必須。




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