アジアゾウの特徴、生態、生息地を解説 なぜ絶滅危惧種なのか? 動物園で見れるゾウ

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アジアゾウの特徴、生態、生息地を解説していきます。現在サバンナや森林減少により個体が絶滅の危機の環境にあります。アジアゾウは東南アジアから南アジアの一帯に住んでおり、多数の亜種が存在します。アジア南部では古くから野生のゾウを飼いならして、荷物の運搬や祭礼の行事などに使ってきましたから人間の生活にもとても馴染みのある動物です。

アジアゾウの基本情報について

アジアゾウは長鼻目ゾウ科アジアゾウ属に分類されるゾウ。学名はElephas maximus。世界でも最大級の陸上動物であり、体重は最大で7トンになります。体長も5-6mとなり、とても巨大な動物です。亜種でセイロンゾウ、スマトラゾウ、インドゾウ、ボルネオゾウがおります。日本でも世界でも有名な動物。

Japanese(和名)アジアゾウ
English(英名)Asian Elephant
scientific name(学名)Elephas maximus
classification(分類)Mammalia、Proboscidea、Elephantidae、Elephas
哺乳綱、長鼻目、ゾウ科、アジアゾウ属
IUCN Status(保全状況)ENDANGERED
Height(身長)5 – 6.5m
Weight(体重)6-7t

分類はどうなるの?

現存する2種類のゾウ、アフリカゾウとアジアゾウは約760万年前に遺伝的に分岐したことが明らかになりました。その後アフリカゾウとマルミミゾウは少なくとも190万年前に遺伝的に分岐したことが明らかになっています。そのため、現在3種類のゾウが存在し、アフリカゾウはその中の1つとなります。

Name
(名前)
academic name
(学名)
body length
(体長)
Weight
(体重)
Habit
(生息地)
African elephant
アフリカゾウ
Loxodonta africana6〜7.5m~7.5tSouth of the Sahara Desert
サハラ砂漠以南
Asian elephant
アジアゾウ
Elephas maximus5〜6.4m~5.4tSoutheast Asia、South Asia
東南アジア、南アジア
African forest elephant
マルミミゾウ
Loxodonta cyclotis4〜6m2.7〜6tWest Africa
西アフリカ

アジアゾウの生息地について

アジアゾウの分布は東南アジア、南アジアとなります。アジアゾウは熱帯地域の森林地帯がとても好きです。

特徴は?どんな感じの生物なのか?

アジアゾウは鼻の皺はあまり隆起しないと言う特徴があります。またアフリカゾウと比べると、耳介が大きくないと言うことでここで差異があります。鼻の先端には、突起が上部に1つあり前肢の蹄は5本、後肢の蹄は4本あります。基本的にアジアゾウは食物を求めて放浪しますが30km程度までしか移動しません。

性格はどんな感じになるのか?

アジアゾウは認知能力が極めて高く、優しくしてくれる人間に対しては挨拶をしてくれますし、邪険に扱う人間であれば攻撃もしてきます。そのため、極めて認知能力が高く、人間と大差がないレベルと言えます。

アジアゾウの生態は?

アジアゾウは1日あたり、100 – 300リットルの水を飲み、果実や植物等を大量に食べます。繁殖形態は胎生。オス同士で発情したメスを巡って争い、妊娠期間が660日くらいあります。1回に1頭の幼獣を産み、授乳期間は2年ほど。寿命は60年~80年と言われています。

アジアゾウの天敵は?

アジアゾウの天敵はいません。アフリカゾウはとても強い動物で、350キロの重さを持ち上げることができます。そのため、彼らに勝てるのは武器を持った人間だけです。

アジアゾウには亜種がいる

アジアゾウには亜種がいることを知っていますか?以下のような亜種が存在します。それぞれ紹介していきます。スリランカゾウ、インドゾウ、スマトラゾウ、ボルネオゾウの状況を簡単に解説します。ニュースでもよく報道されていますが森林の減少により群れは危機的状態。牙が狙われ、自然のなかでの暮らしが脅かされています。

Name:名前scientific name:学名Habit:生息地
Sri Lankan elephant
スリランカゾウ
Elephas maximus maximusSri Lanka
スリランカ
Indian elephant
インドゾウ
Elephas maximus indicusIndia
インド
Sumatran elephant
スマトラゾウ
Elephas maximus sumatranusIndonesia
インドネシア
Borneo elephant
ボルネオゾウ
Elephas maximus borneensisIndonesia、Malaysia
インドネシアとマレーシア

スリランカゾウ

スリランカゾウはスリランカ原産のゾウ。肩高が 2~3.5mに達する最大の亜種で、体重は2,000~5,500 kg。皮膚の色は暗く、耳、顔、胴体、腹部に大きくはっきりとした色素脱失の斑点があります。スリランカ内戦で多数のゾウが死にました。さらに1999年から2006年まで、農作物や家屋を守るために毎年100頭近くの野生ゾウが殺され、かなり絶滅が近づいている状態です。

インドゾウ

インドゾウはほとんどがインドで生息しており、肩高は約3.2 m 、体重は最大5,400kg。凹んだ額、横に折れ曲がった 2つの大きな耳や灰色の滑らかな皮膚が特徴のゾウです。野生の個体数が少なくとも50%減少したため、緊急の保護を要しています。

スマトラゾウ

スマトラゾウはインドネシアのスマトラ島が原産です。胴の先端には指のような突起が1本あるのが最大の特徴です。スマトラゾウの肩高は2 ~ 3.2 m 、体重は 2,000 ~ 4,000 kgで皮膚の色はスリランカゾウやインドゾウよりも明るいです。急激な土地開発でスマトラゾウの生息地の69%が失われており、ゾウが住宅街へ入り、感電死、毒殺されている事件が急増しています。

ボルネオゾウ

ボルネオゾウは、ボルネオゾウまたはボルネオピグミーゾウとも呼ばれ、ボルネオ島北東部のインドネシアとマレーシアに生息するアジアゾウの亜種です。性格は驚くほどおとなしく消極的です。アジアゾウの中でも体格がやや小さいです。急速な土地開発に伴い、食料不足が深刻化しており、生息数が減っている状態になります。

アジアゾウは絶滅危惧種なのか?

アジアゾウは推定個体数は5万頭以下です。残念ながらIUCNによって絶滅危惧種に指定されており、ワシントン条約附属書Iにも掲載されており、国際間の取引に強い制限がかかっております。なぜアフリカゾウが絶滅危惧種に指定されてしまったのか?その理由を説明します。私たち人間による問題であることがわかります。そのため現在は森の保護などプロジェクトやさまざまな活動が動いています。

象牙目当ての乱獲が進む

野生のゾウが人間の手によって大量に乱獲されてしまった理由としては象牙です。象牙は材質が美しく、芸術や工芸品や製造業でかなり需要があり高く売れます。地域によっては法律もなく社会のなかで生き物の違法な密猟や乱獲が進んでしまい、ゾウは次々に人間の手によって殺されているのです。

土地開発の急速な進行

東南アジア、南アジア、そしてアフリカといえば急速に経済発展が進んでおり、土地開発も進んでいます。上記でも説明しましたが、ゾウと言うのは大量の草を食べますから場所とわず木がなくなると言うことは繁殖して生きていけなくなることを意味します。

ゾウの日が設定される

「世界ゾウの日」とは、2012年8月12日に、カナダの映画監督Patricia Sims氏とタイの保護団体により設立された、世界中でゾウの保護を呼びかける日です。目的は絶滅の危機を乗り越えるため、守るための仲間からの寄付や情報の交換などを行います。今、減少するゾウを守るための協力をしてもらっているのです。

ゾウは飼育できるのか?

ゾウは飼育できるのか?とても難しいです。まずすべてのゾウが絶滅危惧種となっており厳重に保護されております。また大量の食べ物が必要になることから一般人が飼育することは極めて困難だと思っておいた方が賢明です。動物園で鑑賞するか、現地の国立公園などで鑑賞するのが無難。

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