ツキノワグマはどんな動物?特徴、生態、生息地について最新版を解説 多数の国で分布

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ツキノワグマはどんな動物?特徴、生態、生息地について解説します。ツキノワグマは主にアジア地域で多く見られており分布もとても広いのですが、その割には生息数は安定しておらず、絶滅危惧種に指定されていると言う実態がありますのでその中身について解説をしていきます。

ツキノワグマとは? 基本ステータスについて

ツキノワグマは哺乳綱食肉目クマ科クマ属に分類される食肉類。学名はUrsus thibetanusで漢字は月輪熊。別名アジアクロクマ、ヒマラヤグマとも言われます。基本的な情報の一覧は以下の通り。体長は120 – 180cmで体重は50 – 120kg。尾長6 – 10.5cm。

Japanese(和名)ツキノワグマ
English(英名)Asian black bear/Asiatic black bear/Himalayan black bear/Moon bear
scientific name(学名)Ursus thibetanus
classification(分類)Mammalia、Carnivora、 Ursidae、Ursus
哺乳綱、食肉目、クマ科、クマ属
IUCN Status(保全状況)VULNERABLE
Length(体長)120 – 180cm
Weight(体重)50 – 120kg

分類について

ツキノワグマは以下の亜種に分類されております。

  • Ursus thibetanus thibetanus – チベットツキノワグマ
  • Ursus thibetanus formosanus – タイワンツキノワグマ
  • Ursus thibetanus gedrosianus – バロチスタンツキノワグマ
  • Ursus thibetanus japonicus – ニホンツキノワグマ
  • Ursus thibetanus laniger – ヒマラヤツキノワグマ
  • Ursus thibetanus mupinensis – シセンツキノワグマ
  • Ursus thibetanus ussuricus – ウスリーツキノワグマ

生息地について

生息地は主にアジアになります。インド、日本、中国、台湾、さらにはパキスタンやイランにも分布しております。人間は活動している先の自然の高い山や森林でツキノワグマやヒグマの個体が出没することもよくあります。捕獲などは禁止されている国が増加しており多いので注意です。

① 世界的な分布

ツキノワグマ(アジアクロクマ)は
アジア広域に分布しています。

  • 日本
  • 中国
  • 朝鮮半島
  • ロシア極東
  • ヒマラヤ周辺(インド・ネパールなど)
  • 東南アジア北部

② 日本での生息地

● 本州・四国

  • 山地の森林
  • ブナ林・ミズナラ林
  • 里山にも出没することがある

● 北海道

  • ❌ 生息しない
    (北海道にいるのはヒグマ)

👉 日本のツキノワグマは本州と四国のみ


③ 好む環境

  • 落葉広葉樹林
  • 針葉樹林と広葉樹林の混在地
  • 沢・川が近い場所
  • 食べ物が豊富な森

👉 特にドングリや木の実が多い森を好む。


④ 標高

  • 低山〜高山まで幅広い
  • 季節によって移動
    • 春:低地
    • 夏:中腹
    • 秋:実りの多い場所

👉 食べ物を追って移動する。


⑤ 人里との関係

  • 近年は
    • 森林減少
    • 過疎化
    • 食糧不足
      により里に出没しやすい
  • 田畑・集落近くまで来ることも

👉 「山奥だけの動物」ではない。

特徴は?どんな感じの生物なのか?

ツキノワグマは全身の毛衣は黒い。胸部に三日月形やアルファベットのV字状の白い斑紋が入りこれが最大の特徴です。眼や耳介は小型で主に森林をメインに生息をしており冬季になると標高の低い場所へ移動することが多いです。さらに冬になると冬眠をする傾向がとても強いです。 排他的なテリトリーを持たず、自由に動き回ります。

① 見た目の特徴

  • 体色は黒〜濃い茶色
  • 胸に白い三日月形の模様(月の輪)
  • 体長:約120〜190cm
  • 体重:50〜150kg(オスは大きい)

👉 模様が名前の由来。


② 体の能力

  • 木登りが非常に得意
  • 走るのも速い(時速40km前後)
  • 泳ぎもできる
  • 前足の力が強く、物を器用に扱う

👉 見た目以上に運動神経が良い。


③ 知能が高い

  • 記憶力が良い
  • 食べ物の場所を覚える
  • 危険を学習する能力がある

👉 状況判断ができる動物。


④ 食性(雑食性)

  • 植物性が中心
    • 木の実、ドングリ
    • 果実、山菜
  • 動物性も食べる
    • 昆虫、魚
    • 小動物、死肉

👉 季節によって食事が変わる。


⑤ 性格の基本傾向

  • 基本は臆病で慎重
  • 争いを避ける
  • 追い詰められると非常に危険

👉 人を積極的に襲う動物ではない。

性格はどんな感じ?

ツキノワグマは人を怖がる性格を持っておりとても臆病で警戒心が強いです。そのため、あまり人間を襲うことが多くはありません。

① 基本は臆病・用心深い

  • 人の気配を嫌う
  • 音や匂いに敏感
  • 本来は人を避けて行動する

👉 野生では「逃げる」が基本戦略。


② 単独行動・マイペース

  • 群れは作らない
  • 自分の行動圏を持つ
  • 他個体とも距離を保つ

👉 静かに一人で生きるタイプ。


③ 好奇心はある

  • 新しい匂い・食べ物に興味を示す
  • ただし慎重に確認
  • 人里の作物に惹かれることも

👉 臆病+好奇心の組み合わせ。


④ 学習能力が高い

  • 「ここに餌がある」と覚える
  • 危険な体験も記憶する
  • 人に慣れると警戒心が下がる

👉 これが里出没の原因になる。


⑤ 攻撃的になる条件

  • 出会い頭で驚いた時
  • 子グマを守る母グマ
  • 逃げ道がない時
  • 餌を奪われそうな時

👉 防衛反応としての攻撃。


⑥ 個体差・状況差が大きい

  • おとなしい個体
  • 神経質な個体
  • 人慣れして危険な個体

👉 性格は環境で変わる。

生態はどんな感じ?

ツキノワグマの食べるものはドングリ、ブナなど、植物の果実・芽、小型の脊椎動物、昆虫、無脊椎動物、動物の死骸を食べて生活をしています。繁殖様式は胎生。個体群は6 – 10月に繁殖をします。2頭の幼獣を産み、授乳期間は3か月ほどあります。寿命は20年程度。

① 活動時間

  • 主に昼行性〜薄明薄暮性
  • 朝・夕方に活発
  • 人の多い地域では夜行性寄りになることもある

👉 人間を避けて生活リズムを変える柔軟さがある。


② 行動様式

  • 基本は単独行動
  • オスとメスは繁殖期以外ほぼ別行動
  • 行動圏は広く、数十km²に及ぶことも

③ 食性(季節で大きく変化)

雑食性だが植物中心

  • :新芽・山菜・草
  • :果実・昆虫・アリ・ハチの巣
  • :ドングリ・クリ(最重要)
  • 不足時:魚・小動物・死肉・農作物

👉 秋にしっかり食べられるかが生死を分ける。


④ 木登りと採食

  • 木登りが非常に得意
  • 木の上で実を食べる
  • 枝を折って地面に落とすこともある(クマ棚)

👉 森に痕跡を残す。


⑤ 冬眠

  • 11月頃〜3月頃
  • 巣穴・樹洞・岩穴で冬眠
  • 完全に眠り続けるわけではない
  • 出産は冬眠中(メス)

👉 冬眠中に子育てが始まる。


⑥ 繁殖

  • 交尾期:初夏
  • 着床遅延あり
    (条件が悪いと妊娠が成立しない)
  • 出産:1〜2頭(まれに3)
  • 子グマは春まで巣穴で育つ

⑦ 寿命

  • 野生:約20〜25年
  • 飼育下:30年近く生きることもある

天敵はいるのか?

ツキノワグマは最大の哺乳類の一つなのでこれと言った天敵はいません。

ツキノワグマの幼獣について

ツキノワグマの幼獣(子グマ)は、
「生まれた時はとても小さく無力だが、母親と強い絆で守られながら成長する」
というのが最大の特徴です。

① 生まれた直後

  • 出産時期:冬眠中(1〜2月ごろ)
  • 体長:約20cm前後
  • 体重:300g前後(ペットボトル1本より軽い)
  • 目は閉じている
  • 体毛は薄く、歯も未発達

👉 大型動物とは思えないほど小さい。


② 巣穴の中での成長

  • 完全に母乳に依存
  • 母親の体温と乳で守られる
  • 冬眠中も母親は覚醒し授乳

👉 冬眠=完全に寝ているわけではない。


③ 春(生後2〜3か月)

  • 目が開く
  • 毛が生えそろう
  • 歩き始める
  • 巣穴の外に出始める

👉 「クマらしい姿」に近づく。


④ 母子生活

  • 子グマは1〜2年ほど母親と行動
  • 採食・危険回避を学ぶ
  • 母親は非常に攻撃的に子を守る

👉 人身事故の多くが母子グマ絡み。


⑤ 兄弟関係

  • 同腹:1〜2頭(まれに3)
  • 兄弟でじゃれ合いながら成長
  • 競争はあるが、殺し合いは少ない

⑥ 独立

  • 生後1年半〜2年で母親から離れる
  • オスはより遠くへ分散
  • メスは母の行動圏近くに残ることも

ツキノワグマは絶滅危惧種なのか?

ツキノワグマは農作物や養蜂、人間そのものに直接的な被害を与えることもあることや胆嚢が薬用にされることから人間によって狩猟、もしくは報復を受けやすい動物です。亜種のバロチスタンツキノワグマがワシントン条約附属書Iに掲載されています。ニホンツキノワグマは減少傾向にあり、地域によっては絶滅もあり得ます。日本では調査されている資料などを確認してみるとクマと遭遇したなど相談の件数が増えているようです。

世界的な評価(IUCN)

  • 評価:LC(低懸念)
  • 対象:アジアクロクマ全体
  • 中国・ロシア・東南アジアなど広範囲に分布

👉 世界レベルでは、すぐに絶滅する状況ではない


● 日本全体として

  • 環境省レッドリストでは
    地域個体群によって評価が異なる

● 絶滅の危険が高い地域

  • 四国のツキノワグマ
    • 🟥 絶滅危惧ⅠB類
    • 推定個体数が極端に少ない
    • 国内で最も危機的

● 減少・不安定な地域

  • 紀伊半島(近畿地方南部)
    • 🟧 絶滅危惧Ⅱ類または準絶滅危惧
  • 生息地の分断が深刻

● 比較的安定している地域

  • 東北・中部山岳地帯
    • 個体数は比較的多い
    • ただし年変動が大きい

ツキノワグマはペットとして飼育できる?

ツキノワグマはペットには向いていません。周囲の人間や家畜に危害を与えますので素人には向いていません。動物園ではイベントなど実施されており案内で鑑賞できることも多いです。動物園の最新情報をホームページなどメニューからサイトマップで見てみましょう。

① 法律的に不可(日本)

ツキノワグマは
野生動物・大型危険動物に分類されます。

日本では、

  • 動物愛護管理法
  • 鳥獣保護管理法
  • 各都道府県の条例

により、
👉 個人がペット目的で飼育することは禁止されています。

飼育できるのは

  • 動物園
  • 保護施設
  • 研究機関

など、特別な許可と設備を持つ施設のみです。


② 安全面の問題

  • 成獣は100kg前後
  • 走る・登る・泳ぐ能力が高い
  • 咬む力・腕力が非常に強い
  • 予測不能な行動をとる

👉 どんなに小さく育てても家庭では制御不可能


③ 性格・本能の問題

  • 基本は臆病だが、防衛反応が非常に強い
  • 驚いた瞬間に攻撃へ切り替わる
  • 人に慣れても「野生の本能」は消えない

👉 犬や猫のように家畜化された動物ではない。


④ 飼育環境の問題

  • 広大な運動スペースが必要
  • 頑丈な檻・二重扉が必須
  • 木登り・穴掘り対策が必要
  • 餌代・医療費が非常に高額

👉 一般家庭では物理的に不可能

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