カワゴンドウはどんな動物?特徴、生態、生息地について解説します。東南アジアのイルカで一部はオーストラリアの北部でも見られるので生息地域はとても広いのですが、実は絶滅危惧種に指定されていると言う実態があります。その詳細について迫ってみましょう。
カワゴンドウとは? 基本ステータスについて
カワゴンドウはクジラ目ハクジラ亜目マイルカ科カワゴンドウ属に属する海棲哺乳類。漢字では河巨頭、英名はIrrawaddy Dolphinで学名はOrcaella brevirostris。情報の一覧は以下の通り。全長は2m以上あり体重は100kgを超えます。
| Japanese(和名) | カワゴンドウ |
| English(英名) | Irrawaddy Dolphin |
| scientific name(学名) | Orcaella brevirostris |
| classification(分類) | Mammalia、Odontoceti、 Delphinidae、Orcaella 哺乳綱、ハクジラ亜目、マイルカ科、カワゴンドウ属 |
| IUCN Status(保全状況) | ENDANGERED |
| Length(体長) | 2m |
| Weight(体重) | 130kg |
分類について
カワゴンドウは1866年、リチャード・オーウェンにより新種として報告されたことで認知されました。遺伝子学的にはイルカと言うよりはシャチに近いことがわかっています。オーストラリアにはオーストラリアカワゴンドウがおり、別の種として認知されるようになってきております。
カワゴンドウの分類学
- 界(Kingdom): 動物界 (Animalia)
- 門(Phylum): 脊索動物門 (Chordata)
- 綱(Class): 哺乳綱 (Mammalia)
- 目(Order): 鯨偶蹄目 / 鯨目 (Cetacea)
- 亜目(Suborder): 歯鯨亜目 (Odontoceti)
- 科(Family): ハクジラ科 (Delphinidae)
- 属(Genus): ゴンドウクジラ属 (Orcaella)
- 種(Species):
- カワゴンドウ(淡水系個体群): Orcaella brevirostris
- 近縁種: 海洋性のゴンドウクジラ (Orcaella brevirostris) とは同種だが、生息域が川や沿岸域に限定される。
生息地について
分布は東南アジア(インド,バングラデシュ,ミャンマー,タイ,インドネシア,カンボジア,フィリピン)とオーストラリアの北部になります。カワゴンドウはメコン川やエーヤワディ川などでも出没します。
主な生息地
- アジア大陸の河川
- メコン川(ラオス、カンボジア、タイ、ベトナム)
- 世界でもっとも知られる淡水個体群。絶滅危惧種に指定されており、生息数は数百頭程度と推定されています。
- インダス川(パキスタン)
- 小規模な個体群が生息しているが、数は非常に少ない。
- メコン川(ラオス、カンボジア、タイ、ベトナム)
- インドの河川
- ガンジス川下流域
- 一時期報告があるが、近年では生息数が激減している可能性があります。
- ガンジス川下流域
- 東南アジアの沿岸・汽水域
- マレーシア、インドネシアの河口域やラグーン
- 淡水と海水が混じる汽水域に適応している個体群。
- マレーシア、インドネシアの河口域やラグーン
- 中国
- 長江(Yangtze River)
- 過去には「揚子江カワイルカ」と呼ばれた個体群がいたが、現存個体はほぼ絶滅状態とされる。
- 長江(Yangtze River)
生息環境の特徴
- 淡水域: 河川の中流~下流域で、水流は比較的緩やか。
- 汽水域: 川の河口やラグーンなど、海水と淡水が混ざる場所。
- 水深: 比較的浅く、底が見えるような河川で魚類を捕食。
- 人間活動の影響: ダム建設、船舶の交通、水質汚染によって生息地が狭まっている。
特徴は?どんな感じの生物なのか?
カワゴンドウはクチバシがなく、スナメリやシロイルカに似ています。全身は茶色になっており腹側は明るい色になっています。口唇部が柔軟で口から水を吹き出すことができると言う特徴を持っています。ベンガル湾からオーストラリア北部の暖かい沿岸海域や河を好みこのイルカは生息しています。カワゴンドウは回転するようにして上昇し、潜水する時のみ尾びれを水面上に上げて泳ぐと言う特徴があります。
1. 体の特徴
- 大きさ
- 成体は 体長約2〜2.5 m、体重は 90〜150 kg 前後。
- 体型
- 背びれは小さく丸い(ほとんど三角形ではなく、亀の甲羅のような形)
- 頭部は丸く、顔はイルカのようで短い口吻(くちばし)を持つ
- 体色は灰色〜淡い青灰色で、腹側は白っぽい
- ユニークなポイント
- ゴンドウクジラ属のため、普通のイルカより丸っこいフォルム
- 海洋性ゴンドウクジラと似ているが、淡水型は体がやや小さめで細身
2. 行動・生態
- 群れ
- 小規模(5〜20頭ほど)で行動することが多い
- 食性
- 魚類や小型の甲殻類を食べる
- 河川の浅い場所でも器用に魚を捕まえられる
- 遊泳
- 河川では速く泳ぐというより、ゆったりとした動きで生活
- 鳴き声
- 高い音のクリックや鳴き声でコミュニケーションをとる
- 繁殖
- 母親が子どもを長く世話する
- 一度に1頭の子を産む
3. 生態の特徴
- 淡水や汽水域に適応しているため、海洋性イルカには見られない川の流れに対応した体型
- 水深の浅い場所でも泳げるよう、背びれは小さめで流れの抵抗を受けにくい
- 人間の生活圏に近い河川にいるため、船や漁業の影響を強く受ける

性格はどんな感じなのか?
カワゴンドウは他のイルカと同じようにとても温厚で穏やかな性格をしています。
カワゴンドウの性格・行動傾向
- おとなしく穏やか
- 川の中でゆったりと泳ぐことが多く、急に攻撃的になることはほとんどない
- 人間に対しても比較的おとなしく、好奇心から近づいてくることもある(ただし野生個体の場合は接触は危険)
- 好奇心が強い
- 船や釣り人のそばに寄ってくることがあり、周囲の変化に敏感
- 水面に浮かぶ物体や泡に反応して遊ぶこともある
- 社会性がある
- 小規模の家族群や親子群で生活
- 仲間とのコミュニケーション(鳴き声やクリック音)が活発
- 群れの中で子どもを守ったり世話をする協調行動が見られる
- 臆病な面もある
- 強い流れや船の騒音、大規模な漁業活動には敏感に反応
- 危険を感じると群れで急に逃げる
- 遊び好き
- 水面でジャンプしたり、尾びれや体で水をはねるような行動が観察されている
- 河川環境では浅瀬で魚と追いかけっこをするような遊びも
生態はどんな感じなのか?
カワゴンドウは主にイカ、魚。水底の生き物を食べることで生活をしています。寿命は約30年です。
1. 生息環境
- 淡水河川:中流~下流域、浅い場所や湾曲した水路で生活
- 汽水域:河口やラグーンなど、淡水と海水が混ざる場所でも生活
- 水深:浅めの川でも魚を捕ることができる
- 人間活動の影響:船の通行、漁業、水質汚染、ダム建設により生息環境が制限される
2. 食性(何を食べるか)
- 主に魚類(コイ、ナマズ、淡水魚など)
- 小型甲殻類も捕食
- 捕食方法
- 群れで協力して魚を追い込み、捕まえる
- 河川では水深が浅いため、ジャンプや旋回を使って魚を狩る
3. 行動
- 群れで生活:通常は5〜20頭ほどの小規模な群れ
- 遊泳パターン:川ではゆったり泳ぐことが多く、急激な移動は少ない
- 鳴き声・コミュニケーション:
- 高周波のクリック音や笛のような鳴き声で仲間と連絡
- 河川の環境に合わせて音を変えている可能性
4. 繁殖
- 妊娠期間:10〜12か月程度
- 出産:1度に1頭の子ども
- 子育て:母親が中心になって長期間世話する
- 性成熟:雌は約5〜10年で、雄はそれより少し遅い
5. 適応と特徴
- 背びれが小さい → 流れのある浅い河川で泳ぎやすい
- 体が丸く小さめ → 河川での移動や捕食に適応
- 臆病で警戒心が強い → 船や人間の接近に敏感
天敵はいるのか?
カワゴンドウはサメが最大の脅威になります。

カワゴンドウの幼獣について
カワゴンドウの幼獣(子ども)について詳しく整理すると、以下のような特徴があります。川や河口での生活に適応しているため、成獣とは少し異なる行動や生態が見られます。
1. 体の特徴
- 体長:生まれた時は 約80〜100 cm 前後
- 体重:10〜15 kg 程度
- 体色:灰色が薄く、背中側がやや濃く、腹側は白っぽい
- 背びれ:小さく、丸い形は成獣と同じ
2. 行動・性格
- 母親に依存:生まれてから1年ほどは母親のそばで泳ぎ、食べ物や危険から守られる
- 遊び好き:水面でジャンプしたり、母親や兄弟と追いかけっこをする
- 学習行動:
- 魚を追う捕食の仕方を母親から学ぶ
- 河川の流れに慣れる練習もする
- 社交性:群れの仲間とのコミュニケーションを早くから覚える
3. 生態上のポイント
- 食事:生後数か月は母乳で育つ
- 離乳:生後6〜12か月ごろに徐々に魚を食べ始める
- 成長:1〜2年で体長が倍近くになり、成獣に近い動きができるようになる
- 危険:幼獣は水深の浅い川や船舶の通行による事故、漁具への絡まりなどのリスクが高い
カワゴンドウは絶滅危惧種なのか?
カワゴンドウは絶滅危惧種に指定されています。油脂を捕ることを目的とした捕獲が最大の脅威で人間により、個体数が減っています。生息数の減少と生息域の縮小が大きな問題となっており、生息地の分断も起こっていました。2000年代の初頭にはわずか50頭前後まで激減し、完全絶滅が危惧されていました。しかし保護活動が進んでおり個体数は増え始めています。
1. 国際自然保護連合(IUCN)での評価
- 淡水河川の個体群(例:メコン川、長江)
- IUCNレッドリストで 「絶滅危惧種(Endangered, EN)」 または 「極めて危険(Critically Endangered, CR)」 に分類される個体群もあります
- 例:メコン川カワゴンドウは 絶滅危惧(EN)
- 長江カワゴンドウはほぼ絶滅状態とされる
- 海洋性の個体群
- 海沿いに生息するゴンドウクジラは VU(絶滅危惧(Vulnerable)) に分類されることもある
2. 絶滅危惧の理由
- 生息地の破壊
- ダム建設や水路改修で河川環境が分断
- 流れの速さや水深が変わり、餌場が減少
- 漁業との衝突
- 網や釣り具に絡まる事故が多発
- 魚資源の減少で食べ物が少なくなる
- 水質汚染
- 河川の工業排水や農薬による水質悪化
- 船舶の交通
- 河川での船舶通行による衝突事故
- 繁殖率の低さ
- 群れは小規模で子どもを産む頭数が少ない
カワゴンドウはペットとして飼育可能?
カワゴンドウは絶滅危惧種で一般人が飼育することができません。水族館などで鑑賞してイベントなどで案内してもらうことをおすすめします。イルカのショーで見れるのです。
1. 法律・保護の面
- 絶滅危惧種に指定されており、捕獲や販売は国際的に厳しく規制されています(CITES附属書 I または II に該当)
- 日本でも野生のカワゴンドウを捕まえて飼育することは 違法
- 海外でも基本的に 特別な研究施設や水族館のみでの飼育が許可される場合 がある
2. 生態的に飼育が困難
- 淡水や汽水域の広大な環境が必要
- 河川や河口の流れを再現することはほぼ不可能
- 食性が特殊
- 生魚を大量に食べ、捕食行動を学習する必要がある
- 社会性が高い
- 小規模な群れで生活するため、単独での飼育はストレスになる
- 健康管理が難しい
- 野生個体は病気やストレスに敏感で、人工環境で長生きさせる事例はほとんどない
3. 水族館での飼育
- 海洋性ゴンドウクジラや淡水型カワゴンドウは、専門施設で限られた個体のみ飼育
- 日本の水族館では非常に珍しく、ほとんど観察はできない
- 飼育には大規模プールや専門スタッフ、獣医の常駐が必要



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