スマトラやボルネオオランウータンはどんな動物?多くの特徴、生態、生息地について情報をご覧紹介、解説します。オランウータンはインドネシアのカリマンタン(ボルネオ)島に分布するとても知能が高い動物です。誰もが知っているおなじみの動物ですが、実は彼らは絶滅危惧種に指定されています。
オランウータンとは? 基本ステータスについて
オランウータンはヒト科オランウータン属に分類される動物。英語は Orang-utan、学名はPongo pygmaeus。体長は雄で100~150cm 、雌で80~120cm、座高は70~90cm、体重は雄で60~110kg 、 雌で40~50kgです。情報の一覧は以下の通り。オスやメスでかなり体格の差があります。
| Japanese(和名) | オランウータン |
| English(英名) | Orang-utan |
| scientific name(学名) | Pongo pygmaeus |
| classification(分類) | Mammalia、Primates、Hominidae、Pongo 哺乳綱、霊長目、ヒト科、オランウータン属 |
| IUCN Status(保全状況) | ENDANGERED |
| Length(体長) | 100~150cm |
| Weight(体重) | 40~110kg |
分類について
オランウータンは以下の亜種が存在します。Wikiからの引用になります。
- Pongo abelii スマトラオランウータン Sumatran orang-utan
- Pongo pygmaeus ボルネオオランウータン Bornean orang-utan
- Pongo tapanuliensis タパヌリオランウータン Tapanuli orangutan
基本的な分類
オランウータンは霊長目の中でもヒトに近い大型類人猿に属します。
- 界:動物界 Animalia
- 門:脊索動物門 Chordata
- 綱:哺乳綱 Mammalia
- 目:霊長目 Primates
- 科:ヒト科 Hominidae
- 亜科:ヒト亜科 Homininae
- 属:オランウータン属 Pongo
生息地について
オランウータンはボルネオ島とスマトラ島の一部の熱帯雨林にのみ分布。更新世には東南アジアと中国南部にも分布していたのですが徐々に生息地を失っている状態です。
1. 生息地の全体像
オランウータンは現在、東南アジアの2つの島にのみ自然分布しています。
- ボルネオ島
- スマトラ島
しかも島全域ではなく、熱帯雨林の限られた地域にしか生息していません。
2. 種ごとの生息地
① ボルネオオランウータン (Pongo pygmaeus)
生息地
- ボルネオ島(
インドネシア〈カリマンタン〉
マレーシア〈サバ州・サラワク州〉)
環境
- 低地熱帯雨林
- 泥炭湿地林
- 河川沿い森林
特徴
- 標高の低い森林を好む
- 森林破壊の影響を最も強く受けている
② スマトラオランウータン (Pongo abelii)
生息地
- スマトラ島北部
(アチェ州、北スマトラ州)
環境
- 低地から山地までの熱帯雨林
- 標高約1,000m前後まで生息可能
特徴
- 比較的森林が連続している地域に残存
- 果実が豊富な森林を好む
③ タパヌリオランウータン (Pongo tapanuliensis)
生息地
- スマトラ島南部・タパヌリ地域
(バタン・トル森林)
環境
- 山地熱帯雨林(標高約300〜1,300m)
- 急峻で人の入りにくい森林
特徴
- 非常に限定された分布
- 世界で最も狭い生息域をもつ大型類人猿
3. 生息環境の共通点
オランウータンは樹上生活に強く適応しています。
- 一生の大半を木の上で過ごす
- 果実中心の食性(ドリアン、イチジクなど)
- 毎晩、木の上に新しい「寝床(ネスト)」を作る
👉 そのため、森林の連続性が生存に不可欠です。
特徴は?どんな感じの生物なのか?
オランウータンは類人猿で、体はゴリラに次いで大きい動物。体毛はかなり長く、毛色は全身が栗色や赤褐色で、肩と背中の毛はとても長いです。耳は小さく、顔は黒で鼻は口と一緒に丸く突き出ています。口の周りには毛が生えていて、喉には喉袋があります。雄には「フランジ」と呼ばれる平たい出っ張りがあります。親指は短いが、他の4本に向かい合っていて、物をつかむことが容易です。
1. 見た目の特徴(外見)
- 🦧 全身が長い赤褐色の体毛
- 🦾 腕が非常に長い(脚よりはるかに長く、体長の約1.5倍)
- 👀 表情が豊かで、人間に近い目つき
- 👨🦱 **成熟オスは顔にフランジ(頬の張り出し)**ができる
- ⚖️ 体重
- オス:約50〜90kg
- メス:約30〜50kg
👉 腕で枝から枝へ移動する樹上生活特化型の体つきです。
2. 行動の特徴(生活スタイル)
🌳 ほぼ一生、木の上
- 地上に降りることはまれ
- **「ブラキエーション」**ではなく、
ゆっくり枝をつかみながら移動(安全重視)
🛏️ 毎晩ネストを作る
- 葉や枝を組み合わせて新しい寝床を毎日作る
- 雨よけ用の「屋根」をつけることもある
3. 食性の特徴
- 🍎 果実食中心(6〜7割)
- 葉・樹皮・花・昆虫も食べる
- 食べ物が少ない時期は、低栄養な食物で耐える
👉 果実の季節変動に合わせて、記憶力が重要。

性格はどんな感じ?
オランウータンはほとんど森などの場所で樹上で生活していて、地上には降りてこないです。片手でぶら下がりながら体を振って、もう片方の腕を伸ばして枝をつかみ、枝から枝へとゆっくりと移動し普段は単独で生活しているが、その行動範囲は2.2~6k㎡くらい。また稀に集団で生活をするため、とても社会性もあり、知性が高いです。泳ぐことも不可能で、浅い川なら歩いて渡ることも可能。
知能について
オランウータンは、ヒト以外の霊長類の中で最も知能が高い動物の一つ。アトランタ動物園にはタッチスクリーンコンピューターがあり、時間があるときに2頭のスマトラオランウータンがゲームをプレイしている姿も見れます。オランウータンは棒などを器用に使って生活に活かすことも可能で、相当な頭の良さがあることがわかっています。
1. 基本的な性格
- 😌 温和・落ち着いている
- 🐢 動きがゆっくり(無駄なエネルギーを使わない)
- 🧠 慎重で観察力が高い
- 😐 無意味な争いを避ける
👉 大型類人猿の中でも、**最も「静かなタイプ」**です。
2. 攻撃性はある?
- 基本的に非常に低い
- トラブルが起きそうなら距離を取る
- 威嚇よりも「去る」選択をする
※ ただし
- 子どもを守る母親
- 繁殖期のオス同士
では例外的に攻撃的になることもあります。
3. 対人・対仲間の態度
🧍 単独性だけど孤独ではない
- 普段は一匹で行動
- 他個体に会うと:
- 軽く様子を見る
- 短時間だけ一緒に行動
- 静かに別れる
👉 群れを作らない=社交性がない、ではありません。
4. 好奇心と知性
- 👀 とても好奇心旺盛
- 🔍 新しい物をじっくり観察
- 🛠️ 道具を工夫して使う
- 📚 学習能力が高い(母親の行動を長期観察)
👉 衝動的ではなく、考えてから行動するタイプ。
5. 感情表現
- 表情やしぐさがとても豊か
- 安心すると:
- だらっとした姿勢
- 半目でリラックス
- 不安や警戒:
- 動きを止める
- じっと見つめる
👉 人間が見ても感情が読み取りやすいです。
生態はどんな感じ?
オランウータンは果実を中心に、植物、木の葉や木の芽、樹液、樹皮などを食べて生活をしています。繁殖形態は胎生。一夫多妻で決まった繁殖期がありません。妊娠期間は270日あり1回につき1頭産むことができます。子どもは2~3年で離乳し、独立します。5~8年程で乳歯から永久歯に生え変わり、雄は8~15年、雌は6~11年で性成熟をします。野生では30~50年、飼育下では50年以上の寿命があります。
1. 基本的な生態の概要
- 🌳 樹上生活が中心(地上にはほとんど降りない)
- 🧍 基本は単独生活
- 🍎 果実食中心
- 🕰️ 非常にスローな生活リズム
- 👶 子育て期間が霊長類で最長クラス
👉 「静かな森で、長い時間をかけて生きる」生物です。
2. 1日の生活リズム
朝
- ネスト(寝床)から起床
- ゆっくり移動しながら果実探し
昼
- 食事 → 休憩 → 移動を繰り返す
- 日中に昼寝をすることも多い
夕方
- その日のうちに新しいネストを作る
- 日没前には就寝
👉 活動時間は短めで、無駄な動きがありません。
3. 移動と行動圏
- 腕を使い、枝を慎重につかみながら移動
- ジャンプはほぼしない(落下リスク回避)
- 行動圏
- オス:広い
- メス:比較的狭い(食物資源中心)
4. 食性と季節変動
🍌 主食
- 果実(イチジク、ドリアンなど)
🌿 補助食
- 若葉、樹皮、花、昆虫、蜂蜜
🍂 果実不足の時期
- 栄養価の低い食物でじっと耐える
- 活動量を減らす(省エネ生活)
5. 社会構造(独特)
- 群れは作らない
- 出会いは一時的
- 母子関係が社会の中心
👉 「母+子」ユニットが基本単位。
6. 繁殖と子育て
- 妊娠期間:約8.5か月
- 出産:1回に1頭
- 出産間隔:7〜9年(哺乳類で最長級)
- 子どもは:
- 5歳頃まで常に母親と行動
- 7〜9年かけて独立
👉 知識(食物・移動・危険回避)を時間をかけて学ぶ。
7. 寿命
- 野生:約35〜45年
- 飼育下:50年以上生きることもある
天敵はいるのか?
オランウータンは人間以外には天敵はいません。しかし赤子がヘビなどに襲われることがあります。

オランウータンの幼獣について
オランウータンの幼獣(赤ちゃん〜子ども)は、
霊長類の中でも特に母親依存が強く、学習期間が長いのが最大の特徴です。
成長段階ごとに分かりやすく説明します。
1. 誕生直後(0〜1歳)
- 出生時体重:約1.5〜2kg
- 毛は短く、顔は黒っぽい
- 👶 母親にしがみついたまま生活
- 自力移動はできない
- 母乳のみで栄養をとる
👉 母親の腕・腹・背中が「世界のすべて」。
2. 乳児期(1〜3歳)
- 少しずつ周囲に興味を持つ
- 母親から少し離れて枝に触る
- 食べ物を「真似して口にする」
- まだ常に身体接触あり
👉 遊びながら、森の基礎を学ぶ時期。
3. 幼児期(3〜5歳)
- 短距離なら自力で移動
- 母親を視界に入れたまま行動
- 固形食が増えるが授乳は続く
- ネスト作りを観察・模倣
👉 観察学習の黄金期。
4. 若年期(5〜7歳)
- 授乳はほぼ終了
- 行動範囲が広がる
- 危険回避・食物選択を実践的に学ぶ
- それでも夜は母親のネストで眠る
👉 「ほぼ自立、でも完全ではない」。
5. 独立期(7〜9歳)
- 母親から完全に離れる
- メスは母の行動圏近くに残ることが多い
- オスはより遠くへ移動
👉 霊長類で最も長い母子期間。
6. なぜこんなに長く育てる?
- 🍎 食物の種類が非常に多い
- 🌳 樹上移動が危険
- 🧠 知識と判断力が生死を分ける
→ 「本能」より「学習」が重要な生態だから。
7. 性格の特徴(幼獣)
- 😄 非常に好奇心旺盛
- 🤍 甘えん坊
- 👀 観察力が鋭い
- 😨 驚くとすぐ母親に戻る
👉 大人より感情表現が豊か。
8. 幼獣の生存率と課題
- 母親を失うとほぼ生存不可
- 密猟・森林破壊の影響を最も受けやすい
- 保護施設では自立訓練に10年以上かかることも
オランウータンは絶滅危惧種なのか?
オランウータンは森林伐採や開発などにより、生息地であった森林の80%以上が失われ生息地の分断が起こっています。現在は絶滅危惧種や国際法で無許可の取引を禁止するワシントン条約の附属書Iに指定されています。近い将来に絶滅の危険性が高いためかなり厳重に保護されている動物です。2018年の研究では、ボルネオオランウータンが1999年から2015年までに14万8,500頭減少したことが判明。早急な保護が必要です。
1. 結論から
オランウータン3種はすべて
IUCNレッドリストで「CR(深刻な絶滅危惧)」に分類されています。
CR(Critically Endangered)
= 野生での絶滅が目前に迫っている状態
2. 種ごとの状況
① ボルネオオランウータン
(Pongo pygmaeus)
- 推定個体数:約10万頭弱(ただし急減中)
- 過去60年で50%以上減少
- 主な脅威:
- アブラヤシ農園開発
- 森林火災
- 違法伐採
👉 数は多めだが、減少スピードが非常に速い。
② スマトラオランウータン
(Pongo abelii)
- 推定個体数:約1万4千頭前後
- 生息地が島北部に限定
- 主な脅威:
- 森林分断
- 道路・農園開発
👉 生息域が狭く、一気に減る危険性が高い。
③ タパヌリオランウータン
(Pongo tapanuliensis)
- 推定個体数:約800頭以下
- 生息地は1か所のみ
- 主な脅威:
- ダム建設
- 森林分断
👉 世界で最も絶滅に近い大型類人猿。
3. なぜここまで危機的なのか?
オランウータン特有の生態が影響しています。
- 👶 出産間隔が7〜9年と非常に長い
- 🌳 森林が途切れると生きられない
- 🧠 学習依存型で、幼獣は母を失うと生存不可
👉 一度減ると、回復が極めて遅い。
オランウータンは飼育できる?
オランウータンは上記の通り、絶滅危惧種に指定されているため、飼育は無理です。動物園でのイベントなど案内がありますので入園して鑑賞しましょう。開園したら総合案内から群れの展示を見に行きましょう。ネットでは動画やリンクなどもあります。
1. 法律的に飼えるのか?
❌ 一般人・個人 → 不可能
オランウータンは、
- ワシントン条約(CITES)附属書Ⅰ
- IUCN:深刻な絶滅危惧種(CR)
に指定されており、
👉 売買・輸入・個人飼育は国際的に厳しく禁止されています。
日本でも
- ペットとしての飼育
- 個人所有
は認められていません。
2. じゃあ、なぜ動物園にはいるの?
⭕ 飼育できるのは「限られた施設のみ」
以下のような厳格な条件を満たす場合だけ例外的に認められます。
- 🏛️ 国や自治体が認可した動物園・研究施設
- 🧬 種の保存を目的とした繁殖・研究
- 📑 国際的な移動は特別許可付き
👉 「展示」ではなく、種の保全が目的。



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