リョコウバトの特徴、生態、生息地、絶滅の理由について最新版を解説 100年の時を経て復活?

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100年前に数億羽いたけど絶滅したリョコウバトの特徴、生態、生息地、繁殖、絶滅の理由について解説します。かつて大量に生息していたとされるこの鳥はなぜ絶滅してしまったのでしょうか?その理由や特徴、生態についてもすべて合わせて解説をしていきます。

リョコウバトとは? 基本ステータスについて

リョコウバトはハト目ハト科リョコウバト属に属する鳥類です。英名はPassenger Pigeon。学名はEctopistes migratorius。全長は40㎝くらいと言われており、野生の種では鳥類史上最も多くの数がいたと言われた鳥でした。

Japanese(和名)リョコウバト(漢字:旅行鳩)
English(英名)Passenger Pigeon
scientific name(学名)Ectopistes migratorius
classification(分類)Aves、 Columbiformes、Columbidae、Ectopistes
鳥綱、ハト目、ハト科、リョコウバト属
IUCN Status(保全状況)EXTINCT
Length(体長)40cm
Weight(体重)260 – 340 g

リョコウバトの分類学

リョコウバト(Passenger Pigeon)の分類学についてまとめます。リョコウバトはかつて北アメリカに生息していた鳥で、20世紀初頭に絶滅しました。

1. 界・門・綱

  • 界 (Kingdom): 動物界 (Animalia)
  • 門 (Phylum): 脊索動物門 (Chordata)
  • 綱 (Class): 鳥綱 (Aves)

2. 目・科

  • 目 (Order): ハト目 (Columbiformes)
  • 科 (Family): ハト科 (Columbidae)

3. 属・種

  • 属 (Genus): Ectopistes
  • 種 (Species): Ectopistes migratorius

リョコウバトの生息地について

リョコウバトはアメリカの東部地域を中心に生息しておりました。自然のなかで上を通過するときは巨大な集団が現れ、空が暗くなるとまで言われていました。

1. 地理的分布

  • かつては北アメリカ東部から中央部に広く分布していました。
  • 生息域はカナダ南部からアメリカ合衆国のオハイオ、ペンシルベニア、ジョージア州、ミシシッピ川流域まで広がっていました。

2. 生息環境

  • 広大な森林地帯を好む鳥で、特にオークやビーチ、ハシバミなどの木が多い森林に生息。
  • 大規模な群れで移動する渡り鳥で、食料(果実・ナッツ)が豊富な地域を季節に応じて移動。
  • 森林の開けた場所や河川沿いも利用し、繁殖や休息の場としました。

3. 食料との関係

  • ドングリやナッツ、果実などを大量に食べるため、食物が豊富な森林が生息地として重要でした。
  • 食料が枯渇すると数百km単位で移動することもありました。

4. 移動と群れ

  • リョコウバトは史上最大規模の群れを作る鳥で、数百万羽~数千万羽単位の大群が森林を覆いました。
  • 大群での移動は、生息地内の森林資源の消費や繁殖場所の選択に密接に関連していました。

5. 絶滅に関わる生息地の変化

  • 19世紀の森林伐採と農地開発で生息地が急速に破壊されました。
  • 生息地が失われることで、大規模な群れを形成できなくなり、絶滅につながりました。

特徴は?どんな感じの生物なのか?

リョコウバトは推定で一時は30億から50億羽いたとされる鳥です。オスの頭は青灰色、下面はバラ色、くちばしは黒、脚は赤色。メスはオスより色彩が地味。移動する群れは密集していたため空が黒く染まると言われてました。飛行スピードは速く、移動速度は時速約60マイルでした。これらのハトは北米東部の落葉樹林に生息し、主に五大湖周辺で活動をしていました。

1. 外見の特徴

  • 体長:約40cm、翼長:約55cm
  • オスは淡い青灰色の羽色で、胸部は赤みがかった色。メスはやや地味で全体的に灰色が強い。
  • 尾羽が長く、尖った形で、飛翔時に風を切る形になっている。
  • クチバシは小さく、果実やナッツをついばむのに適している。

2. 生活・行動

  • 群れで生活する鳥で、数百万~数千万羽の大群を形成。
  • 大規模な群れで移動しながら、森林内の果実やナッツを食べる。
  • 移動能力が非常に高く、長距離の渡りも行う渡り鳥。

3. 繁殖

  • 森林に広大な巣を作り、1回の繁殖で1〜2個の卵を産む
  • 繁殖期には大規模なコロニーを作り、多数のペアが密集して巣作り。
  • 繁殖巣は木の枝の上に作られ、群れで互いに安全を確保。

リョコウバトの生態は?

リョコウバトは主にブナの木の実やどんぐり、栗を食べて生活をしていました。夏にはベリーなど柔らかい果実や無脊椎動物も捕食。リョコウバトは渡り鳥としても有名でした。夏の営巣地はニューヨークから五大湖周辺にかけて、越冬地はメキシコあたりに移動しておりました。あまりにも大群で移動することから、現地の人も日光が遮られて空が暗くなると言われていました。繁殖期は年に1度で1回の産卵数は1個だけでしたので繁殖力がとても低い鳥です。

1. 群れと移動

  • 圧倒的な大群で生活:数百万~数千万羽の群れを形成することもあり、空を覆うほどの規模。
  • 群れで移動することで、食料の探索や捕食者からの防御を効率化。
  • 季節に応じて長距離の渡りを行い、食物が豊富な地域を求めて移動。

2. 食性

  • 果実食・ナッツ食(ドングリ、ハシバミ、果実など)。
  • 森林内の食物資源に依存しており、食料が枯渇すると大群で別の地域に移動。
  • 地上で食べることもあり、群れ全体で食物を共有するような行動をとった。

3. 繁殖

  • 繁殖期には森林に大規模な巣コロニーを作る。
  • 巣は木の枝の上に作られ、1回の繁殖で1〜2個の卵を産む。
  • 群れでの繁殖により、捕食者からの安全性を確保。

4. 行動・社会性

  • 非常に社交的で群れ行動が中心。孤立した個体はほとんど見られなかった。
  • 群れの中では協調して移動し、餌場を効率的に利用。
  • 夜間も群れで安全な場所に止まり、昼間は森林内で採食。

5. 天敵と防御

  • 猛禽類や哺乳類(キツネなど)が捕食者。
  • 大群で行動することで個体の捕食リスクを低減。

リョコウバトのヒナについて

リョコウバト(Passenger Pigeon)のヒナについてまとめます。残念ながら、リョコウバトは絶滅種ですが、歴史的な観察記録からヒナの生態が分かっています。

1. 誕生

  • 繁殖期には森林の木の枝に巣を作り、1〜2個の卵を産む
  • 孵化期間は約14〜16日と考えられています。
  • 孵化したヒナは非常に小さく、羽毛は薄く、目は閉じている状態で生まれる。

2. 成長

  • ヒナは親鳥の給餌に完全に依存している。
  • 親は食べた果実やナッツを、口移しでヒナに与える。
  • 成長は早く、孵化から約2週間で羽毛が生えそろい、巣の外を歩き回ることができる

3. 行動

  • 巣の中では親鳥に密着し、安全を確保しながら成長
  • 大群で巣作りをするため、ヒナも多数の巣が隣接する中で育つ。
  • 群れ全体の協調によって、捕食者からのリスクが減る。

4. 独立

  • 孵化後約1か月ほどで、飛翔の練習を始める。
  • 約1〜2か月で自立し、親鳥とともに群れで移動しながら餌を探す。

リョコウバトはなぜ絶滅したのか?

北アメリカにいたリョコウバトはすでに絶滅をしてしまいました。残っているのは剥製の標本だけ。それではなぜそもそも絶滅をしてしまったのか?その理由を当時の記録や情報から原因を解説していきます。

人間による乱獲

リョコウバトはもともとアメリカの先住民族も肉として食べる文化がありました。しかし先住民たちはハトの繁殖期にはハト狩りを控えるなど配慮をしていたため絶滅することはありませんでした。しかし近代に入りヨーロッパ人が入植すると状況は変わります。19世紀に入り本格的に白人が入植すると、鳩もそうですがアメリカバイソンやプロングホーンも含めて狩猟するようになりました。ここから悲劇が始まりました。

過剰な狩猟

人間たちはインディアンたちを強制保留地へ追いやり、好き勝手に狩猟を始めます。食肉や飼料、布団の材料になる羽毛の採取を目的とした乱獲が始まったのです。リョコウバトの数は激減して減り続け、ヒナまで乱獲されることになりました。1878年にはミシガン州で10億近くのリョコウバトが虐殺され。19世紀末にはほぼ絶滅状態になってしまったのです。当時は保護を求める行動もありましたが無視されました。

森林の開発で壊滅

さらにこれに拍車をかけたのが人間による森林伐採と土地開発でした。リョコウバトは止まり木で休憩する性質を持っていて森林で生息していたのですが、森林がなくなることで地上で住宅街にも姿を見せ、そして狩られると言う負の連鎖が続きます。1910年にオハイオ州のシンシナティ動物園で飼育されていた雌のマーサだけが最後の生き残りになりました。しかし1914年に老衰で死亡し、絶滅が確定したのです。

100年ぶりの復活へ?

2012年、科学者のグループがリョコウバトのクローンを作成する研究プロジェクトを立ち上げ、技術で遺伝子操作によって絶滅種のリョコウバトの同じ形質を持つ鳥を作成する目的で動き始めました。カリフォルニア大学サンタクルーズ校のベン・ノバクのグループはリョコウバトの標本からDNAを抽出して、リョコウバトを復活させようという動きが起こっています。

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