シロナガスクジラはどんな動物?特徴、生態、生息地について最新版を解説

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シロナガスクジラはどんな動物?特徴、生態、生息地について解説していきます。クジラの中でも最大のクジラと言われており、巨体を活かして海で生息している海洋哺乳類となります。特徴や生息地を紹介します。

シロナガスクジラとは? 基本ステータスについて

シロナガスクジラは哺乳綱偶蹄目ナガスクジラ科に分類される海洋哺乳類。学名はBalaenoptera musculusで漢字は白長須鯨。全長(体長)は20 – 26m、体重、重さは80 – 199tにもなります。基本的な情報の一覧は以下の通り。地球に住む海洋生物では世界最大で成長すれば極めて大きい存在になります。

Japanese(和名)シロナガスクジラ
English(英名)Blue whale
scientific name(学名)Balaenoptera musculus
classification(分類)Mammalia、Artiodactyla/Cetartiodactyla、 Balaenopteridae、Balaenoptera
哺乳綱、偶蹄目、ナガスクジラ科、ナガスクジラ属
IUCN Status(保全状況)ENDANGERED
Length(体長)20 – 26m
Weight(体重)80 – 199t

分類について

4種の亜種が存在します。

  • Balaenoptera musculus musculus キタシロナガス Northern blue whale
  • Balaenoptera musculus brevicauda ピグミーシロナガス Pygmy blue whale
  • Balaenoptera musculus indica Northern Indian Ocean blue whale
  • Balaenoptera musculus intermedia ミナミシロナガス Antarctic blue whale

生息地について

シロナガスクジラは世界中の海を回遊しています。

1. 北半球

  • 北太平洋:アラスカ沿岸、カリフォルニア沖、日本海、オホーツク海
  • 北大西洋:グリーンランド、アイスランド、ノルウェー沖、アゾレス諸島周辺

2. 南半球

  • 南極海:夏季は南極周辺で大量のオキアミを食べるために集まる
  • 南大西洋・インド洋:南アメリカ南端、南アフリカ、オーストラリア南岸など

3. 熱帯・亜熱帯域

  • 一部は熱帯海域で越冬する個体もいるが、主に食物が少ないため数は少なめ

特徴は?どんな感じの生物なのか?

シロナガスクジラは現生の脊椎動物における最大種。体は細長い形状をしており、背側は様々な色の灰青色。腹側はやや明るい色で成体ではオスよりメスの方が若干大きい。流線型の体型をしており、細く長い胸びれ、横に広がった薄い尾ひれをもっています。シロナガスクジラは一箇所に留まっているのではなく世界中の海を移動しています。夏場はオキアミが豊富な北極海や南極海、冬は暖かい海で子育てをするために熱帯や亜熱帯の海に現れます。

1. 体の特徴

  • サイズ:全長は25~30m、最大で33mに達することもある
    → 世界で最も大きな動物
  • 体重:100~200トンほど(生きている動物としては史上最大級)
  • 体形:細長くて流線型。背中は青灰色で、下腹は淡い灰白色
  • 皮膚:青みがかった灰色で、光の当たり方で水色に見えることも
  • 頭部:平らで幅広く、口の先端から胸鰭まで非常に大きい
  • ひれ
    • 胸鰭は小さめで細長い
    • 尾びれは幅が広く、推進力が強い

2. 食性・摂食

  • 食べ物:主にオキアミ(小型甲殻類)
  • 食べ方:口を大きく開けて海水ごとオキアミを吸い込み、ひげ板で濾して食べる
  • 1日の摂食量:1日で約3〜4トンのオキアミを食べることもある

3. 生態・行動

  • 回遊性:季節によって北極・南極付近を移動
  • 鳴き声:低周波で数百キロ先まで届く声を出すことができ、コミュニケーションや方向の確認に使う
  • 寿命:平均80〜90年ほど、生きる個体は100年を超えることも
  • 繁殖
    • 妊娠期間:約11か月
    • 子どもは生まれたときでも約7〜8m、2〜3トン

4. 見た目のイメージ

  • 巨大な潜水艦のように海面を滑る
  • 背中が波間にわずかに出て呼吸する姿が特徴
  • 体の大きさに比べ、胸鰭や背びれは小さく、全体的にゆったりした印象

性格はどんな感じ?

シロナガスクジラは 性格は大人しく、食事以外で他の生物を襲うことはありません。 

1. 穏やかで臆病

  • 基本的に人間や他の生物に対して攻撃的ではありません
  • 巨大ですが、ほとんどの時間をゆったり泳ぎながら過ごす
  • 危険を感じると潜水して静かに逃げることが多い

2. 社交性

  • 単独でいることもあれば、親子や小規模な群れで行動することもある
  • 群れの中ではお互いに近づきすぎず、距離を保ちながらゆったり泳ぐ
  • 繁殖期になるとオス同士がメスをめぐって行動することもある

3. 好奇心

  • 人間の船や観察者に対して、ゆっくり近づいて観察することがある
  • ただし体が大きすぎるため、突然近づくと誤って危険を感じさせることも

4. 活動パターン

  • 日中も夜も活動するが、移動中はマイペースで長距離を泳ぐ
  • 食べるときは一心不乱にオキアミを濾し取る

生態はどんな感じ?

シロナガスクジラはオキアミという動物プランクトンや甲殻類などを食べて生活をしています。繁殖期や子育ての期間を除き一般的には単独行動か小集団で行動します。繁殖様式は胎生。冬季に交尾を行います。妊娠期間は12か月。1回に1頭の幼獣を産む。生後8 – 10年で性成熟します。寿命は100年以上と言われており、120年くらい生きたこともあります。

1. 回遊と分布

  • シロナガスクジラは季節による大規模な回遊を行う
    • 夏:南極海や北極海などの寒冷な海域でオキアミなどの豊富な餌を食べる
    • 冬:熱帯・亜熱帯海域に移動し、繁殖や出産を行う
  • 単独で泳ぐことが多いが、親子や少人数の群れで見られることもある

2. 食性と摂食方法

  • 主食はオキアミや小魚などのプランクトン
  • **ひげ板(ひげクジラ特有の濾過器官)**で海水ごとプランクトンを濾し取って食べる
  • 1日で3~4トンのオキアミを食べることもある
  • 摂食の多くは寒冷な海域で行う

3. 繁殖

  • 繁殖期は冬の温かい海域で行われる
  • 妊娠期間:約11か月
  • 出産時の子ども:全長約7~8m、体重約2~3トン
  • 母子は数か月間一緒に過ごし、母乳で育てる
  • オスは繁殖期にメスをめぐって競争することもある

4. 音とコミュニケーション

  • 低周波の鳴き声で長距離コミュニケーションが可能
  • 鳴き声は数百キロ先まで届くとされ、回遊中の位置確認や仲間との連絡に使われる

5. 生活のリズム

  • 長時間潜水可能(平均10~20分、最大30分以上)
  • ゆっくり泳ぎながら餌を探す
  • 短時間の呼吸のために海面に上がる

6. 寿命と天敵

  • 寿命:80~90年、場合によって100年以上
  • 天敵はほとんどいないが、幼体はシャチやサメに襲われることがある

天敵はいるのか?

シロナガスクジラはシャチと言う天敵があります。

シロナガスクジラの幼獣について

シロナガスクジラの幼獣(子ども)は、親と比べても大きく、誕生時からすでに圧倒的なサイズを持っています。特徴を整理して詳しく紹介します。

1. 誕生時の大きさ

  • 全長:約7〜8メートル
  • 体重:約2〜3トン
  • 人間と比べると、小型トラック1台分くらいの重さ
  • 体長は成長しても、まだ親の半分程度

2. 母乳での育ち方

  • 母乳は非常に高脂肪(約35%の脂肪)で、栄養価が高い
  • 1日に約 90リットル以上の母乳 を飲む
  • 授乳期間は 6〜7か月ほどで、その間は母親と常に行動を共にする
  • この間に体重は急速に増加し、1日で 90kg以上 増えることもある

3. 行動・生態

  • 幼獣は母親のそばで泳ぎ、親の保護下で安全に過ごす
  • 呼吸や潜水の技術を母親から学ぶ
  • 群れで行動することは少なく、基本は母子単位
  • 初めての長距離回遊では、母親に合わせて泳ぐ

4. 音とコミュニケーション

  • 幼獣も低周波の鳴き声を発し、母親と連絡を取る
  • まだ声は弱く、親の声に応じて行動することが多い

5. 成長のスピード

  • 生後1年で約 10〜12メートル に成長する
  • 摂食は最初は母乳のみだが、離乳後に少しずつオキアミなどを食べ始める
  • 完全に独立するのは 数年後

シロナガスクジラは絶滅危惧種なのか?

シロナガスクジラはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでEN(絶滅危惧)に指定されている絶滅危惧種です。 推定個体数は5000~1万5000頭くらい。問題は脂を燃料として利用できるためザトウクジラやヒゲクジラなどとともに過度な捕獲がされていたのです。1966年に国際捕鯨条約で捕獲が禁止されました。現在、その数は回復傾向にあります。

1. 国際的な状況

  • IUCN(国際自然保護連合)レッドリスト絶滅危惧(Endangered, EN)
  • 元々は全世界の海に広く分布していましたが、20世紀の商業捕鯨によって個体数が激減
  • 現在でも回復はしていますが、20世紀前半の水準には戻っていない

2. 過去の捕鯨被害

  • 1900年代~1960年代にかけて、商業捕鯨による乱獲が深刻
  • 巨大な体が脂肪や油に使いやすく、捕獲対象として狙われた
  • このため、世界のシロナガスクジラの数は約1/10にまで減少したと推定されている

3. 現在の脅威

  • 商業捕鯨はほとんど禁止されているが、以下のリスクは残る
    • 船舶との衝突:航行中の船にぶつかる事故
    • 海洋ゴミ・プラスチック:誤飲による健康被害の可能性
    • 気候変動:餌となるオキアミの分布や量の変化
    • 海洋騒音:船舶や産業活動による低周波騒音がコミュニケーションに影響

4. 保護状況

  • 国際捕鯨委員会(IWC)による商業捕鯨の禁止
  • 多くの国で保護法があり、観光や科学調査以外での捕獲は禁止
  • 一部の海域では、回遊ルートの保護や監視が行われている

シロナガスクジラは飼育できる?

シロナガスクジラは飼育には向いていません。とても巨大な動物なので、鑑賞することをおすすめします。

1. 巨大すぎる体

  • 成獣は全長25〜30m、体重100〜200トン
  • 幼獣でも7〜8m、2〜3トンある
  • これほど巨大な体を水槽で収容することは物理的に不可能
    • 例:世界最大の水族館でも最大10m前後のクジラ類が限界

2. 回遊性が強い

  • 自然界では何千キロも移動する回遊種
  • 長距離を泳ぐために広い海域が必要で、水槽ではストレスが大きすぎる

3. 食事の問題

  • 1日に数トンのオキアミを食べる
  • 水槽で同量の餌を供給することは現実的に不可能

4. 保護・法的問題

  • シロナガスクジラは絶滅危惧種
  • 国際法や各国の保護法により、捕獲や飼育は厳しく制限されている
  • 仮に幼獣を捕獲しても、生存可能性はほぼゼロ

5. 現状の飼育状況

  • 世界中の水族館で飼育されているのは、シャチ、ベルーガ、カマイルカ、ミンククジラなどの小型クジラが中心
  • シロナガスクジラは野生観察(クジラウォッチング)でのみ体験可能

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