オオウミガラスはどんな動物? 特徴、生態、生息地、絶滅の理由について最新版を解説 北極のペンギン

Arctic

オオウミガラスはどんな動物? ウミスズメの仲間で体の全長、体重、北大西洋での分布、特徴、生態、生息地、絶滅の理由について解説します。ペンギンは南極にしかいませんが、以前は北極にも生息していたのです。それがオオウミガラスです。北極に住む唯一のペンギンとも言えるのですが実は絶滅してしまいました。

オオウミガラスとは? 基本ステータスについて

オオウミガラスはチドリ目・ウミスズメ科に分類される海鳥の一種で鳥類に当たります。学名はPinguinus impennisでペンギンに当たります。全長約80cm、体重5kgに達する大型の海鳥で羽が退化した飛べない鳥でした。

Japanese(和名)オオウミガラス
English(英名)Great Auk
scientific name(学名)Pinguinus impennis
classification(分類)Aves、 Charadriiformes、Alcidae、Pinguinus
鳥綱、チドリ目、ウミスズメ科、オオウミガラス属
IUCN Status(保全状況)EXTINCT
Length(全長)80cm
Weight(体重)5kg

オオウミガラスの分類学

オオウミガラス(Great Auk, 学名:Pinguinus impennis)の分類学についてまとめます。オオウミガラスは現在絶滅していますが、北大西洋沿岸にかつて生息していました。

1. 界・門・綱

  • 界 (Kingdom): 動物界 (Animalia)
  • 門 (Phylum): 脊索動物門 (Chordata)
  • 綱 (Class): 鳥綱 (Aves)

2. 目・科

  • 目 (Order): スズメ目 (Charadriiformes)
    • 海鳥の多くが属する目で、カモメやウミスズメなども含まれる。
  • 科 (Family): ウミスズメ科 (Alcidae)
    • ウミスズメ科は北半球の海鳥で、潜水能力が高く、海中で魚を捕る鳥が多い。

3. 属・種

  • 属 (Genus):Pinguinus
    • 現存種はなく、オオウミガラスが唯一の種として知られる。
  • 種 (Species): Pinguinus impennis

オオウミガラスの生息地について

オオウミガラスは北大西洋を中心にニューファンドランド島からグリーンランド、アイスランド、アイルランド、イギリス、スカンジナビア半島などヨーロッパの北極圏で生息していたのです。

1. 地理的分布

  • 北大西洋沿岸に広く分布していました。
  • 特に カナダ東部、グリーンランド、アイスランド、ノルウェー、イギリス諸島(スコットランド北部、ファロー諸島) に生息。
  • 冬季には南下して フランス北部やスペイン北部の海域 にも移動していた記録があります。

2. 生息環境

  • 寒冷な海岸や小島に繁殖地を設ける。
  • 海岸の岩場や小島の平坦な場所で巣を作り、群れで集まる。
  • 水中での採餌に依存するため、近くに豊富な魚類資源がある海域を選ぶ。

3. 行動と移動

  • 繁殖期以外は海上で生活し、長距離を泳ぎながら餌を捕る
  • 群れで生活し、潜水して魚やイカを捕食。
  • 繁殖期には島や岩礁に集まり、集団で巣を作る。

4. 絶滅に関わる生息地の変化

  • 島や岩礁での卵採取や乱獲により、繁殖地が破壊され個体数が急減。
  • 冬季の海上でも捕獲され、再生産が困難になった。

特徴は?どんな感じの生物なのか?

オオウミガラスはウミスズメ類の中では抜きん出て体が大きな種でした。腹の羽毛は白く、頭部から背中の羽毛はつやのある黒色。翼は短く退化しており、飛べない鳥でした。陸上では体を立ててよちよちと歩いたペンギンと全く同じような生活をしていたと言われています。 集団で生活し、コロニーを形成していました。

1. 外見の特徴

  • 体長:約75〜85cm、体重:約4.5〜5kg
  • 羽色:背中は黒く、腹は白。翼は小さく、飛ぶことはできなかった。
  • くちばし:太く大きく、先端がやや曲がっている。魚やイカを捕るのに適した形。
  • :短く、泳ぎや潜水に適応。
  • :後方についており、水中での推進力に利用。

2. 生活・行動

  • 飛べない海鳥で、泳ぎと潜水に特化。
  • 魚類やイカなどを捕食し、潜水能力は非常に高い
  • 群れで行動し、数百羽単位で海上や繁殖地に集まる。
  • 繁殖期には小島や岩礁に集団で巣を作る。

3. 繁殖

  • 繁殖期は北大西洋の島や岩礁で行われ、1回の繁殖で1個の卵を産む
  • 群れで集まることで捕食者から卵やヒナを守る。

4. 生態的特徴

  • 海鳥でありながら飛べないという点が最も特徴的。
  • 潜水して海中で餌を捕る能力に非常に優れる。
  • 群れで生活し、協調行動が発達していた。

5. 印象

  • 外見はペンギンに似ており、水中生活に適応した大型の海鳥。
  • 飛べないが泳ぎと潜水が得意で、群れでの行動が圧巻だった。

性格はどんな感じ?

オオウミガラスはとてもフレンドリーな鳥で、人間が近づいても警戒することもなく、とても温和な鳥と言われていました。しかしこの性格が今後、悲劇を生んでしまう結果となりました。以下で説明をしていきます。

1. 群れを好む社交性

  • 非常に社交的で、繁殖期には数百羽単位で集団を形成。
  • 単独で行動することはほとんどなく、群れで協調して餌を探したり、卵やヒナを守った。

2. 臆病で警戒心が強い

  • 天敵(大型の鳥や哺乳類)から卵やヒナを守るため、警戒心が強い
  • 繁殖地に近づく人間や捕食者には、群れで逃げたり身を低くして隠れる行動をとった。

3. 冷静で協調的

  • 群れでの移動や潜水採餌において、秩序立った行動を維持。
  • 飛べないため、泳ぎや潜水での協調が重要で、無駄な争いを避ける傾向。

4. 人間との関わり

  • 捕獲されると臆病に反応したが、元々の生息地では争いより協調を重視する性格だった。

オオウミガラスの生態は?

オオウミガラスは魚類やイカ類を食べることが好きで、特にイカナゴを好んでいました。繁殖は6月ごろに行い、オスとメスが交代しながら抱卵をしていました。卵が孵化するまでの期間は1か月くらい。寿命は恐らく現生のペンギンと同じくらいと言われています。オオウミガラスは4歳から7歳で性成熟してます。

1. 生活環境

  • 北大西洋沿岸の寒冷海域に生息。
  • 繁殖期は小島や岩礁に集まり、非繁殖期は海上で過ごす。
  • 海岸近くの岩場や小島を巣作りや休息地として利用。

2. 食性

  • 魚類やイカを中心とした肉食性
  • 優れた潜水能力を持ち、水中で獲物を捕らえる。
  • 潜水は数十メートルまで可能で、短時間で素早く獲物を捕る。

3. 繁殖

  • 繁殖期には小島や岩礁に大群で集団繁殖
  • 1回の繁殖で1個の卵を産む。
  • 群れで集まることで捕食者から卵やヒナを守る。

4. 行動・移動

  • 群れで行動し、協調して移動や採餌を行う。
  • 冬季は南下してフランス北部やスペイン北部の海域に移動することもあった。
  • 群れで泳ぎながら潜水し、魚やイカを効率的に捕食。

5. 天敵と防御

  • 天敵は猛禽類や哺乳類で、特に繁殖期の卵やヒナが狙われた。
  • 群れでの集団行動が防御手段として重要。

6. 絶滅に関わる生態的要因

  • 群れで生活する習性が逆に災いし、乱獲や卵採取で個体数が急激に減少。
  • 群れが小さくなると繁殖効率が低下し、絶滅に繋がった。

オオウミガラスのヒナについて

オオウミガラス(Great Auk, Pinguinus impennis)のヒナについてまとめます。絶滅種ですが、歴史的観察記録や標本から成長過程が分かっています。


1. 誕生

  • 繁殖期には 小島や岩礁に巣を作り、1回に1個の卵を産む
  • 孵化期間は約 30〜35日 と推定されている。
  • 孵化直後のヒナは小さく、体毛は薄く、目は閉じている状態で生まれる。

2. 成長

  • ヒナは親鳥の給餌に完全に依存。
  • 親は捕った魚を口移しで与えることでヒナを育てる。
  • 数週間で羽毛が生え揃い、泳ぐ練習を始める。

3. 行動

  • 巣の中で親に密着し、安全を確保しながら成長。
  • 群れで繁殖するため、ヒナ同士も近接して育つ。
  • 捕食者からのリスクは、親鳥や群れ全体の協調行動で軽減される。

4. 自立

  • 孵化後 約6〜8週間で泳ぎや潜水が可能になり、親鳥とともに海上で採餌するようになる。
  • この段階で徐々に独立して群れの中で生活する。

オオウミガラスはなぜ絶滅したのか?

かつて存在したオオウミガラスはなぜ絶滅したのか?結論から言えば、人間のせいで絶滅したことになります。詳しい経緯や情報を説明していきます。繁殖していたコロニーの多くをホッキョクグマに捕食されていた時期がありましたがそれは一時的な減少の要因。人間が最も致命的な打撃を与えました。

ヨーロッパ側のペンギンの絶滅

オオウミガラスの存在は中世にはすでにヨーロッパ人には認知されていました。ヨーロッパ人はオオウミガラスの羽毛に目を付けました。1534年にフランスの探検家である、ジャック・カルティエ(Jacques Cartier)が、ニューファンドランド島に上陸したことで知られるようになり、枕を作るために使われる羽毛が必要になり、オオウミガラスは狩られていき、ヨーロッパ大陸側のコロニーが絶滅しました。1794年、イギリスは羽毛を目的としたこの種の殺害を禁止したのですが、時すでに遅し。

北米側でも乱獲が始まる

オオウミガラスの存在は北米側の地域にも知られていきます。1770年代にケワタガモが絶滅寸前に追い込まれると、食料などを求めて、北米人もオオウミガラスの乱獲を始めたのです。乱獲は続き、最後にはアイスランド沖にあるウミガラス岩礁と名付けられる小島に存在するだけとなってしまいました。島は崖で囲まれていたために、人が気づくことなく、繁殖ができていましたが、さらに追い打ちをかけるように悲劇が起こります。

海底火山の噴火と絶滅

最後のオオウミガラスの繁殖地は海底火山の噴火と地震によって海に沈んでしまいます。 それでも生き残っていましたが1844年、エルデイには、最後の生き残りと言える、2羽のオオウミガラスのつがいと卵がヨーロッパ人によって殺されてしまい、絶滅してしまいました。その後、現在は南半球でしかペンギンは分布していません。今は博物館で収集されたオオウミガラスの標本からDNAを使用してオオウミガラスを復活させる可能性についての議論が進行中です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました