マントヒヒはどんな動物?特徴、生態、生息地について解説します。古代ローマでは神と崇められていた動物でとても長い歴史を持つ動物です。アフリカ東部からサウジアラビアにかけての乾燥した山岳地帯で多数が生息しており、中東などの方にとってはとても馴染みのある動物です。
マントヒヒとは? 基本ステータスについて
マントヒヒはオナガザル科ヒヒ属に分類される霊長類。学名はPapio hamadryas。体長はサルの雄、雌の違いがありますが60-80cm、体重は10-20kg。情報の一覧は以下の通り。図鑑でも見れる動物です。
| Japanese(和名) | マントヒヒ |
| English(英名) | Sacred baboon/Hamadryas baboon |
| scientific name(学名) | Papio hamadryas |
| classification(分類) | Mammalia、Primate、 Cercopithecidae 、Papio 哺乳綱、霊長目、オナガザル科、ヒヒ属 |
| IUCN Status(保全状況) | LEAST CONCERN |
| Length(体長) | 60-80cm |
| Weight(体重) | 10–20kg |
マントヒヒの分類学
| 分類階級 | 分類名 |
|---|---|
| 界 | 動物界(Animalia) |
| 門 | 脊索動物門(Chordata) |
| 亜門 | 脊椎動物亜門(Vertebrata) |
| 綱 | 哺乳綱(Mammalia) |
| 目 | 霊長目(Primates) |
| 亜目 | サル亜目(Haplorhini) |
| 上科 | オナガザル上科(Cercopithecoidea) |
| 科 | オナガザル科(Cercopithecidae) |
| 亜科 | マントヒヒ亜科(Papioninae) |
| 属 | マントヒヒ属(Papio) |
棲息地について
生息地はとても広いです。スーダン、イエメン、エチオピアを筆頭にアフリカ大陸からアラビア半島、中東にかけてかなり広く分布しています。
1. 分布地域
マントヒヒ属はアフリカ大陸全体に分布し、種ごとに地域が異なります:
| 種 | 主な分布 |
|---|---|
| アヌビスマントヒヒ(Papio anubis) | 西アフリカ~東アフリカ、サハラ以南の乾燥草原・サバンナ |
| ギガマントヒヒ(Papio hamadryas) | アフリカ北東部(エチオピア、エリトリア)、アラビア半島南西部 |
| グリーンマントヒヒ(Papio cynocephalus) | 東アフリカ(ケニア、タンザニア) |
| チャクマントヒヒ(Papio ursinus) | 南アフリカ(ボツワナ、南アフリカ共和国) |
| キュッカマントヒヒ(Papio papio) | 西アフリカ(ギニア、セネガル) |
2. 生息環境・生態的特徴
- 主にサバンナや草原、乾燥林に生息
- 樹木や岩場を休息・観察場所として利用
- 河川沿いや水場の近くにも出没することが多い
- 樹上生活より地上での移動や採食に適応
- 環境が極端に乾燥している砂漠や氷雪地帯は避ける
3. 生息のポイント
- 食料・水源が確保できる場所が重要
- 岩場や崖、洞穴などの休息場所があると群れの安全度が増す
- 群れで生活するため、広い縄張り・移動空間が必要
特徴は?どんな感じの生物なのか?
マントヒヒは乾燥した山岳地帯で暮らしています。主に草原や岩場を好み集団で生活をします。夜は外敵から身を守るために群れが集まり集団でお休みをします。オスは体毛が灰色で、特に側頭部や肩の体毛が伸長、メスや幼体の体毛は褐色です。メスは成長しても側頭部や肩の毛が伸長しません。マントヒヒのおしりは体毛が生えておらず、真っ赤でとても目立ちます。
1. 外見の特徴
- 体型・サイズ
- 大型のサルで、四肢は長くがっしりしている
- 体長:オス 約50〜115cm、メス 約40〜80cm
- 尾長:約30〜60cm
- 体重:オス 約20〜40kg、メス 約10〜20kg
- 顔・頭部
- 鼻先が長く、オスはマント(肩の毛が長くなる)が目立つ種もある
- 顔の色は種によって茶色~赤褐色
- 毛色・被毛
- 背中は茶色~灰色、腹部は淡色
- 種によっては肩や背中の毛が長く、マント状になる
- 歯・顎
- 犬歯が発達しており、群れ内での威嚇や争いに使用
2. 性格・社会性
- 群れで生活する高度な社会性
- 数十頭~数百頭の群れを形成
- 縄張り意識があり、序列や社会的役割が明確
- 知能が高く、協調行動や対立解決も見られる
- 警戒心が強く、臆病な面もあるが、好奇心旺盛
3. 行動・生態
- 地上生活に適応
- 樹上より地上での採食・移動が得意
- 樹上は休息や観察に利用
- 食性:雑食性
- 果実、種子、葉、昆虫、小型哺乳類、鳥類など幅広く食べる
- 昼行性で、朝や夕方に活発に行動
- 社会的コミュニケーションが発達
- 鳴き声、顔の表情、身体の仕草で意思疎通
4. 特殊能力
- 優れた協調能力と警戒能力
- 群れで見張りを立てることで捕食者から身を守る
- オスは力強く、序列争いで牙を使った威嚇行動が見られる

性格はどんな感じなのか?
マントヒヒはエネルギッシュで元気な性格で、とても凶暴でもあります。気性が荒くて攻撃的ですのであまり飼育には向いていません。
マントヒヒの性格の特徴
- 社会性が高い
- 群れで生活し、序列や役割が明確
- 仲間との協調行動や対立の調整が見られる
- 社会的学習能力が高く、観察や真似で行動を学ぶ
- 警戒心が強く臆病な面もある
- 捕食者や人間に対して敏感
- 危険を察知すると素早く逃げたり、高い場所に避難
- 好奇心旺盛
- 新しい物や動くものに興味を示す
- 探索行動が活発で、食料や安全な場所を見つけるのが得意
- 攻撃性・縄張り意識
- オスは特に縄張り意識や序列争いが強い
- 威嚇や牙を使った攻撃で群れ内の序列を維持
- メスも群れ内で社会的地位を持ち、協力的な面と攻撃的な面を両方持つ
- 知能が高く適応力がある
- 食料や環境に応じて行動パターンを変える
- 危険回避や仲間との協力など高度な判断ができる
生態はどうなっているのか?
食性は雑食で、昆虫類、小型爬虫類、木の葉、果実、種子などを食べます。一夫多妻のハーレムを形成し、ハーレムのメスを増やしていきます。真っ赤で目立つお尻で発情期において性的アピールをします。妊娠期間は4か月以上あります。1回につき1頭産むことができます。寿命は30年程度と言われています。
1. 生活環境
- 主にアフリカ大陸のサバンナ、乾燥林、草原、岩場に生息
- 水場の近くや木陰・岩場など、休息や観察に適した場所を利用
- 樹上も使うが、基本は地上生活に適応
2. 行動パターン
- 昼行性(朝〜夕方に活動)
- 群れで生活し、社会的序列や役割が明確
- 群れのメンバーで見張りや協力行動を行い、捕食者から身を守る
- 採食や移動の際は群れで行動することが多い
3. 食性
- 雑食性で非常に適応力が高い
- 主な食べ物:
- 果実、葉、種子、樹皮
- 昆虫、トカゲ、小型哺乳類、鳥の卵
- 食料に応じて行動範囲や採食方法を柔軟に変える
4. 繁殖
- 繁殖は年間を通じて可能だが、地域によってピークがある
- 妊娠期間:約6か月
- 一度に1〜2頭の子どもを出産
- 母親が子育てを行い、子どもは群れの社会行動を学ぶ
5. 社会構造
- 群れは数十〜数百頭規模
- オスは群れ内で序列争いを行い、権力や交配権を獲得
- メスは母系中心で、親子や姉妹で協力する
- 群れ内で遊びや威嚇、鳴き声、身体の仕草などでコミュニケーション
天敵はいるのか?
マントヒヒはライオンやヒョウなどが天敵に当たります。大型の哺乳類がとても大きな脅威となります。

マントヒヒの幼獣について
マントヒヒ(Papio属)の**幼獣(子マントヒヒ)**について詳しくまとめます。
1. 外見・特徴
- 生まれた直後の体重:約0.5〜1kg
- 体長:約30cm前後
- 毛は柔らかく、母親や群れの中で目立つように**明るい色(赤褐色や黄色っぽい)**で生まれることが多い
- 尾は短めでまだ発達途上
- 犬歯や前歯は未発達で、母乳で栄養を摂取
2. 行動能力
- 生まれてすぐに母親の背中や腹にしがみつくことができる
- 生後数週間で少しずつ自分で歩き、群れ内で探索を始める
- 生後1か月頃から遊びや模倣を通じて社会行動や狩猟・採食スキルを学ぶ
3. 食性・成長
- 母乳で栄養を摂る:生後数週間は母乳が中心
- 生後約3か月頃から果物や昆虫など、群れの食べ物を少しずつ試食
- 生後6か月〜1年でほぼ自立し、群れの食物を自分で採ることができる
4. 社会性
- 群れの中で母親や姉妹、他の幼獣と遊びながら学ぶ
- 遊びを通じて序列や攻撃・防衛の技術を習得
- 幼獣同士の遊びや母親とのやり取りは、後の社会生活で重要
5. 防衛・安全
- 幼獣は自力で捕食者から逃げられないため、母親や群れの保護に依存
- 母親は子を背中や腹に抱え、巣穴や岩陰、樹上で守る
マントヒヒは絶滅危惧種なのか?
ワシントン条約附属書IIに掲載されており、国際取引が制限されていますが、絶滅危惧種には指定されておりません。
1. 現状の分類
- 国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストによると、マントヒヒ属の主要種(例:アヌビスマントヒヒ、ギガマントヒヒ、チャクマントヒヒなど)は、**ほとんどが「低リスク(Least Concern, LC)」**に分類されています。
- つまり、現時点では絶滅危惧種ではありません。
2. 個体数の状況
- 広範囲に分布しており、個体数は全体として安定
- 都市開発や農地化などで局所的に減少することはあるが、種全体の絶滅リスクは低い
3. 脅威となる要因
- 生息地の破壊
- 森林伐採、農地拡大、都市化など
- 人間との衝突
- 作物を食べる害獣扱いや狩猟
- 天敵
- ライオン、ヒョウ、ワシなど
- 気候変動
- 水や食料の減少による局所的な影響
4. 保護状況
- 絶滅危惧種ではないため、広範な保護活動は基本的に不要
- ただし、局所的な生息地保全や人間との共存対策は重要
マントヒヒはペットとして飼育可能?
上記でも説明したのですが、マントヒヒはとても攻撃的で気性が荒いことでも有名です。そのため一般人が飼育するには向いていません。動物園では近くで顔も見れますのでイベントなどで案内されるサルを鑑賞しましょう。
1. 法律面の問題
- マントヒヒは野生動物で、多くの国で特別な許可なしに飼うことは違法。
- 日本でも「特定動物」や「希少野生動物」に該当する場合があり、飼育には都道府県知事の許可が必要。
- 国際的にはCITES(ワシントン条約)で輸出入規制がある場合もある。
2. 生態的・行動的な問題
- 大型で力が強く、活発
- 家庭では家具や壁を傷つけたり、人に危害を加える可能性が高い
- 社会性が高く群れ生活を必要とする
- 単独で飼うとストレスが溜まり、攻撃性や異常行動が出る
- 知能が高く好奇心旺盛
- 探索行動や問題解決能力が高く、飼育環境では管理が難しい
- 食性が雑食で幅広い栄養が必要
- 果物・葉・昆虫・小型動物などをバランスよく与える必要があり、家庭では再現が難しい
3. 飼育に必要な条件(理論上)
- 広大な運動場と安全な囲い
- 仲間と群れで過ごせる環境
- 食料や水の確保
- 野生動物管理の専門知識と獣医の管理
4. ペットとしての現実的代替
- マントヒヒそのものは飼えませんが、群れ生活や活発さを持つ小型霊長類なら家庭向き
- 例:フェレット(イタチ科改良種)、小型猿(リスザルなど、ただし許可が必要)


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