オオハシはどんな鳥?特徴、生態、生息地について最新版を解説

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オオハシはどんな鳥?特徴、生態、生息地について解説していきます。この鳥の最大の特徴は何と言ってもあまりにも大きなくちばしです。カリブ海から南アメリカの中部や南部の熱帯雨林にくらしていますのでどんな特徴があるのか、説明をしていきますので参考にしましょう。

オオハシとは? 基本ステータスについて

オオハシは鳥類キツツキ目の鳥類になります。学名はRamphastidae。全長は30–60cm、体重は300-500gくらいで小型の鳥になります。漢字表記では「大嘴」と表します。

Japanese(和名)オオハシ
English(英名)Toucan
scientific name(学名)Ramphastidae
classification(分類)Ave、 Piciformes、 Ramphastidae
鳥綱、キツツキ目、オオハシ科
IUCN Status(保全状況)ENDANGERED
Length(体長)30–60cm
Weight(体重)300 – 500kg

分類について

オオハシはオオハシ科に分類されています。以下のような亜種が存在します。とても多くの亜種が存在します。オオハシ下目は伝統的にオオハシ科とゴシキドリ科に分けられていました。ゴシキドリ科とオオハシゴシキドリ科を独立科とせずオオハシ科に含める説があります。以下はWikipediaからの引用になります。

  • Aulacorhynchus ミドリチュウハシ属
  • Aulacorhynchus wagleri, Wagler’s Toucanet (P. prasinus から分離)
  • Aulacorhynchus prasinus, Emerald Toucanet, キバシミドリチュウハシ
  • Aulacorhynchus caeruleogularis, Blue‐throated Toucanet (P. prasinus から分離)
  • Aulacorhynchus cognatus, Violet‐throated Toucanet (P. prasinus から分離)
  • Aulacorhynchus lautus, Santa Marta Toucanet (P. prasinus から分離)
  • Aulacorhynchus griseigularis, Grey‐throated Toucanet (P. prasinus から分離)
  • Aulacorhynchus albivitta, White‐throated Toucanet, ミナミキバシミドリチュウハシ (P. prasinus から分離)
  • Aulacorhynchus atrogularis, Black‐throated Toucanet (P. prasinus から分離)
  • Aulacorhynchus sulcatus, Groove‐billed Toucanet, ミネアカミドリチュウハシ
  • Aulacorhynchus calorhynchus, Yellow‐billed Toucanet (↑から分離)
  • Aulacorhynchus derbianus, Chestnut‐tipped Toucanet, クロアカミドリチュウハシ
  • Aulacorhynchus whitelianus, Tepui toucanet, テプイミドリチュウハシ (A. derbianus から分離) LC IUCN
  • Aulacorhynchus haematopygus, Crimson‐rumped Toucanet, コシアカミドリチュウハシ
  • Aulacorhynchus huallagae, Yellow‐browed Toucanet, キマユミドリチュウハシ
  • Aulacorhynchus coeruleicinctis, Blue‐banded Toucanet, アオオビミドリチュウハシ
  • Pteroglossus チュウハシ属
  • Pteroglossus viridis, Green Aracari, キムネチュウハシ
  • Pteroglossus inscriptus, Lettered Aracari, スジキムネチュウハシ
  • Pteroglossus bitorquatus, Red‐necked Aracari, アオハシチュウハシ
  • Pteroglossus azara, Ivory‐billed Aracari, ハシジロチュウハシ
  • Pteroglossus mariae, Brown‐mandibled Aracari, チャハシチュウハシ (↑から分離)
  • Pteroglossus aracari, Black‐necked Aracari, アカオビチュウハシ
  • Pteroglossus castanotis, Chestnut‐eared Aracari, チャミミチュウハシ
  • Pteroglossus pluricinctus, Many‐banded Aracari, フタオビチュウハシ
  • Pteroglossus torquatus, Collared Aracari, ムナフチュウハシ
  • Pteroglossus sanguineus, Stripe‐billed Aracari, ホシハシムナフチュウハシ (P. torquatus から分離)
  • Pteroglossus erythropygius, Pale‐mandibled Aracari, ハイハシムナフチュウハシ (P. torquatus から分離)
  • Pteroglossus frantzii, Fiery‐billed Aracari, アカハシムナフチュウハシ
  • Pteroglossus beauharnaisii, Curl‐crested Aracari, ニジチュウハシ
  • Pteroglossus bailloni, Saffron Toucanet, オウゴンチュウハシ (Baillonius bailloni)
  • Selenidera コチュウハシ属
  • Selenidera spectabilis, Yellow‐eared Toucanet, アオハシコチュウハシ
  • Selenidera piperivora, Guianan Toucanet, ニショクコチュウハシ
  • Selenidera reinwardtii, Golden‐collared Toucanet, アカハシコチュウハシ
  • Selenidera nattereri, Tawny‐tufted Toucanet, サンショクコチュウハシ
  • Selenidera gouldii, Gould’s Toucanet, クロフイリコチュウハシ
  • Selenidera maculirostris, Spot‐billed Toucanet, フイリコチュウハシ
  • Andigena ヤマオオハシ属
  • Andigena hypoglauca, Grey‐breasted Mountain Toucan, サンショクヤマオオハシ
  • Andigena laminirostris, Plate‐billed Mountain Toucan, イタハシヤマオオハシ
  • Andigena cucullata, Hooded Mountain Toucan, キバシヤマオオハシ
  • Andigena nigrirostris, Black‐billed Mountain Toucan, ハシグロヤマオオハシ
  • Ramphastos オオハシ属
  • Ramphastos dicolorus, Green‐billed Toucan, アオハシヒムネオオハシ
  • Ramphastos vitellinus, Channel‐billed Toucan, ヒムネオオハシ (R. culminatus を含む)
  • Ramphastos citreolaemus, Citron‐throated Toucan, キノドオオハシ (↑から分離)
  • Ramphastos brevis, Choco Toucan, チョコキムネオオハシ
  • Ramphastos sulfuratus, Keel‐billed Toucan, サンショクキムネオオハシ
  • Ramphastos toco, Toco Toucan, オニオオハシ
  • Ramphastos tucanus, White‐throated Toucan, シロムネオオハシ (R. cuvieri を含む)
  • Ramphastos swainsonii, Chestnut‐mandibled Toucan, クリハシオオハシ (↓から分離)
  • Ramphastos ambiguus, Black‐mandibled Toucan, ニショクキムネオオハシ

Source Wikipedia

生息地はどこになるのか?

オオハシ科の鳥は中南米の一帯に生息しています。メキシコ、アルゼンチン、ベリーズ、ペルー、ボリビア、ギアナ、ブラジル、パナマ、ニカラグアなど、生息地は極めて広いです。

1. 地理的分布

  • 中南米が原産地
  • 主に熱帯雨林に生息
  • 国としてはブラジル、コロンビア、ベネズエラ、ペルー、エクアドルなどに広く分布

2. 生息環境

  • 熱帯雨林の樹上:樹冠層(高木の上)で生活
  • 木の実や果実が豊富な場所を好む
  • 巣は高木の樹洞や枝の間に作る
  • 河川沿いや森林の縁も活動範囲に含まれる

3. 環境の特徴

  • 高温多湿で降雨量の多い地域
  • 森林の多層構造(高木、中木、低木)があると餌や隠れ場所が豊富
  • 開発や森林伐採で生息環境が減少すると個体数も影響を受ける

特徴は?どんな感じの生物なのか?

オオハシの名はその大きな嘴からきており、とても大きなくちばしが最大の特徴です。小型の物はチュウハシ(小嘴)と呼ばれている種類もいます。くちばしが大型化した理由は不明。一説では枝の先にある果実をとりやすくするために大きくしたとさえ言われています。くちばし内の微細な血管を通して、体内の熱を逃がすことができます。ほとんどの種類が熱帯雨林に生息しています。

1. 体の大きさ・外見

  • 全長:約50〜65cm(種によって異なる)
  • 体重:約300〜700g
  • 嘴(くちばし)
    • 非常に大きく、全長の約1/3〜1/2を占める
    • 鮮やかな色彩(赤・黄・オレンジ・黒など)
    • 軽量構造で長くても重くない
  • 羽色
    • 黒、白、赤、黄などカラフル
    • 種によって体色の組み合わせが異なる
  • :比較的大きく、樹上生活に適応

2. 行動・性格

  • 樹上で生活する樹上性鳥類
  • 活発で好奇心旺盛
  • 社交性は高く、ペアや小さな群れで行動することもある
  • 鳴き声はカッコーのような響きが特徴的

3. 食性

  • 主に果実食(フルーツ)
  • ほかに昆虫、小型爬虫類、鳥類の卵なども摂取
  • 長い嘴で枝の間の果実や小動物を巧みに捕まえる

4. 生態上の特徴

  • 長い嘴は果実や種子を取るのに便利で、木の洞や枝の間に届く
  • 果物の種子を散布することで森林生態系に貢献
  • 飛行は短距離中心で、枝間の移動に適応

性格はどんな感じなのか?

オオハシは人に良く懐きます。しかしながら亜種によっては警戒心も強いため、こればかりは個体差がかなりあります。家族には友好的に接しますが、強いストレスを感じることがあります。人とコミュニケーションも可能で、多様に遊ぶことができる特徴も持っています。

オオハシの性格・行動特性

  1. 活発で好奇心旺盛
    • 樹上を飛び回り、果実や枝の間を探しながら餌を探す
    • 新しい物や環境に興味を示す
  2. 社交的
    • ペアや小さな群れで生活することが多い
    • 鳴き声や姿勢で仲間とコミュニケーションをとる
  3. 臆病さと警戒心
    • 捕食者や人間には敏感で、危険を察するとすぐに逃げる
    • 樹上の枝の間に隠れることが多い
  4. 遊び好き
    • 枝をかじったり、果実をつついたりして遊ぶ習性がある
    • 長い嘴を使った巧みな動きが観察される

生態はどうなっているのか?

オオハシは一羽で暮らしたり,数羽の群をつくることもあります。土手の穴などに巣を作り,春に卵を産みます。食性は草食寄りの雑食性で、果実や木の実、昆虫や小型の爬虫類などを食べて生活をします。オオハシは野性化では長命な鳥類で実は50年以上生きることも可能で亜種によってかなり差があります。

1. 生活リズム

  • 昼行性:日中に活動して餌を探す
  • 夜は樹上で休む
  • 樹冠層を中心に枝間を飛び回り、短距離の飛行が中心

2. 食性

  • 主に**果実食(フルーツ)**が中心
  • 他に昆虫、小型爬虫類、鳥の卵なども摂取
  • 長い嘴で枝の間の果実や小動物を巧みに捕らえる
  • 果実を食べることで種子散布にも貢献

3. 繁殖

  • 繁殖期:地域や種によって異なるが、雨季に繁殖することが多い
  • 巣作り
    • 樹洞や高い枝の間に巣を作る
    • 巣は自然素材(木の枝、葉、苔など)で構成
  • 産卵数:1〜4個程度
  • 育雛
    • 両親が交互に抱卵・給餌
    • ヒナは巣立ちまで親に依存

4. 社会性

  • ペアで生活することが多い
  • 小規模な群れで行動することもある
  • 鳴き声や姿勢でコミュニケーションをとる

5. 生息環境

  • 熱帯雨林に依存
  • 樹冠層や中層で活動
  • 果実が豊富で、樹木が密集した環境を好む
  • 森林破壊や開発によって生息環境が減少すると影響を受ける

天敵はいるのか?

オオハシは基本的に天敵は少ないです。サルなどが天敵として挙げられます。

オオハシのヒナについて

オオハシ(Ramphastos属など)のヒナについて整理すると、孵化から巣立ちまでの成長過程や親との関係がわかります。


1. 孵化・巣

  • 巣作り:高木の樹洞や枝の間に作る
  • 産卵数:1〜4個
  • 卵の大きさ:種によって約3〜5cm
  • 孵化期間:約16〜18日(種によって前後)

2. ヒナの特徴

  • 体重:孵化時は約20〜30g(種による)
  • 羽毛:初めは産毛で柔らかく、白っぽい
  • :孵化直後は閉じているが、数日で開く
  • 行動
    • 巣内でじっとして過ごす
    • 親が交互に抱卵や給餌を行う

3. 成長段階

週齢発育・行動
0〜2週産毛で巣の中で過ごす。親鳥が餌を与える
2〜3週羽毛が整い始める。兄弟とじゃれ合う
3〜4週羽ばたきの練習。枝間の移動を始める
4〜5週飛行能力が向上。巣立ちの準備
5週頃巣立ち。親の補助を受けつつ独立に向かう

4. 生存上の注意点

  • 天敵(大型猛禽類やヘビ)による捕食リスクがある
  • 食物不足や環境変化で生存率が低下する

オオハシは絶滅危惧種なのか?

オオハシは全体で見ればとても個体数も安定しており、絶滅する可能性はありません。しかし亜種の中にはすでに絶滅危惧種に指定されている種族がいます、これは人間による生息地の破壊により、森林地帯の減少がかなり大きな問題を生んでいます。

1. IUCNレッドリストでの評価

  • オオハシ属には複数の種がありますが、代表的な例として:
    • オオハシ(Toco Toucan, Ramphastos toco)Least Concern(軽度懸念)
      • 分布域が広く、個体数も比較的安定
    • 一部の地域分布が限定される種や生息地が減少している種は、**Near Threatened(準絶滅危惧)Vulnerable(絶滅危惧 II 類)**に分類されることもある

2. 生息環境の影響

  • 森林伐採や農地開発により局所的に個体数が減少することはある
  • 特に熱帯雨林の減少は、一部の希少種の生存に大きな影響を与える

3. 日本での保護状況

  • 日本にはオオハシは自然分布していないため、国内での天然保護対象には含まれない

オオハシは飼育できる?

オオハシは実は飼育ができる数少ない鳥です。以下の点に気を付けて飼育をしましょう。獣医を確保できるかどうかが大きなカギです。またとても長命の鳥ですからしっかり面倒は見るようにしてください。

値段はいくらくらいになるの?

オオハシを扱っているペットショップはとても少ないです。そのためとても高くなります。日本円では50万円~100万円くらいするという情報があります。かなりの出費になります。それが嫌なら動物園などから譲ってもらうしかありません。

餌は何を食べるのか?

動物園で与えている餌としてはメロン、トマト、リンゴ、バナナ、パパイヤ、ブドウ、ペレットなどです。オオハシは身体の中に鉄分を蓄積しやすいという特徴があるため、専用のペレットが好ましいと言われています。熱帯の果物が好物ですので、マンゴーやパパイヤなども良く食べます。

ケージが必要

オオハシは運動量、活動エリアがとても広いため、広大な場所が必要な鳥類です。樹の上が生活拠点であり、一生のうち地上に降りることはほぼないので止まり木と大きなケージが必須。また普段の生活では運動を適度にさせるようにしてください。ストレスにより病気にかかる可能性もあります。

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