ヤクシカはどんな動物?特徴、生態、生息地について解説します。このシカは日本でしか見ることができないかなりレアなシカとなります。屋久島におけるヤクシカの食害などが深刻化していることもあり害獣としてみなされてしまうケースもありますので注意です。
ヤクシカとは? 基本ステータスについて
ヤクシカは英語でYaku Island Sika Deer、学名はCervus nippon yakushimae。体長は70-80cmで体重は19-25kgなのでやや小型です。情報の一覧は以下の通り。
| Japanese(和名) | ヤクシカ |
| English(英名) | Yaku Island Sika Deer Yaku Is. Sika Deer |
| scientific name(学名) | Phascolarctos cinereus |
| classification(分類) | Mammalia、 Artiodactyla、Cervidae、Cervus 哺乳綱、偶蹄目、シカ科、シカ属 |
| IUCN Status(保全状況) | LEAST CONCERN |
| Length(体長) | 70~80cm |
| Weight(体重) | 19-25kg |
ヤクシカの分類学
- 界(Kingdom): 動物界 (Animalia)
- 門(Phylum): 脊索動物門 (Chordata)
- 綱(Class): 哺乳綱 (Mammalia)
- 目(Order): 偶蹄目 (Artiodactyla)
- 科(Family): シカ科 (Cervidae)
- 属(Genus): ニホンジカ属 (Cervus)
- 種(Species): ニホンジカ (Cervus nippon)
- 亜種(Subspecies): ヤクシカ (Cervus nippon yakushimae)
生息地について
ヤクシカは日本の固有種。鹿児島県屋久島と口永良部島にのみ生息しているため、他の地域で見ることが一切できません。
1. 主な生息地
- 屋久島(鹿児島県):全域に分布
- 標高0〜1,900 mまでの森林に生息
- 特に屋久島の山岳部・原生林に多い
- 環境:亜熱帯〜温帯の森林地帯
- 照葉樹林、落葉広葉樹林、針葉樹林など多様な森林を利用
2. 生活環境の特徴
- 標高に応じて季節ごとに棲み分けを行うこともある
- 森林の中で群れを作り、木や草、低木を食べて生活
- 水源の近くや餌が豊富な場所に集まりやすい
3. 生態上のポイント
- 屋久島固有種のため、生息域が非常に限定されている
- 人間活動による森林開発や道路建設の影響を受けやすい
特徴は?どんな感じの生物なのか?
ヤクシカはニホンジカの亜種に当たり、その中でも小型。オスは成熟すると角が3本。ヤクシカには体サイズのわりに四肢が短いです。捕食者がいないため、小型化されたと言われています。常緑広葉樹林内で生活することが多くヤクシカの行動域は狭いです。
1. 体の特徴
- 体格:小型〜中型(体長 約100〜140 cm)
- 体重:オス40〜60 kg、メスはやや軽い
- 毛色:季節で変化
- 夏:赤褐色
- 冬:暗褐色
- 角:オスのみ発達、枝分かれは少なく丸みを帯びる
- 耳・尾:小さめで、森林内での機敏な動きに適応
2. 行動・性格
- 群れで生活し、社会性がある
- 警戒心が強く、音や気配に敏感
- 草食性で、低木・草・樹皮・落ち葉などを食べる
- 森林の中を縦横無尽に移動し、日中や夕方に活動
3. 生態上の特徴
- 屋久島の森林に完全に適応した固有亜種
- 標高や季節によって生息場所を変えることがある
- 繁殖期はオス同士で角を使った争いが見られる

ヤクシカの生態は?
ヤクシカは食物は落葉や落ちてきた果実・種子など。植物の葉やキノコ類を食べることがあります。寿命は10-20年。
1. 生活環境
- 生息域:屋久島全域の標高0〜1,900 mの森林
- 森林環境:照葉樹林、落葉広葉樹林、針葉樹林など多様
- 群れ生活:小規模〜中規模の群れで行動
- 活動時間:日中〜夕方に活発に行動することが多い
2. 食性
- 草食性:低木、草、樹皮、落ち葉、果実など
- 季節や標高によって食べる植物の種類を変える
- 森林内で食べ物を探して移動する習性がある
3. 繁殖
- 繁殖期:秋(9〜11月)
- 求愛行動:オス同士が角を使って争う
- 出産:春(4〜6月)に1頭の子どもを産むことが多い
- 子育て:メスが単独で子どもを育てる
4. 行動・社会性
- 警戒心が強く、人や捕食者の気配に敏感
- 群れの中での順位や関係性がはっきりしている
- 標高や季節によって生息場所を変えて効率的に餌を採取
5. 適応能力
- 屋久島の多雨・山岳地帯の森林環境に完全に適応
- 雨季でも山間部で活動可能
- 天敵は少ないが、群れでの協調行動で安全を確保
ヤクシカの天敵は?
ヤクシカのテリトリーではこれといった天敵がいません。逆に過去の調査では四国や九州などの場所で繁殖して知らないうちに農家に被害を与えてしまうこともあります。データをみると報告も大きく多数上がっております。

ヤクシカの幼獣について
ヤクシカ(Cervus nippon yakushimae)の**幼獣(子ども)**について整理すると、成獣とは体格や行動が異なり、母親や群れに依存して成長します。
1. 体の特徴
- 体長・体重:生まれた時は体長約40〜50 cm、体重は約3〜5 kg程度
- 毛色:生まれた直後は黄褐色〜赤褐色に白い斑点があり、成長とともに消える
- 角:生まれたばかりのオスにはまだ角はなく、成長とともに小さな突起が出てくる
- 耳・脚:小さく柔らかいが、活動に合わせて徐々に丈夫になる
2. 行動・性格
- 母親に依存
- 生後数か月は母親と行動を共にし、餌や危険から守られる
- 遊び・学習
- 草や木をかじる遊びを通じて餌の採り方を学ぶ
- 跳ねたり追いかけっこをして運動能力や社会性を身につける
3. 生態上のポイント
- 食事:生後数週間は母乳で育つ
- 離乳:2〜3か月で葉や草、低木の芽を食べ始める
- 群れでの学習:母親や群れの行動を観察して、警戒心や社会行動を学ぶ
- 成長:1年ほどで体格や行動が大人に近づき、群れでの活動に参加
ヤクシカは絶滅危惧種なのか?
ヤクシカは絶滅危惧種ではありません。近年、生息数が増加し、下層植生や落葉等の過剰な採食などの結果、繁殖しすぎているほど。ヤクシカの農作物被害は江戸時代からありましたが、これは近年も続いています。畑作への被害、植林木への被害が発生しており被害対策として、1978年より有害駆除が開始されています。2000年になると自然生態系への影響に対する対策を講じるために、屋久島世界遺産地域科学委員会のもとにヤクシカ・ワーキンググループが設置されています。個体数を調整する方向性を打ち出しています。
1. 国際自然保護連合(IUCN)の評価
- ヤクシカは単独での評価はされていませんが、親種のニホンジカ(Cervus nippon)は**「軽度懸念(Least Concern, LC)」**に分類されています。
- 屋久島固有亜種であるため、個体数は安定しているものの、生息地は限られています。
2. 絶滅危惧ではない理由
- 屋久島全域の森林に分布しており、標高0〜1,900 mまで適応している
- 群れで生活し、繁殖率も安定している
- 天敵は少なく、人間活動の影響を受ける地域は限定的
3. 注意点
- 生息地の限定性:屋久島固有であるため、森林開発や道路建設などによる影響を受けやすい
- 人間との接触:農地や観光地近くに出没することがあり、車との事故などで個体が減る場合がある
- 保護活動:屋久島では森林保全や個体管理が行われている
ヤクシカは飼育が可能なのか?
ヤクシカは繁殖力がとても強く、あっという間に増えていきますので要注意です。最近では保護のために森や島で管理のために研究を始める団体も出ています。
1. 法律・保護の面
- ヤクシカは屋久島固有の亜種であり、野生個体は特別天然記念物に指定されている
- 無許可で捕獲・飼育することは法律で禁止されている(文化財保護法・野生生物保護法)
- 飼育可能なのは、動物園や研究機関で特別な許可を得た個体のみ
2. 生態的・飼育環境の問題
- 広い生息域が必要
- 野生では屋久島の森林全域(標高0〜1,900 m)を移動して生活
- 家庭や小さな施設では生活空間を確保できない
- 群れ生活が基本
- 孤独にするとストレスで健康を害する
- 食性
- 草、落ち葉、果実、樹皮など多様な植物を食べるため、適切な餌を用意するのが難しい
- 運動量が多い
- 自然では長距離移動して餌を探すため、飼育下では運動不足になりやすい
3. 水族館・動物園での飼育
- 日本の動物園や施設でのみ飼育されることがある
- 飼育下でも広大な運動場と森林環境の再現が必要
- 専門スタッフによる管理・健康チェック・食事管理が必須



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