イヌ科で群で狩りをするリカオンはどんな動物?特徴、生態、生息地について詳しく解説していきます。アフリカに分布している最も大きな犬で全体にがっしりとしているためとても怖い印象もあります。しかしながら、絶滅危惧種に指定されています。
リカオンとは? 基本ステータスについて
リカオンは哺乳綱食肉目イヌ科リカオン属に分類される食肉類。本種のみでリカオン属を構成しています。学名はLycaon pictus。体長は76 – 112cm、体重は17 – 36kg。メスよりオスのほうが大きいです。属名Lycaonは「オオカミ」の意味です。肩高60 – 78㎝、尾長30 – 41㎝。以下が基本の情報の一覧になりますので案内します。
| Japanese(和名) | リカオン |
| English(英名) | African hunting dog/African wild dog/Lycaon/Cape hunting dog |
| scientific name(学名) | Lycaon pictus |
| classification(分類) | Mammalia、 Carnivora、Canidae、Lycaon 哺乳綱、食肉目、イヌ科、リカオン属 |
| IUCN Status(保全状況) | ENDANGERED |
| Length(体長) | 76 – 112cm |
| Weight(体重) | 17 – 36kg |
分類について
リカオンは本種のみでリカオン属を構成します。
分類学(Taxonomy)
- 界(Kingdom): 動物界 (Animalia)
- 門(Phylum): 脊索動物門 (Chordata)
- 綱(Class): 哺乳綱 (Mammalia)
- 目(Order): 食肉目 (Carnivora)
- 科(Family): イヌ科 (Canidae)
- 属(Genus): リカオン属 (Lycaon)
- 種(Species): アフリカオオカミ/リカオン (Lycaon pictus)
生息地について
リカオンはアフリカに分布している最も大きな犬。主に南アフリカで生息しています。
1. 地理的分布
- 主にサハラ以南のアフリカ
- 特に以下の地域で確認される:
- 東アフリカ:ケニア、タンザニア
- 南部アフリカ:ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、南アフリカ共和国
- 一部西アフリカでも生息するが、個体数は少ない
2. 生息環境
- サバンナ
- 開けた草原や低木地帯で群れ行動
- 乾燥草原・半砂漠地帯
- 水源や獲物が確保できる範囲で行動
- 森林や密林は避ける傾向
- 開けた地形で視界を確保し、狩りを効率的に行うため
3. 生息の特徴
- 群れで広い範囲を移動する
- 獲物や水場を求めて1日あたり10~30km移動することもある
- 群れの協力行動や縄張りの確保が生存に不可欠
- 生息地の減少により、現在は点在する地域に限られている
特徴は?どんな感じの生物なのか?
リカオンは耳介は丸みを帯び、大型です。耳介は、体温を調節する効果があります。犬歯と第4臼歯は刃物状に発達しており肉を食べることに特化しています。体毛は短くて粗く、毛色は白や黒、灰色や茶色。リカオンは主に草原やサバンナなど、視界の開けた場所に生息しており主に日中に活動します。パックと呼ばれる7~15頭程度の群れをつくって獲物を捕らえます。
1. 外見的特徴
- 体の大きさ
- 体長:約75~110cm(尾含まず)
- 尾長:約25~40cm
- 体重:約20~30kg
- 毛色・模様
- 体全体に白・黒・茶色のまだら模様がある
- 個体ごとに模様が異なり、識別に使える
- 顔・耳・脚
- 顔は細長く、耳は大きく丸い
- 足は細長く長距離走に適応
- 前足の第5指が退化しており、4本指で走る
2. 行動的特徴
- 群れ生活
- 群れ(pack)で協力して狩りを行う
- 群れの中で協調行動が非常に発達
- 狩り
- 中型~大型草食動物を長距離追跡して捕獲
- 狩りの成功率はイヌ科でも高い
- 鳴き声・コミュニケーション
- 「キューキュー」と高めの鳴き声で連絡
- 群れ内で協力や警告のために声を使う
3. 性格・習性
- 社会性が非常に高い
- 群れでの協力、子育て、餌の分配まで協調
- 警戒心と俊敏性
- 捕食者や人間に対して警戒心が強く、素早く逃げる
- 遊びやコミュニケーション
- 子どもや群れ内での遊びが発達しており、社会性を養う

性格はどんな感じなのか?
リカオンはとても社会性の強い動物で、チームワークに優れています。協調性があるため、仲間意識がとても強いです。非常に強い結びつきをもっていると考えられている動物です。
1. 社会性が非常に高い
- 群れ(pack)で生活し、狩りや子育てを協力して行う
- 群れ内で上下関係はあるが、個体間の協調が重視される
- 餌の分配や幼獣の世話も群れ全体で協力
2. 協力的で計画的
- 狩りは群れ全体で役割分担し、長距離追跡で獲物を捕らえる
- 狩りや移動の際、声や身体の動きで連携を取る
3. 警戒心が強く慎重
- 捕食者や人間に対して非常に警戒心が強い
- 新しい環境や変化には慎重で、すぐには行動しないこともある
4. 遊び好きで学習能力が高い
- 幼獣や群れ内での遊びを通じて運動能力や狩りのスキルを習得
- 社会的コミュニケーション能力が高く、協調行動が自然に学べる
生態はどうなっているのか?
リカオンはカゼルやインパラなどのレイヨウ類を捕らえて食べます。その他ではオグロヌなどもとらえて食べています。群れになって狩りを行うのが普通。狩りの成功率は高く60%以上の成功率があると言われています。繁殖は4~7月に行われ妊娠期間は60~80日。1年~1年半で性成熟し、寿命は11年程度で巣。
1. 生活様式
- 昼行性・薄明薄暮性
- 主に日中や夕方・朝方に活動
- 草原やサバンナの開けた環境で生活
- 群れ生活
- 群れ(pack)で行動し、狩りや子育てを協力
- 群れの規模は10~20頭程度が多いが、30頭を超えることもある
2. 食性
- 完全な肉食性
- 主な獲物:シマウマの子ども、ガゼル、インパラ、ヌーなどの中型草食動物
- 狩りの特徴
- 群れで協力して追い込み、長距離を走って獲物を捕獲
- 狩りの成功率は他のイヌ科より高い(約60~70%)
- 餌の分配
- 狩りに成功した場合は、群れの順位や協力度に応じて餌を分配
3. 繁殖
- 繁殖様式
- 一夫一婦制に近い形で群れ内で繁殖
- 妊娠期間
- 約70日
- 出産
- 1回に2~12頭(平均6頭)
- 生まれた子は群れで保護され、狩りに参加する練習も群れで行う
4. 移動と行動範囲
- 遊牧的移動
- 獲物や水を求めて1日あたり10~30km移動することが多い
- 縄張り
- 群れごとに縄張りを持ち、声や匂いで他の群れとの境界を維持
5. 群れと防衛
- 捕食者(ライオン、ヒョウ、ハイエナ)から群れを守る
- 危険を察知すると群れ全体で迅速に移動
- 群れの協力行動が生存の鍵
天敵はいるのか?
リカオンは特に天敵はいません。ライオン相手でも、複数でとびかかることがあります。協力してハイエナ、チーターなどの野生の肉食獣も行動して倒していきます。社会の生活においてそれぞれの個体の仲間が協力し合う形になっています。

リカオンの幼獣について
リカオン(アフリカオオカミ、Lycaon pictus)の幼獣について整理します。リカオンは生まれた瞬間から群れでの生活に適応するようになっています。
1. 誕生と初期の特徴
- 出産時期
- 季節によるが、雨季に多く生まれることが多い
- 出産数
- 1回に 2~12頭(平均6頭)
- 体重・サイズ
- 生まれた時の体重:約250~500g
- 毛は柔らかく、体色は黄褐色で斑点模様がある
- 視覚・聴覚
- 生まれた直後は目が閉じているが、約1週間で開く
- 母親や群れの匂いを頼りに動く
2. 成長と行動
- 授乳期間
- 約2か月間母乳を飲む
- 生後2~3週で少しずつ固形物を口にする
- 立ち上がりと移動
- 生後数週間で巣穴から出て、群れの後を追う練習を始める
- 遊び
- 他の子どもや大人と遊ぶことで、狩りや協調行動のスキルを学ぶ
3. 群れでの保護
- 幼獣は巣穴や隠れた場所で守られる
- 捕食者や危険から守るため、母親や群れ全体が警戒
- 食事や狩りの際も、群れでサポートされる
4. 独立と成熟
- 離乳:生後2か月前後で母乳をほぼ卒業
- 群れ内での訓練:生後数か月で狩りの練習に参加
- 性成熟:メスは1~2年、オスは2~3年で繁殖可能
リカオンは絶滅危惧種なのか?
リカオンは絶滅危惧種に指定されています。かつては砂漠や密林地帯を省くサハラ砂漠以南に広く分布していたのですがだいぶ分布が狭くなっています。北アフリカと西アフリカの大部分では既に絶滅しています。イヌの暮らしは想像以上に厳しく、施設などで子育てされるケースも増えています。
害獣として駆除される
リカオンは家畜などを襲うことから、農家に報復をされており多くが殺害されています。交通事故、射撃や罠・毒による駆除が進んでおります。中央アフリカと北東アフリカでも生息数が大幅に減少している状況です。大きく子どもたちが育つ前に病気などで弱って死ぬことも。
リカオンは飼育可能なのか?
リカオンは飼育には向いていません。家畜も襲うことから一般人が飼育することは極めて難しいです。動物園などで鑑賞することが好ましいです。日本では耳にしたことがない動物ですが現在はよこはま動物園ズーラシアや富士サファリパークなどで鑑賞が可能です。時速が早く、人間ではかなわないレベルです。
1. 飼育の現状
- 世界中の動物園やサファリパークで飼育されることが多い
- 日本国内でも、多摩動物公園や東山動植物園などで展示されている
- 野生個体の捕獲は禁止されており、飼育個体は保護や繁殖目的のもの
2. 飼育の難しさ
- 広い運動スペースが必要
- 群れで協力しながら生活する動物
- 十分な運動場がないとストレスや健康障害が起こる
- 群れでの社会性
- 単独飼育は非常にストレスがかかる
- 群れの協力行動が生存や精神的安定に不可欠
- 食事管理が難しい
- 完全肉食性で、中型の草食動物を長距離追跡して捕獲する習性
- 飼育下では肉や栄養バランスの取れた餌の供給が必要
- 健康管理と安全対策
- 群れの個体間での喧嘩や攻撃性があるため、施設設計が重要
- 定期的な獣医ケアや感染症対策が必要
3. 法律・規制
- ワシントン条約(CITES)付属書IIに掲載
- 国際取引には許可が必要
- 日本国内でも動物愛護法や特定動物に関する規制に従う必要がある



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