アオバトはどんな鳥?特徴、生態、生息地について解説します。この鳥は日本や朝鮮半島、中国でのみ見ることができ、日本では本州から九州で見ることが可能になっています。生息数もとても安定しており、色々な地域で見ることが可能ですので、鑑賞してみましょう。
アオバトとは? 基本ステータスについて
アオバトはハト目ハト科アオバト属に分類される鳥。全長は33cm、漢字は緑鳩、学名はTreron sieboldii。情報の一覧は以下の通り。
| Japanese(和名) | アオバト |
| English(英名) | White-bellied green-pigeon |
| scientific name(学名) | Treron sieboldii |
| classification(分類) | Ave、 Columbiformes、Columbidae、Treron 鳥綱、ハト目、ハト科、アオバト属 |
| IUCN Status(保全状況) | LEAST CONCERN |
| Length(全長) | 33cm |
| Weight(体重) | 0.5kg |
分類学(タクソノミー)
- 界 (Kingdom): Animalia(動物界)
- 門 (Phylum): Chordata(脊索動物門)
- 綱 (Class): Aves(鳥綱)
- 目 (Order): Columbiformes(ハト目)
- 科 (Family): Columbidae(ハト科)
- 属 (Genus): Columba(ハト属)
- 種 (Species): Columba janthina(アオバト)
💡 補足:アオバトは、一般的なドバト(Columba livia domestica)やキジバト(Columba palumbus)とは異なり、青緑色の美しい羽色が特徴で、主に海岸林や島嶼環境に適応しています。
生息地について
アオバトは日本(本州、四国、九州)、朝鮮半島、中国で見ることができます。
1. 自然分布(原産地)
- 東アジア沿岸
- 日本(南西諸島・紀伊半島南部など)
- 韓国南部
- 中国沿岸(浙江省~福建省)
- 太平洋の島嶼
- 台湾、フィリピン、インドネシア、パラオ、グアムなど
2. 生息環境
- 海岸林・海岸の岩場を中心に生活
- 海岸や島の松林・常緑樹林を好む
- 森林内で採食し、海岸近くの岩場で休息や水浴びをすることが多い
- 標高
- 海岸付近~山地の低・中腹まで(最大500 m程度)
3. 移動・渡り
- 部分的に渡り
- 冬季は南方へ移動する個体もいる
- 海を越える移動に適応
- 島嶼間の移動が観察されている
- 基本的に沿岸や島周辺で生活する
4. 特徴的な生息条件
- 海水浴びや塩分補給のため、海岸の岩場や岩棚に集まる
- 餌場は海岸林の樹上
- 主に木の実や果実を食べる

特徴は?どんな感じの生物なのか?
アオバトは上面は暗緑色、頭から胸にかけては明るい緑黄色をしています。オスには翼の雨覆羽に赤褐色があるため、メスと見分けがつきます。名前の通り全体的にオリーブ色で広葉樹林や針広混交林を好み、単独~多い時は10羽くらいの群れを形成して生活をしています。中国では冬鳥、北海道では夏鳥。
1. 外見・体の特徴
- 体の大きさ
- 体長:約32〜36 cm
- 体重:約180〜250 g
- 体色
- 背中や翼:青緑色〜青灰色で光沢がある
- 胸・腹:淡い灰色
- 光の角度で緑や青が輝き、美しい金属光沢に見える
- 顔とくちばし
- 顔は小さく、くちばしは淡い灰色
- 目は黒く、顔全体に優しい印象
- 尾羽
- やや長く、飛ぶと羽色が美しく見える
💡 見た目の印象:小型ながら光沢のある青緑色で、海岸林に映える美しいハトです。
2. 行動・性格
- 臆病で警戒心が強い
- 人間や大型鳥に敏感で、危険を察知すると素早く飛び立つ
- 群れで生活することもある
- 特に海岸で塩分補給や休息をする時には数羽~十数羽の小群になる
- 飛翔能力が高い
- 島から島への移動や海岸林での機敏な飛行に適応
- 静かで控えめ
- ハトとしては大きな鳴き声は少なめ
3. 食性
- 植物性中心
- 海岸林の木の実や果実を主に食べる
- 塩分摂取行動
- 海水や海岸の岩場でミネラルを摂取することがある
生態はどんな感じなのか?
アオバトは植物食で、果実や種子等を食べて生活をしています。ミネラル類が不足するためアオバトは海岸へいって海水を飲むことが知られています。樹上に木の枝を束ねた皿型の巣を作り、6月に卵を産みます。二卵しか産まないです、寿命は10年から20年です。
1. 生活環境
- 主な生息場所
- 海岸林、常緑樹林、島嶼の森林
- 海岸の岩場や岩棚で休息・塩分補給を行う
- 標高
- 海岸付近~低山地(0〜500 m程度)
2. 食性
- 植物性が中心
- 海岸林や島の樹上で木の実や果実を食べる
- 若芽や葉も食べることがある
- 塩分補給
- 海岸の岩場で海水を飲む、岩の塩分を摂取する習性がある
- 昆虫など動物性はほとんど摂取しない
3. 社会性・群れ
- 単独または小群で生活
- 海岸で塩分補給や休息をする時に群れることが多い
- 飛翔能力が高く敏捷
- 島から島への移動や海岸林内での迅速な飛行に適応
4. 繁殖行動
- 巣作り
- 島や海岸林の木の上に簡単な皿状の巣を作る
- 繁殖期
- 地域によるが春~夏に繁殖することが多い
- 卵の数
- 通常1〜2個
- 親鳥の役割
- 両親で交代しながら卵を温め、孵化後はヒナに餌を与える
5. 移動・渡り
- 部分的な移動性
- 冬季や食料不足時には南方へ移動する個体もいる
- 基本的には沿岸や島周辺で生活
- 長距離渡りはほとんど行わない
天敵はいるのか?
アオバトは大型の鳥類が天敵になります。特に卵が狙われます。

アオバトのヒナについて
アオバト(Columba janthina)のヒナについて詳しくまとめます。アオバトは沿岸林や島嶼の樹上で繁殖するため、ヒナもその環境に適応した特徴を持っています。
1. 誕生と孵化
- 卵の数:通常1〜2個
- 孵化期間:約17〜19日
- 孵化直後の特徴
- 羽毛は淡い灰色や白っぽい柔らかいダウン
- くちばしは小さく柔らかい
- 完全には飛べない
2. 巣での生活
- 巣の場所
- 島嶼や海岸林の樹上に作られる簡単な皿状の巣
- 親鳥の世話
- 両親が交代で抱卵
- 孵化後も親鳥が餌(果実や木の実)を口渡しで与える
- 危険時はヒナを隠す、もしくは巣を守る
3. 成長過程
- 初期(孵化後〜2週間)
- 羽毛は柔らかく、飛べない
- 親鳥の温度管理と餌に完全に依存
- 中期(2週間〜1か月)
- 羽毛が成長し、体がしっかりしてくる
- 親鳥の真似をして餌を突く練習を始める
- 後期(1〜1.5か月)
- 羽が成鳥に近づき、短距離飛翔が可能になる
- 巣立ちの準備を始める
4. 巣立ち
- 飛べるようになる時期:生後約1か月半〜2か月
- 巣立ち後
- 最初は親の近くで飛翔
- 徐々に独立して果実を自分で採る
5. 特徴・生態
- 羽毛は成鳥よりも淡い色合い
- 両親の指導と世話を受けて餌の採り方を学ぶ
- 海岸林での安全な巣環境がヒナの生存に重要
アオバトは絶滅危惧種なのか?
アオバトは絶滅危惧種ではないです。個体数は非常に安定しています。
1. IUCNレッドリストでの評価
- 分類:Near Threatened(NT:準絶滅危惧種)
- 理由:個体数は減少傾向にあり、特に生息地の減少や人間活動の影響が大きい
2. 絶滅危惧の原因
- 生息地の減少
- 海岸林や島嶼の樹林伐採
- 観光地化や開発による生息環境の破壊
- 人間活動の影響
- 海岸での採取や捕獲は少ないが、間接的に影響
- 漁業や観光での騒音、海岸の整備による干渉
- 自然環境の変化
- 台風や高潮などによる巣や餌場の消失
3. 保護状況
- 日本国内では**天然記念物(特定地域での保護)**として指定されている場合がある
- 海外でも生息地保護や森林保護活動が行われている
- 個体数の減少傾向に対して、観察やモニタリングが重視される
アオバトはペットとして飼育可能?
アオバトは神奈川県の天然記念物に指定されているため、飼育は簡単ではありません。
1. 飼育の難しさ
- 体の特徴
- 中型ハト(体長約32〜36 cm、体重約180〜250 g)だが、野生性が強く警戒心が高い
- 光沢ある羽毛の美しさを保つには自然環境に近い飼育環境が必要
- 生息環境依存
- 海岸林や島嶼環境に適応しているため、人工環境での飼育はストレスがかかる
- 飛翔能力が高い
- 広い空間が必要で、狭いケージでは十分に飛べない
2. 性格・行動
- 臆病で警戒心が強い
- 人間やペットに慣れにくく、ストレスで羽毛を痛めたり餌を食べなくなることがある
- 群れで生活する傾向
- 単独飼育は精神的ストレスが大きい
3. 法律・保護
- 日本では天然記念物や保護対象の地域個体が存在
- 飼育や捕獲には特別な許可が必要
- 無許可での飼育や販売は法律違反
4. 飼育例
- 鳥類専門の施設や動物園で飼育されることが多い
- 飼育条件:
- 高い飛翔空間と自然に近い環境
- 果実や木の実を中心とした食事
- 親鳥のような行動(採食や休息)を維持できる環境
- 繁殖期やヒナの保護管理



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