アリクイはどんな動物?特徴、生態、生息地について解説します。哺乳綱貧歯目アリクイ科に属する動物の総称。オオアリクイ属1種、コアリクイ属2種、ヒメアリクイ属1種の3属4種が含まれ、中央・南アメリカの草原や森林地帯で生息をしていることが多いです。
アリクイとは? 基本ステータスについて
アリクイは哺乳綱有毛目に分類されるアリクイ亜目(虫舌亜目、Vermilingua)を構成する種の総称。学名はVermilinguaで漢字は蟻食・蟻喰・食蟻獣。英名はanteater。体長は100~120cm、体重は18~39kg。情報の一覧は以下の通り。動物の中でもとても長い舌を持っています。
| Japanese(和名) | アリクイ |
| English(英名) | anteater |
| scientific name(学名) | Vermilingua |
| classification(分類) | Mammalia、Pilosa、 Vermilingua 哺乳綱、有毛目、アリクイ亜目 |
| IUCN Status(保全状況) | LEAST CONCERN |
| Length(体長) | 100~120cm |
| Weight(体重) | 18~39kg |
分類について
分類はヒメアリクイ科 Cyclopedidaeとアリクイ科 Myrmecophagidaeから構成されています。
アリクイの分類学
- 界(Kingdom): 動物界 (Animalia)
- 門(Phylum): 脊索動物門 (Chordata)
- 綱(Class): 哺乳綱 (Mammalia)
- 目(Order): 食虫目 (Pilosa)
- 科(Family):
- ミツユビアリクイ科(Myrmecophagidae)
- ミツユビアリクイ (Myrmecophaga tridactyla)
- ナマケモドキ (Tamandua tetradactyla / Tamandua mexicana)
- オオアリクイ科(Cyclopedidae)
- オオアリクイ (Cyclopes didactylus)
- ミツユビアリクイ科(Myrmecophagidae)
- 属(Genus)と種(Species): 属種コメントMyrmecophagaM. tridactylaオオアリクイ、最大のアリクイTamanduaT. tetradactyla, T. mexicanaナマケモドキ、樹上生活に適応CyclopesC. didactylusシナアリクイ、最小で樹上生活
生息地について
おもにアリクイは南米大陸で生息をしています。
1. 地理的分布
アリクイは 中央〜南アメリカ に分布しています。
種類ごとに生息域が少し異なります。
| 種類 | 主な分布 |
|---|---|
| オオアリクイ (Myrmecophaga tridactyla) | 南米の熱帯雨林、草原、サバンナ、湿地帯(ブラジル、ベネズエラ、アルゼンチン北部など) |
| ナマケモドキ (Tamandua tetradactyla / T. mexicana) | 中南米の森林、草地、低地や低山の樹林帯 |
| シナアリクイ (Cyclopes didactylus) | 熱帯雨林の樹上(主に中央〜南米のアマゾン川流域) |
2. 生息環境の特徴
- オオアリクイ
- 地上生活中心だが泳ぎも得意
- サバンナや草原のアリやシロアリを食べる
- ナマケモドキ
- 地上と樹上の両方で生活
- 樹上で果実やアリ、シロアリを食べる
- シナアリクイ
- 完全樹上生活
- 木の葉や樹皮、アリ・シロアリを食べる
3. 生息条件
- 温暖な気候:熱帯雨林やサバンナなど温暖湿潤な地域
- アリやシロアリが豊富にいること
- 隠れる場所があること:樹上や洞穴、茂みで昼間は休息
特徴は?どんな感じの生物なのか?
アリクイはアリやシロアリを食べることからアリクイと呼ばれています。細長い舌を持ち、粘着力のある唾液で獲物を捕らえます。耳はいずれも小さくて丸い。尾は長く長い毛で覆われております。歯はまったくなく、頭骨は長く伸び、口先は小さく円筒状になっています。アリクイは地上性で日中も夜間も活動をしており、単独か親子で生活をします。
1. 外見の特徴
- 体格
- 種類によって大きさが大きく異なる
- オオアリクイ:体長約1.5〜2 m、尾を含むと2.4 m、体重約20〜40 kg
- ナマケモドキ:体長約50〜70 cm、体重約4〜7 kg
- シナアリクイ:体長約30 cm、体重約0.4〜0.6 kg
- 細長く筋肉質の体、ずんぐりしていない
- 種類によって大きさが大きく異なる
- 頭・顔
- 細長い吻(口先)、小さな耳
- 舌が非常に長く(オオアリクイは最大60 cmほど)、アリやシロアリを舐め取る
- 手・足
- 前足には鋭い爪、アリ塚やシロアリ塚を壊すのに適応
- 地上型は力強い爪、樹上型は登攀に適した形
- 尾
- 種によって短いものから長くて体重支えに使うものまで
- ナマケモドキは尾を樹上でバランスに使用
2. 毛・皮膚
- 厚く粗い毛で体を保護
- シナアリクイは薄く柔らかい毛で樹上生活に適応
- 色は茶色〜灰褐色が多く、種類によって背中に斑点や縞模様あり
3. 行動・性格
- 食性: 主にアリ・シロアリを専門に食べる(食虫性)
- 性格:
- 基本的におとなしく穏やか
- 危険を察知すると鋭い爪で防御
- 社会性:
- 単独行動が基本
- 種類によっては家族単位の小群れで生活
4. 特殊能力
- 長い舌と唾液でアリ・シロアリを効率的に捕食
- 強力な前足の爪で巣や土を壊す
- 夜行性・樹上生活など環境に応じた適応力

性格はどんな感じなのか?
アリクイは基本的にとても大人しい性格で温和な一面を持っています。率先して他の動物を攻撃することというのはまずありません。
アリクイの性格の特徴
- おとなしく穏やか
- 基本的に争いを避ける
- 攻撃的ではなく、捕食者に遭遇しても逃げるか防御行動を取る
- 警戒心は強め
- 捕食者(ジャガー、ピューマ、オオカミ、ヘビなど)に敏感
- 危険を察知すると爪や前足で防御
- 単独生活なので、自分の身を守る習性が強い
- 単独行動を好む
- 基本的には単独で生活
- 家族単位の小さな群れを作ることもあるが稀
- 生活圏や食料を巡って他個体と接触することは少ない
- 慎重で用心深い
- 食料を探すときも周囲を観察しながら行動
- 樹上型のナマケモドキやシナアリクイは高いところで安全に生活
- 夜行性・穏やかな行動
- オオアリクイやナマケモドキは夜間や薄明かりの時間に活動
- 日中は隠れ場所で休むことが多い
生態はどんな感じなのか?
アリクイは1日に約3万匹のアリやシロアリを食べて生活をしています。繁殖様式は胎生。発情期間は50 – 60日です。妊娠期間は半年前後あります。寿命は15年程度です。
1. 生活様式
- 単独生活が基本
- オオアリクイ、ナマケモドキ、シナアリクイともに単独で行動することが多い
- 家族単位や母子のみで小規模の群れを作る場合もある
- 活動時間
- 主に 夜行性または薄明かり行動
- 昼間は巣穴、樹洞、岩陰などで休息
- 住処
- オオアリクイ:地上で巣穴や草むらを利用
- ナマケモドキ:樹上・地上両方
- シナアリクイ:完全樹上生活
2. 食性
- 専門的な食虫性
- 主にアリ、シロアリを舐め取って摂取
- 長い舌と粘液で効率よく捕食
- 一部の種類は果実や植物も摂取
- 食料の確保
- オオアリクイは広範囲を移動して巣穴やシロアリ塚を探す
- 樹上型は樹皮の隙間や木の洞で採食
3. 繁殖と子育て
- 繁殖期
- 種によって異なるが年間を通して繁殖可能
- 妊娠期間
- 約6〜8か月(種による)
- 出産
- 通常1頭、稀に2頭
- 母親が背中に子を乗せて移動
- 幼獣の成長
- 生後数週間で舌を使った採食を学ぶ
- 数か月で夜間行動や隠れ方を母親から学ぶ
天敵はいるのか?
天敵としてはジャガー、ピューマ、アメリカワニが挙げられます。主に大きな動物で肉食である場合は大きな脅威となり捕食されてしまいます。

アリクイの幼獣について
アリクイ(Anteater)の 幼獣(子ども)の特徴や成長過程 について整理します。
1. 出生
- 妊娠期間: 種類によって約6〜8か月
- 出産数: 通常1頭(稀に2頭)
- 新生児の特徴:
- 体長:約20〜30 cm(種による)
- 体重:約400 g〜1 kg(種による)
- 背中の毛や棘は柔らかく、母親の背中に乗せやすい
- 目は開いて生まれることが多く、母親や周囲の環境をすぐに認識
2. 母親との関係
- 母親の背中に乗って移動
- オオアリクイやナマケモドキでは一般的
- 母親が巣穴や安全な隠れ場所で子を守る
- 採食や隠れる場所の使い方を母親から学ぶ
3. 成長と行動
- 生後数週間:
- 母親の背中に乗ったまま安全に休む
- 舌を使った採食の練習を始める
- 生後1〜2か月:
- 簡単な食物(アリや果実)を自分で摂取
- 母親の行動に付き添って夜間行動を学ぶ
- 生後数か月:
- 独立して採食や移動が可能になる
- 夜間の単独行動も徐々にできるようになる
4. 特徴
- 性格: 好奇心旺盛で観察力が高い
- 防御: 柔らかい毛で母親と密着、防御は母親頼み
- 社会性: 幼獣期は母親依存、独立するまで群れや母親の安全下で成長
アリクイは絶滅危惧種なのか?
アリクイは絶滅危惧種ではありませんが、亜種で見るとオオアリクイが絶滅危惧種に指定されています。食用とされたり、皮革が商用でかなり需要があることから乱獲されていると言う実態があります。現在は過去10年で生息数が30%以上減少したという現実があり、ワシントン条約発効時から附属書IIに掲載されている状態です。
1. 世界的な保護状況(IUCNレッドリスト)
| 種類 | 分類(絶滅危惧度) | コメント |
|---|---|---|
| オオアリクイ (Myrmecophaga tridactyla) | VU(Vulnerable:絶滅危惧II類) | 南米に分布する最大のアリクイ。生息地の減少・森林破壊・道路事故が脅威 |
| ナマケモドキ (Tamandua tetradactyla / T. mexicana) | LC(Least Concern:軽度の懸念) | 森林や樹林帯に広く分布、個体数は比較的安定 |
| シナアリクイ (Cyclopes didactylus) | LC(Least Concern) | 樹上生活に特化、アマゾン川流域の熱帯雨林に分布、個体数安定 |
2. 絶滅リスクの要因
- 森林破壊・土地開発:アマゾンやサバンナの伐採で生息地減少
- 道路事故:オオアリクイは地上移動が多く、交通事故のリスクが高い
- 狩猟・人間活動:食用や捕獲の対象になることもある
- 局所的な個体群減少:生息地が限定される地域では減少傾向
3. 日本での状況
- 自然分布なし
- 飼育個体もほとんどなし
- 動物園や研究施設での飼育は可能だが、輸入にはワシントン条約(CITES)の規制あり
アリクイはペットとして飼育可能?
アリクイは以上のように絶滅危惧種に指定されていると言う実態があることから、ペットとして飼育は難しいです。動物園やイベントなどの案内を受けて入園して鑑賞することをおすすめします。
1. 法律・保護上の規制
- ワシントン条約(CITES)で国際取引が規制される種類がある
- 日本国内でも 野生動物保護法 により、野生個体の飼育は原則禁止
- 飼育できるのは 動物園・研究施設・保護施設 に限られる
2. 生態・行動面の問題
- 専門的な食性
- アリやシロアリが主食で、家庭で安定して与えるのは困難
- 果物やその他の補助食も必要になるが、栄養管理が難しい
- 夜行性・隠れ場所が必須
- 昼間は巣穴や樹洞で休むため、家庭環境ではストレスがかかる
- 大型化・鋭い爪
- オオアリクイは体長2 m近く、前足に鋭い爪を持つ
- 防御時に攻撃されると危険
3. 健康・安全面
- 野生本能が強く、逃げたり暴れたりする
- 不適切な飼育はストレスや病気の原因になる



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