タンチョウはどんな鳥?特徴、生態、生息地について解説します。タンチョウは日本だけでなく、朝鮮半島や中国でも見ることができる鳥です。世界の総個体数は3,050羽と言われていますが実はそのほとんどが北海道であることを知っていますか?
タンチョウとは? 基本ステータスについて
タンチョウは鳥綱ツル目ツル科ツル属に分類される鳥類です。漢字では丹頂、学名はGrus japonensis。全長102 – 147cm。翼長64 – 67cm。翼開長240cm。体重4 – 10.5kg。情報の一覧は以下の通り。
| Japanese(和名) | タンチョウ |
| English(英名) | Japanese crane Manchurian crane Red-crowned crane |
| scientific name(学名) | Grus japonensis |
| classification(分類) | Ave、 Gruiformes、Gruidae、Grus 鳥綱、ツル目、ツル科、ツル属 |
| IUCN Status(保全状況) | VULNERABLE |
| Length(全長) | 102 – 147cm |
| Weight(体重) | 4 – 10.5kg |
タンチョウの分類学
- 界(Kingdom): 動物界 (Animalia)
- 門(Phylum): 脊索動物門 (Chordata)
- 綱(Class): 鳥綱 (Aves)
- 目(Order): ツル目 (Gruiformes)
- 科(Family): ツル科 (Gruidae)
- 属(Genus): タンチョウ属 (Grus)
- 種(Species): タンチョウ (Grus japonensis)
生息地について
タンチョウは日本、朝鮮半島、中国のあたりに分布しております。地域によっては冬期に越冬する姿も発見、確認できます。その後つがいは春に戻ってきます。
1. 地理的分布
- 日本:北海道東部の釧路湿原や根室湿原
- ロシア:サハリン、沿海州、アムール川下流域
- 中国:東北地方(黒竜江省、吉林省)
- 韓国北部:冬季に越冬する個体が記録される
北海道の個体群は 渡りを行わない定住型、本州や大陸の個体群は 冬季に南下する渡り型
2. 生息環境
- 湿地や河川沿いの草原・沼地
- 川や湖沼の浅瀬で採食
- 草原や湿地で休息
- 農耕地周辺
- 冬季は凍結しない田んぼで採食(特に落ち穂や野菜の残渣を利用)
- 森林や丘陵地は避ける
- 開けた湿地や河川沿いが生息の条件
3. 生息条件
- 水場が必須:浅い水辺での採食が基本
- 安全な休息場所:湿地や葦原など、捕食者から身を隠せる環境
- 越冬地:北海道東部や中国南部の凍結しない湿地・田んぼ
特徴は?どんな感じの生物なのか?
日本で繁殖する唯一の野生ツル。タンチョウは頭頂にはほぼ羽毛がなし、赤い皮膚が露出しており、黒い羽毛があります。日本国内では、北海道東部の湿原を中心に分布。クッチャロ湖やサロベツ湿原、十勝川流域などにほとんどの個体が集まっています。夏期は湿原に分散して営巣・育雛を行い、冬は里近くへ移動し群れで生活をしています。
1. 外見の特徴
体格
- 大型の水鳥
- 体長:約150〜158 cm
- 翼開長:約220〜250 cm
- 体重:約8〜10 kg
- 姿勢:直立姿勢が美しく、優雅
羽毛と色
- 全身は主に白色
- 頭頂部(冠)に赤い皮膚が露出 → 名前の由来
- 翼先端は黒色で飛行時にコントラストが美しい
- オスとメスで大きな色の違いはほとんどない
くちばし・足
- くちばし:長くて丈夫、魚や水生生物を捕るのに適応
- 足:長くて灰黒色、水辺での歩行や採食に適する
2. 行動・性格
- 性格:おとなしく温厚
- 危険を察知すると飛んで逃げる
- 捕食者や人間には警戒心が強い
- 社会性
- つがいで生活する一夫一妻制
- 繁殖期以外は家族群や小規模群れで行動
- 鳴き声
- 低く響く「グルル…」という鳴き声で、つがいでのコミュニケーションに使用
3. 生態的特徴
- 食性:雑食性
- 植物:水草、穀物、野菜の残渣
- 動物:魚、カエル、昆虫、小型無脊椎動物
- 繁殖
- 巣は湿地や葦原に作る
- 1度に1〜2個の卵を産む
- オスとメスが協力して抱卵・ヒナの育成

性格はどんな感じなのか?
タンチョウは基本的に穏やかとは言い難く、仲間同士の争いなどがよくおこります。群れで生活をする割には意外とよくケンカをします。
タンチョウの性格の特徴
- 温厚でおとなしい
- 基本的に攻撃性は低い
- 他の水鳥や同種と穏やかに共存する
- 臆病で警戒心が強い
- 捕食者や人間に対して敏感
- 危険を察知するとすぐに飛んで逃げる
- 繁殖期は特に警戒心が強く、巣やヒナを守る
- 社交性は高いがつがい中心
- 一夫一妻でつがい生活を基本とする
- 繁殖期以外は家族群や小規模群れで行動
- 大きな群れは作らない
- 忠実で協調性がある
- つがいでの行動や鳴き声によるコミュニケーションが重要
- ヒナの育成でもオス・メスが協力する
- 落ち着きがあり優雅
- 歩行や飛行時の姿勢が直立で優美
- 水辺や湿地でゆったりと行動する
生態はどんな感じなのか?
タンチョウは雑食で、昆虫、甲殻類、カタツムリなどを食べて生活をしています。繁殖様式は卵生。春ごろに2個の卵を産み、抱卵期間は1か月あり、オスとメスが交代して温めます。寿命は25年程度と言われています。
1. 生活様式
- 湿地・河川沿いで生活する大型水鳥
- 川や池の浅瀬で採食
- 草原や葦原で休息
- 活動時間:昼行性で日中に採食・休息・繁殖活動を行う
- つがい・家族群で行動
- 繁殖期はつがいで、繁殖期以外は家族群や小規模群れ
2. 食性
- 雑食性
- 植物性:水草、穀物、野菜の残渣
- 動物性:魚、カエル、昆虫、小型無脊椎動物
- 採食方法
- 浅い水辺でくちばしを使って魚や植物をついばむ
- 冬季は凍結しない田んぼで落ち穂や野菜の残渣を食べる
3. 繁殖と子育て
- 巣作り
- 湿地や葦原の地面に巣を作る
- 産卵数:1〜2個
- 抱卵・子育て
- オスとメスが交代で抱卵
- ヒナは生まれてからすぐに母親に従って歩き、浅い水辺で採食を学ぶ
- 成長
- ヒナは数週間で採食・水辺行動を習得
- 数か月で親と同様の行動ができる
4. 移動・渡り
- 渡り型:大陸の個体群
- 冬季は中国東北部や朝鮮半島南部、ロシア沿海州へ移動
- 定住型:北海道の個体群
- 冬季も主に釧路湿原などで越冬
天敵はいるのか?
タンチョウの天敵はキツネ、イタチ類、他にノイヌなどが挙げられます。

タンチョウのヒナについて
タンチョウ(Red-crowned Crane)の ヒナ(幼鳥) について詳しく整理します。
1. 出生
- 孵化時期:春〜初夏(4〜6月)
- 産卵数:1〜2個
- 孵化日数:約28〜30日
- 孵化時の特徴:
- 羽毛は淡い灰色〜茶色で、柔らかくフワフワ
- 目は開いており、周囲の環境を認識可能
- 足・くちばしはしっかりしており、歩行や採食の準備ができている
2. 巣立ち・水辺生活
- 巣立ち:
- ヒナは生まれてからすぐに歩き始め、浅い水辺にも自力で移動
- 母親(メス)と父親(オス)の導きで巣から安全な場所へ
- 水辺での行動:
- 浅瀬で歩きながら採食を学ぶ
- 初期は昆虫や水生小動物、柔らかい植物を食べる
3. 成長と発達
- 生後数週間:
- 採食・水辺での行動・羽づくろいなどの基本行動を習得
- 親鳥の後を追って安全な場所を覚える
- 生後数か月:
- 羽毛が成鳥に近づき、体格も大きくなる
- 独立して採食可能になり、群れに適応
4. 社会性と性格
- 親鳥への従順:危険や採食場所の移動は親に従う
- 協調性:兄弟や親鳥と群れを作り、安全に行動
- 警戒心:生後間もなくでも天敵に敏感で、水辺や葦原に隠れる
タンチョウは絶滅危惧種なのか?
タンチョウは環境省の保全状況の確認をすると、絶滅危惧種。現在の推定個体数は約3000羽程度でほとんどが日本の北海道で活動して住んでいます。日本では北海道庁により1889年に狩猟が禁止され、1925年に禁猟区に指定されています。1993年に種の保存法施行に伴い、国内希少野生動植物種に指定されて給餌されています。そのため、かなり厳重に保護されていることがわかるでしょう。ワシントン条約附属書Iにも掲載されています。
1. 国際的な保護状況
- IUCNレッドリスト:EN(Endangered:絶滅危惧ⅠB類)
- 理由:
- 生息地の湿地・河川の減少
- 農地開発や都市化による生息地の破壊
- 過去の狩猟や人間活動の影響
2. 日本国内の状況
- 北海道東部(釧路湿原・根室湿原)に生息する個体群
- 個体数:約1,800羽前後(2020年代初期の推定)
- 保護措置:
- 自然保護区・国立公園での生息地保護
- 餌場の提供(冬季の田んぼでの補助給餌)
- 野生復帰プログラム
3. 大陸(ロシア・中国)の状況
- ロシア沿海州、サハリン、黒竜江省・吉林省などに分布
- 渡り型の個体群も減少傾向
- 保護対策:湿地の保全、違法狩猟の取り締まり
タンチョウはペットとして飼育可能?
タンチョウはペットとして飼育は難しいです。上記のように絶滅危惧種だからです。動物園のHPのサイトマップや入園して鑑賞しましょう。特別天然記念物の野鳥として案内されています。自然で研究が進んでいます。
1. 法律・規制面
- 日本では ワシントン条約(CITES)附属書I に掲載されている絶滅危惧種
- 国内では 鳥獣保護法および野生動植物保護法で飼育や捕獲が厳しく制限
- 動物園や研究施設などの特別許可がある施設以外での飼育は 違法
2. 生態・行動面の課題
- 大型で飛翔能力が高い
- 自由に飛べるため、広大なスペースが必要
- 警戒心が強く臆病
- 人間に慣れにくく、ストレスで健康を害する可能性が高い
- 社会性がつがい中心
- 単独飼育ではストレスがたまりやすい
3. 食事・環境の管理
- 雑食性だが自然に近い採食環境が必須
- 魚、カエル、水生昆虫、植物など多様な食物を必要
- 人間の管理下で完全再現するのは困難
- 湿地・浅瀬・広大な空間が必須
- 家庭や小規模の池では生存困難


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